創業までの道のり(承)
こんにちは、トドケール代表の野島(@TonyNoji)です!今日は先日公開したトドケールを創業するまでの道のり、第2話です!1話目はこちらからどうぞ!
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決心
就職活動をしながら、心の底では起業をしてみたいと思っていた私に踏み切る勇気をくれたのはParcel PendingのCEO、Lori Torresでした。彼女は米国での就労を望む私にフルタイムのオファーをくれました。しかし、同時にいつか起業したいと話す私にこんな言葉もくれました。
「君はPwCという世界のトップファームでコンサルタントとして働いたCPA(公認会計士)でしょ?MBAの学位までもって起業して失敗したとしても何を失うの?素晴らしい経験を得るだけのはず。やりたいことがあるならすぐに取り掛かるべきよ。人生は長くない。」
この言葉を聞いて私は日本に帰り、起業をする決意をしました。
始まり
日本に帰った私はとりあえず当面の収入を工面するために会計士として独立することにしました。会計事務所を開き、いくつか仕事を受けましたが、同時にビジネスのアイデアを常に探していました。
思い返せばParcel Pendingでアナリストとして働いていた時、宅配ロッカーの便利さを目の当たりにすると同時にその欠点にも気が付いていました。それは「高価であること」と「容量が少ないこと」でした。そして、なぜこの宅配ロッカーが米国に存在しなかったのかを考え始めました。私は大学の学生寮に住んでいたのですがAmazonで買い物をすることは日常でした。大学にはロッカーはなく、Leasing Officeというコンシェルジュサービスを提供する管理人がいて、彼らが宅配物を管理していました。荷物が届くと自動で宛先の住人にメールが送られ、荷物を取りに行くと担当者が渡してくれます。はっきり言ってこのサービスに何一つ不便さはありませんでした。
このシステムであれば人件費はかかるものの1台100万円を超えるロッカーを何台も買う必要がありませんし、荷物を収納する容量にも困りません。アメリカでロッカーが普及しなかった理由はこのサービスも理由の一つだと考えています。素晴らしく電子化されたオペレーションに米国に行った当時は感心しましたが、日本には基本的に存在しないサービスです。
しかし、独立した後にコンサルタントとして参加した金融機関のプロジェクトで大量に届く郵便物の封筒を見たとき、日本にも類似したオペレーションがあることに気が付きました。それが企業のメール室です。
PwCで働いていた時にも郵便物の受け取りは不便な思いをしました。完全フリーアドレスの働き方では郵便物の有無は知らせてくれなければわかりませんが、それを通知してくれることはなく、仕事の休憩がてら自分のレターケースを調べに行っていたことを思い出しました。調べれば調べる程、一般的に会社内で郵便を取り扱うオペレーションはマニュアル作業が中心で紙にあふれており、改善のために一切の投資がされていない環境であることがわかりました。これをデジタル化すれば、あんなにも素晴らしい受け渡しの体験が提供できるのに、それが放置されていることを残念に感じました。そして、「ここをデジタル化することで従業員の体験を変えることができるのではないか」と考えるようになり、現在のトドケールの原型となるアイデアが出来上がりました。
資金
さて、大変なのはここからです。
アイデアはなんとなく出来上がったので、市場リサーチやビジネスモデルの構築、ピッチデックの作成を一人でこなし、これをもって様々なVCやアクセラレーターを周り、友人を勧誘し、起業を目指しました。
しかし、何一つうまくいきませんでした。VCには鼻で笑われ、友人には新手の宗教の勧誘でもしに来たかのようにあしらわれ、自分の人望の無さを痛感しました。何もかも手詰まりとなり次に取るべき行動が思いつかないときに、Parcel Pendingの社長の言葉を思い出しました。
「最初の資金だった3,000万円は自分で用意した。」
「誰も出してくれないなら自分で何とかしよう!」と思った私は細かい安定した報酬を得られる会計事務所の仕事を縮小し、短期間でも瞬間的に高単価を稼ぎ出せるコンサルティング事業に仕事をシフトし、複数のプロジェクトに参加して収入を増やしました。そして、月200万円ほどの売上を上げるところまで来た段階で、システムを作るためにエンジニアを雇い、MVPの制作を始めました。営業代行の会社を使い、電話でアポをとってもらい、仕事の合間を縫ってに商談に向かい、MVPへのフィードバックを集めました。
そうして奔走する私をみて、最初はあしらっていた友人たちのなかから協力してくれる人たちも現れ始めました。経理を手伝ってくれたり、エンジニアとして参加してくれたり、マーケティングを手伝ってくれたりと段々と仲間が集まり始めました。
そしてとうとうトドケールは大きな転機を迎えます。
(続く。。。。)
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