ザ・ギフト

週に一度来るらしい常連の
陰口で盛り上がるカウンター
あれで昔は誰もが知る
大企業の課長さんだとさ

たった一杯で何時間も
バイトの娘目当てにねばるんだと
曰く「俺今でこそこんな様だが
あの娘がいれば変われる気がする」

中くらいの才能 あこがれの残像
ぶら下げて今日も街を行けば
知らん顔の俺もそう変わりゃしないよ
否も応もないさ夜は明けていく


弦を買う金もないって焦ってた
あの頃が今じゃ馬鹿みたいだよ
そう笑ったあいつはさびしそうに
もう一杯飲むか? ってしきりに言う

ここはまだ俺の居場所じゃないと
居心地よく語ってたまでは覚えてる
「お客さん終点です」の声で目が覚め
二駅の夜道を歩いて戻る

中くらいの才能 あこがれの残像
ぶら下げて今日も街を行けば
知らん顔の俺もそう変わりゃしないよ
否も応もないさ夜は明けていく

音を立てないように部屋に帰っても
いつも彼女は目を覚まし
「ごめんな」と口に出す前に
好きなようにやれって笑って言う

週に一度来るらしい常連の
陰口で盛り上がるカウンター
「俺今でこそこんな様だが
あの娘がいれば変われる気がする」だってさ

だってさー


中くらいの才能 あこがれの残像
ぶら下げて今日も街を行けば
知らん顔の俺もそう変わりゃしないよ
否も応もないさ 否も応もないさ

中くらいの才能 もう仕方ないよ
ぶら下げて今日も街を行けよ
その劣等感は一生もんさ
ロックバンドをやれるってだけで

夢や希望なんぞ呪われてなんぼ
否も応もないさ夜は明けていく 

知らない食材を買ったり、知らない美味しいものを食べたりしております。ありがとうございます。