「デバッガー人生」

2020年6月8日の日記


・日記と言うくらいなら毎日書くべきだとは思うけれど、「書かなきゃ」という義務感に苛まれたら最後、二度とこのサイトを開かなくなりそうなので自分のペースで書こう。誰に見せるわけでもないしな。

・ボタノフォリア。っていうらしい。これは植物恐怖症の事。何となく私が植物に対して待つ感情は恐怖症の類だろうな、と思ってはいたのに、今まで自主的に調べようとしていなかった。

・知人との会話でそういう流れになってなかったら絶対今も調べてなかっただろうな。だって、特に生活に支障があるわけでもないし、多くの人が虫を気持ち悪いと思っているように、私も道端に生えている植物を見て「気持ち悪いな」と思いながら歩いているよと、それだけの話だから。

・たまに過呼吸になったり逃げ出したい恐怖心に駆られたりするけど、そんなに頻繁にあるわけじゃない。なので過剰に気を遣われると困る。ありがたいけど。

・『マイビューティフルガーデン』という映画の主人公が、植物恐怖症らしい。兎にも角にも秩序を好み、予測ができないような事、特に無秩序に伸びる植物に恐怖心を抱いている、というもの。

・「めちゃめちゃ分かるな…」と思った。

・建物の壁面に植物が這う様子は、古代建造物が好きな身としては美しいとも思うけど、何でもない住宅とか、フェンスとか、そういうのに絡み合いながら伸びている、芸術とは言い難い植物、かなり気持ち悪い。何なんだ、あの異様な生命力。思い返せば、「生命力」の表象、大体気持ち悪いと思って見ているな。あと海や川、池を泳ぐ魚。あと鳥、特にその辺を歩いている鳩。あと虫。嫌いなのは、予測できない動きをするものばかりだ。

・しかしどうやら、この映画は特に主人公の病状や克服の過程を重視するような硬派なものではなく、庭や植物等の映像としての美しさだったり、主人公が庭造りをするに至る人間関係をクローズアップするようなものらしい。観ていないので分からないが。この映画の紹介文には、でかでかと「ガーデンウェディングの参考に!」と書かれていた。

・恐らく、トライポフォビア等のように認知が得られるようになったものと違い、ボタノフォビアは世間的に想像され得る恐怖症の例としてはまだまだ知られていないのだろう。だから「共感」のベクトルが、恐怖症自体ではなくガーデニングに向く。あくまで主人公の肉付け、あるいは映画全体の舞台装置でしかないのだな、と思った。観ていないので分からないけど。

・花を愛でたいという気持ちはあるし、植物の成す芸術や、自然のままの草木の美しさだってよく理解している。だからこれは脳のバグなんだと思う。何故だか分からないけど、植物が危険で気持ち悪いものだと勝手に脳が認識してしまうんだろう。何がきっかけで感情のトリガーが引かれるか分からない以上、私は人生をかけてデバッグ作業をしなくてはならない。この結果が活かされるのはいつだ、来世の自分か? とりあえずは、そう思うことにしよう。


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