見出し画像

4年半かけて保育士試験を受けた話(前編)

タイトルの通り、4年半かけて保育士試験に挑戦して、ようやく合格して保育士登録したのでその記録をまとめた。
その動機は長々しいので別記事「Dojo運営のために保育士の資格をとってみた…の詳細」を参照されたし。

登録の証(Twitter2022/10/16

保育士とは何か

保育士試験対策情報を探してここに来た人ばかりではないと思うので念のためザックリと。
以下の通り平成15(西暦2003)年11月の児童福祉法改正により規定された資格(要は国家資格)。かつては男女別の名称で「保母」「保父」だったもの(「保育士」の名称は平成11(西暦1999)年の児童福祉法改正で登場)。

保育士(国家資格)とは
【定義】児童福祉法第18条の4
保育士とは、第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。

保育士試験とは|(一社)全国保育士養成協議会

どこで働くかというと、メインは保育所など児童福祉法第7条で規定されている児童福祉施設
なお、児童福祉施設の中には児童福祉法上で保育士の配置が義務づけられているものがある(「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」を参照)。

…と、ここで「幼稚園の先生と何が違うの?🤔」という人もいると思われるので、保育所・幼稚園・小学校とで指導者に求められる資格や提供するサービス(言い方がアレだけど要するにそれ)等の違いをまとめた。

(各種資料を基に独自に編集)

保育士登録をする方法

概ね2通りのルートがある。

保育士資格を取得するには
1. 厚生労働大臣の指定する保育士を養成する学校その他の施設(以下「指定保育士養成施設」という)を卒業した者
2. 保育士試験に合格した者

保育士試験とは |(一社)全国保育士養成協議会

更に保育士試験を受験するためのルートが細かく細分化されている。平成9年度以降の高卒や同程度のケースだと児童福祉施設での勤務経験が必要になってくるが、それ以外の場合は必要な書類を取り寄せれば申し込める。
詳細は公式サイトを参照。

保育士試験について

「(一社)全国保育士養成協議会の運営する公式ウェブサイトを見て下さい…」で片付けても良いけど、念のために簡単に概要と小ネタを。
情報は2022年12月6日現在。

  • 受験のチャンスは年2回、前期(4月)と後期(10月)。

  • 全部で9科目の筆記試験(一次試験)と実技試験(二次試験)がある

    • 筆記も実技も合格ラインは6割

    • 筆記はマーク式

    • 教育原理と社会的養護はほぼ2つで1つ(どちらかが6割未満だとNG)

  • 筆記試験は3年間の科目免除がある

    • 科目免除があっても受験料は同じ

    • 免除期間中にその科目を受験して、その科目が合格すると免除期間が延長できる。

    • 再受験申請して受験しないのは可だが、申請せずに再受験は不可

  • 2回目以降の受験の際は過年度の受験記録が必要になる
    (卒業証書など何度も取り寄せなくて良い)

  • 二次試験が不合格で二次試験だけ再受験でも受験料は同じ

  • 一般的には一発合格あるいは2、3回目で合格。

  • 令和3年度(前期/後期合算)の合格率は約20.0%

  • 受験にかかる費用: 1万5千円弱
    (受験料 12,950円、振込手数料203円前後、簡易書留 440円)

  • 登録にかかる費用: 5千円強
    (保育士登録申請書請求の往復郵送料 84+140円、登録料 4,200円、振込手数料203円前後、簡易書留 440円)

[参考]筆者の受験前のスペック

  • 世代: 40代

  • 職業: 無職
    (たまに子供向けプログラミング教室の業務委託など。ほぼ開店休業)

  • 学位: 「学士(理学)」
    要は教育、福祉、保育以外の専攻(プログラミング教室の講師をしていたが、数学系、情報、情報工でもない)。
    入学した学校の学部学科は代ゼミの偏差値ランキングで概ね48程度。

  • 資格: ITパスポート、基本情報、応用情報、日商簿記2級、英検3級、TOPIK3 級、ハン検3級、etc.

