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笑う女

少し前の話になるが、春の番組改編でそれまで楽しみに聴いていたNHKラジオFMの「きらクラ!」が終了してしまった。

クラッシック音楽を取り上げたバラエティ番組で、8年間続いたそうだ。敷居が高く感じてしまいがちなクラッシックという音楽ジャンルを、バラエティ番組として扱うことで、クラッシックの知識がまったく無いぼくでも楽しめるラジオ番組だった。なかでもふかわりょうさんと共にパーソナリティを務めた、チェロ奏者遠藤真理さんの受け答えが何とも絶妙で、視聴する車の中で一人ニヤニヤしていたものだ。道ゆくひとは気味が悪かったにちがいない。




遠藤真理さんの何にそんなに惹かれるんだろう。

彼女の声のふくよかさ、トークのうまさや受け答えのやわらかさなどがあるが、僕にとってはきっと、その屈託のない笑い方だ。

番組中だというのにまったく遠慮のない大笑いをする。きっと大口をあけて笑っていたと思われる。どういうわけか、これがまた心地良い。やわらかな声で大笑いするのを聴いているだけで、なんともいい気分になるのだ。




今の毎日を笑って過ごせている人は少ないのではないか。

特に、医療従事者の方の身を案じている。政府や自治体の対応の迷走や保身、惨事に便乗して儲けようとする輩のシワ寄せを、すべて最終的に受け止めなければならないのは彼ら医療従事者だ。大きな総合病院が目と鼻の先にあり、知人に医療従事者も少なくないから他人事ではない。




それでも僕らにできることは多くはない。

多くはないが、少しでも感染防止行動を心がけ、自分を整え健康に笑顔で過ごすことこそ、彼らの負担にならないための唯一できることなのではないかと考えている。笑うことは免疫力を上げ健康を維持するのに強力な作用があることは、誰もが知るところだ。こんな時代だからこそ、眉間にしわを寄せて難しい顔をしていないで笑顔で過ごしたい。

毎朝起きたらすぐに鏡で自分の顔を眺め、口角を挙げニッコリする練習をしてみよう。顔を洗うついでに、鏡の自分にニッコリと笑いかけることから一日をスタートするのだ。脳が笑顔に引っ張られて、本当に愉快な心もちになること請け合いだ。




今日は妻の48回目の誕生日。

「う~っひっひ~、あ~苦し。げほっげほっ、うお、イケない鼻水たれちゃった、アッハッハッハ。やめてよもう~、ああお腹痛い。」

毎回自宅で開く誕生パーティで、愉快な娘の話やズッコケ息子の話を聴いて腹をよじって妻が笑っている。

笑いは5人に伝染するという。こんなに底抜けに大笑いする妻は、きっとたくさんの人へ幸せをバラまいているだろう。

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