Z世代は幻想?若者離職の真犯人は「ゆるい職場」?「働き方改革」より「育て方改革」が今必要!
古谷星斗さんという方が書いた「なぜ若手を育てるのは今、こんなに難しいのか」を読了。
本書に出てくる「Z世代は存在しない」というフレーズに共感し購入。
私も古谷さんも、今の若い世代と話をしていて、自分の若いころと違うと感じることはほとんどない。
にも関わらず、マスコミによる「Z世代は〇〇だ!」という言説に皆惑わされている。
世代間ギャップは過去から未来永劫あるわけで、それを「今の若者は・・・」という説明で納得しようとしているだけなのである。
例えば「今の若者はプライベート志向だ」と言うと、その通りと思うだろうが、実は数十年前の若者(つまりの今のオジサン)の意識調査でも同じ傾向だったという。
確かに私が若い頃だってプライベート志向だった。
更に本書では現在の年代別の意識調査も行っているが、その結果によると、若者だけでなく、どの世代もプライベート志向なのだ。
変わったのは若者ではなく社会の方だ。
「ブラック企業」という単語の影響で、ここ数年、劇的に職場環境は改善の方向に向かっている。(本書ではこの状況を「ゆるい職場」の誕生と表現している。)
職場環境は改善されているのに、若者の離職率は高まるばかり。
何故か。
答えは簡単で、それは若者は職場環境の改善を求めているわけではないから。
端的に言えば若者は「やりがい」を感じたいのだ。
別の言い方をすると、仕事を通じてのスキルアップを求めている。
ところが会社側は「働き方改革」という名のもとに職場環境改善ばかりに取り組んでいる。
古谷さんによると、取り組むべきは「働き方改革」ではなく「育て方改革」だという。
本書では「育て方改革」の一つとして、「ゴールテープを張る」ということを推奨している。
大きなプロジェクトがある仕事の場合はゴールテープを張りやすいが、問題はルーティン仕事の場合。
本書ではルーティン仕事の場合のゴールテープの張り方として、2つ挙げている。
一つは「パフォーマンスを定量化すること」。
これは「若手が<少し前の自分>と比較できる指標を設定すること。」。
二つ目は「本来職務から少しずらした職務を担わせること」。
この二つを組み合わせることにより、スキルアップを「実感させる」ことができるという。
「働き方改革」よりも「育て方改革」の方がずっとずっと難しいわけだが、これに取り組まなければ、我社の状況も改善しなさそう・・・。
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