  • 得意: なし

  • 不得意: マルチタスク・臨機応変な対応・即興・暗記

単純な学力は日本の生産年齢(年齢x 15≦x<65)にある7千万人弱の中で見ればおおよそ中央値あたりに属し、別段高スペックでも低スペックでもない。
…が、労せず偏差値68(何基準?)以上の高校やら大学やらを出た人やそれと同等の学力を有する人から見れば極めて低スペックであることも一面的に正しい。

受験の記録(本題)

受験の時期

H30前・後、H31/R1前・後、R2後、R3前・後、R4前(計8回)
なんでそんなに時間がかかったのかと言えば「勉強しようかと思って腰を上げかけた試験2、3週間前に突如として数週間に及ぶ割り込みタスクが入って、まったく勉強できなくて落ちた」というシンプルな理由…。
私は急な割り込みタスクに非常に弱い…。

受験対策方法

  • 市販の過去問題集

    • 1冊目 保育士精選過去問題集2018(風鳴舎)

    • 2冊目 福祉教科書 保育士 完全合格問題集 2020年版(翔泳社)
      ↑此方のほうが問題の量が多くて重宝した

  • 社会福祉士試験の対策情報

  • 受験者のブログ記事など

  • 子育て支援関係の勉強会への参加(都の子育て支援員研修とか)

基本は独学。
放課後教室やら民間のボランティア活動やら仕事やらで児童と関わることはあれど、何かしら保育の知識が必要なシーンがなく、試験のために新たに知識習得に励んだ感じ。
あとはネットでひたすら情報収集。過去問解説を探したり。

学習時間

科目の勉強はおおよそ以下の通りだけど、保育所保育指針やら児童および福祉関連の法規やらなんやら科目横断的な情報を漁ったりしていたので実質の総学習時間はもう少し多いかも。

  • 社会福祉: 正味3週間程度

  • 保育実習理論: H30前=4h、R4前=7日程度

  • 他の科目: 正味2〜4日程度

科目合格の順序

  • 保育実習理論 (H30前)

  • 子どもの食と栄養 (H31/R1前)

  • 保育の心理学 (H31/R1前)

  • 保育原理 (H31/R1後)

  • 子どもの保健 (H31/R1前)

  • 教育原理 (R2後期)

  • 社会的養護 (R2後期)

  • 子ども家庭福祉 (R2後期)

  • 保育実習理論 (R4前)(※科目免除期間切れ再受験)

  • 社会福祉(R4前)

雑感

  • ここ20年近くほぼほぼ真下を向いて書きものをしないので、2日間通しで朝から夕方までの受験は体力的に厳しい…
    (最初から科目合格狙いで前後期で2回に分けて1日だけとか午前か午後どちらだけに絞って受験するのも賢い選択なのかもなあ…)

  • 60分の試験、自分の場合は内容を十分理解してて合格点をとれるときもそうでないときも、いずれにしても30分程度で終わってしまう…

    • さっさと途中退室して外か自習室にこもるのが安心

    • 教育原理及び社会的養護が途中退出不可かつ他科目の半分の分量なのでお察し

    • R4前の保育実習理論は「絶対落としたくない」気持ちが強すぎて時間いっぱいまでかかった&途中から手の震えが止まらなくてヤバかった

  • 社会福祉が連続で55点で落ちたときは本当に呪われていると思った

  • 暗記マジで嫌い…

  • Twitterで「こんなの勉強しなくても全部80点よゆ〜😘💕できない人はオバサンに決まってる🥰」とイキっている人は無視してヨシ

  • 文部科学省と厚生労働省の縦割りめ…

  • 保育所保育指針と保育所保育指針解説は一体何度読んだだろう…

  • 令和2年度前期が中止になって、後期も実技が1科目に変更になったので、あの年に合格できた人たちに「うらやましい…」の気持ち(そこ

  • 自己採点で安堵。とりあえず終わって良かった…(切実

実技試験もろもろの続きは「後編」で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?