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Bergen Art Book Fair 2024 #4

本と人


4月14日
アートブックフェア 3日目(最終日)
最終日にして朝食で初めて話す出展者もいた。NYからきていたパブリッシャーとオスロからきていた出展者。みんなこちらに寄り添った質問をしてくれて、とても親切だった。
朝食を終え、開場時間になるまで他のスタンドを周りしばしショッピング。全部を回るのは不可能だけれど、気になった本は買い、出展者と話した。
彼ら、彼女らの本の制作のストーリーを聞くのが非常に面白く、とても刺激をもらった。

お客さんの入りは前日の土曜日の方が多かった。でもその分、落ち着いて見れるので、それはそれでいいかなと思った。斜め前のスタンドのLulaさん(Bur-Rose)はいかにもパンクスの風貌をしていて、とても親切にしてくれた。(彼女はビールを持参し、周りの人プレゼントしていた。)制作しているZineはコラージュや詩を色々なアーティストが本の中で共演しているもので、ZineらしいZineというか、反骨精神の原点が込められているように思えた。

お客さんの中で日本人の青年がいた。私が日本人ということもあって話しかけてくれたのかな、と最初は思っていた。私が10年以上制作している(現在不定期に発行している)Zineを知っていて、わざわざ足を伸ばしてベルゲンアートブックフェアに来てくれたのだった。非常にびっくりしたし、嬉しかった。私の作るZineは、アーティストをはじめとするいろいろな人が、紙の上で表現する場という考えで制作している。そのZineを手にとってくれる人がいて、何か響くものがあったということを知って、ありがたいなと思った。

ワルシャワからきたOficyna PeryferieのMichałさん。
彼とは何年か前のTokyo Art Book Fairで会った。

ハロー バイバイ ハロー


アートブックフェアは17:00になると終幕を迎えた。なんとなく名残惜しいような気持ちにもなった。
世界各地のアートブックフェアに参加したことがある、あるいはしている出展者が、ベルゲンアートブックフェアはAnki(Pamflett)のオーガナイズの素晴らしさ、出展者への配慮、お客さんがあらゆる方向でアートブックと関われるプログラムが組まれているという理由で、小規模ながらとても特別なアートブックフェアだといっていた。
時に孤独なセルフパブリッシャーは本は一人では決して作ることができないことを忘れていない。当然なことかもしれないけれど、時々忘れてしまう人のエゴのようなものがあるからだ。

ハローからスタートし、バイバイ。次はまたどこかのアートブックフェアで会おう。次のハローまで、その日までお元気で。

CITY WALKで活版印刷を紹介してくれたImiさん。多くのアーティストブックを手がける。
ノルウェーを拠点とするアーティストであり、パブリッシャー、キュレーションも手がけるすご腕のJessicaさん(Hverdag Books)。

ベルゲンからベルリンへ

4月15日
ベルゲンアートブックフェアが始まった場所は、街角のカフェだった。

飛行機まで時間があったので、ホテルに荷物をあずけ、街をぶらついた。Ankiに教えてもらった念願のNobel Bopelカフェ(https://nobelbopel.no/)で朝ごはん。

Bergen Art Book Fair誕生の場所

あっという間の滞在で、ベルゲンからオスロ乗り換えでベルリンへ。空港へは市街地からトラムで1時間ほど。
アートブックフェアで新たな出会いがあり、ベルリンから出展していた人とすぐに再会する約束をした。時々交差する人と人のそれぞれの人生の中で、何度も会えるというのは幸せなことなのかもしれない。

さようなら、ベルゲン。