【チャート式】ダンス基礎|前書き

全国のダンサーの皆さん、こんにちは。本書を開いて頂き、本当にありがとうございます。 Showcaseで輝く方法を知りたいと思って読んでいる人、後輩の指導法で悩んでいる人、バトルで基礎力の低さを痛感し、もう一度基礎からやり直したいと思って読んでいる人、人から勧められて読んでいる人、色んな人が本書を読んでくれていることと思います。

いずれにせよ、本書を手にしたあなたはちょっとラッキーかもしれません。本書は、ストリートダンサーがもっと楽しく、もっと早くダンスの基礎を身につけられるようにすることを目的に書かれています。そのために「かっこよく踊るためには、どのようにスキルを身に付ければよいか」ということを徹底的に掘り下げ、それを身につけるための練習法を紹介しています(もちろんこれらのスキルは、Showcaseで輝くためにはもちろん、フリーで踊っ たときの「説得力」を強くするためにも必要不可欠なものです)。最初から最後まで通読するもよし、1ページだけ抜き出して読んでみるもよし。知らなかった練習法を見つけたら「あ、そんな練習法があるのか」と思って、ちょっと練習に取り入れてみてください。きっとあなたの力になれるはずです。

さて、少し僕の自分語りにお付き合いください。自己紹介が遅れてしまいましたが、ダンサーの「とえだんご」と申します。大学でストリートダンスを始め、多くのショーケースをつくって(20個くらいですかね)多くの後輩たちを教えてきました。その経験があってか「もっとダンスの楽しさ、奥深さを簡単に味わえるようになれば良いのに」「もっと早くダンスの基礎が身につけば良いのに」とよく考えていたんですね。

そのためには、「そもそもダンスってなんだろう?」「どうやって練習すれば上手くなるだろう?」というちょっと哲学チックなことから、ダンスの基礎的なスキルの定義とそれを身につけるための練習法など実践的なことまで、知識・知恵として体系化される必要があると考えていました。こうして、本書を書こうと思うに至ったのです。

本書の初版にあたっては、当時のサークル仲間を中心に多くのダンサーにご協力いただきました。仲間たちと、ときには深夜まで熱く議論を交わしたことによって、本書の内容がブラッ シュアップされていきました。この場を借りて、関わっていただいた全ての皆様に感謝申し上げます。

最後に、本書の「その先」についてお伝えします。 本書では、ダンスに関する知識・知恵が集められ、真剣に取り組んできたダンサーの多くが納得感を得られる形で論理的に整理されています。本書を理解し、練習を重ねていくことで、ショーケースではもちろん、フリーで踊るときも、もっと楽しく、カッコよく踊れるようになるでしょう。

しかし、ダンスとは、本書の内容よりももっと奥深く、多様な側面があるものです。 ぜひ、本書をサッとクリアし、次のレベルへとステップアップしてください。自分と向き合い、他者と向き合い、様々な経験・チャレンジを通して、ダンサー人生を充実させていってください。

読者の最高に楽しいダンサー人生を祈っています。

2019年11月14日
とえだんご