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チキンなわたくしがクリエポに出展したお話ファイナル~涙の出展編~

「出展編」の前に「涙の」が付いてます。
一体わたくしの身に何があったのでしょうかね。

こんにちわ。イラストレーターのトウドです。
いくつになっても初めての出来事とは学び多き物です。
さぁいよいよ最終章出展編の始まりですよ。



・いよいよ初日

満を持して迎えたクリエイターEXPO初日。
と、言いたい所ですが1つ不備がみつかりました…
次男坊のスイミングスクール。少し遠い所に通っていてスクールバスもない為、いつもはわたくしが自転車で同伴するのですがちょうどそのスイミングの時間帯の予報が雨。雨でなければそろそろ1人で行かせてみようと思っていたのですが、さすがに雨で自転車で1人はダメ。
バスがあるけれど、乗り方を練習していないのでそれも諦め。振り替えようと思ったらなんとその週は進級テスト。しかも振り替えではテストが受けられないとな!
オーマイガッ!ここに来て詰んだぜ…と落ち込むわたくしに救世主が…
同じスイミングスクールに通う近所のお友達(←ほとんどいないのですがたまたま直前に入会されていて…)が
「車で行くから、次男坊君も連れていってあげるよ!」と!!なんてことでしょう。神様みたいな彼女のご好意に甘え、次男坊をお願いする事ができました(涙)
これでようやく万事が整ったのでした。

・会場入り

そんなこんなでなんとか会場入り。
そして忘れてならない謎のお隣さんとのご対面。
なんと反対隣のクリエイターさんはわたくしのTwitterの相互フォロワーさんでした。
しかも彼女もお花などもモチーフを得意とするイラストレーターさん。
イラストレーターゾーン300席中相互フォロワーさんは十数名しかいなかった事を考えると偶然の並びが奇跡のよう。
クリエイター名がアカウント名が一致していなかったので探しても探してもヒットしなかったのです。
こんな偶然あるんですねぇ。
先方が事前に気がついて下さりご挨拶できました。
見た目もとても可愛らしく、せせらぎのような癒しボイス。なんだろうこのブースの並び…わたくしを喜ばせる為の並びのようじゃないか。
しかもお向かいには写実的なイラストで図鑑などの挿し絵をお描きになる御仁が。
実は昨年度の見学の際、ご紹介頂いていた方々だったのですが改めてご挨拶。
わたくしのスタンスに近い方々と同じ通路という事でなんとなく心強い。

そしてわたくしが密かに憧れておりましたイラストレーターさんがなんとわたくしの並びでした。
かねてからずっとアカウント拝見してはいたものの自分からフォローする勇気がなく、ただただ憧れているだけだった存在の方が!今!目の!ま!え!に!
恐る恐るご挨拶に。イラストのイメージ通りのスタイリッシュで素敵な方でした。
ファンであることをお伝えしました(感動)
こんな憧れの方とお会いできちゃうのもクリエポの醍醐味なんですね~。
他にも並びにはいつも大変素晴らしい活動をされていらっしゃるご夫婦でイラストレーターの相互フォロワーさん。仲睦まじいお2人のご様子がどれほど癒しになったことか。
この奇跡のようなブースの並びに3日間不安なく過ごせる事を確信するのでありました。

・初日大盛況

わたくし元来人とお会いしてお話するのが大好きなので色んな方とお話できるのはとても楽しみにしておりました。
それに無事に初日を迎えられただけでもうわたくし的には目的の半分以上は達成しているようなもの。
あとは楽しむのみなのです。
お陰様で初日は大盛況。ポートフォリオも沢山お持ち頂けたのですが、逆に初日にして残り半分を切るという誤算も発生。
前評判では中日が一番混み合うと聞いていたので、初日でこれでは3日間持たないのでは…と不安に。
当初300部でも余るのでは?と思って400部しか刷っていなかったのも敗因ではあるのですが、一番見誤ったのはわたくしの才能。そう「ティッシュ配りの才能」でした。
元来じっとはしていられない質なので、お客様の視線など拝見していて関心のありそうな方がいらっしゃるとつい自分から話しかけて配ってしまう…ダメだこれやってたら本当に3日間持たない。と思い翌日はあちこちへ出歩いく事にしました。(席にいるとつい配ってしまうので)

・色んな方が会いに来て下さった

2日目は初日と比べて人の入りが多いかと思えばそうでもなく初日と同じくらいの印象で、混雑して辺りが見えない程ではないけれど絶え間なく人が来る。と言った感じでした。
2日目はSNSのフォロワーさんなど色んな方々が会いに来て下さって交流を楽しむことができてとても嬉しかった。
中には「ファンなんです」と仰る方もお見えになって、本当にありがたい限りでした。
「トウドさんのイラストのこんな商品があったら嬉しい!」などの貴重なご意見を伺う事ができました。
今まで自分の仕事のその向こうにいる方々というのは
わたくしにとってとても遠い存在でした。
喜んで頂けているのか?楽しんで頂けているのか?
それはわたくしの想像の域を出ないし、改善点なども所詮自己的なものです。
だからそうしたご意見を直接伺えるという事は本当に貴重なのです。

 その他まだお仕事ではご一緒したことはないけれど、繋がりのある編集者の方々がわざわざお立ち寄り下さる事が結構ありました。
中にはわたくしの離席中に何度も訪れて下さった方もいらっしゃいました(汗)
やはり皆さんせっかく足を運んだなら知り合いの所には寄っていこうと思って下さるものなんですね。
わたくし、告知編で書いた通り「呼んだら来てくれる人」にしか招待券をお送りしていませんでしたので「お立ち寄り下さってありがとうございます!」と同時に「招待券をお送りしませんで失礼致しました!」と謝罪する事に…。やはり招待券はダメ元でもお送りした方が良かったなと反省でした。

・「貴命受」が生んだ小っちゃい奇跡

所で皆さんわたくしが生み出したあの問題作「貴命受」を覚えておいでだろうか?
そう。あの骨壺感満載の「貴命受」
わたくしの近辺では「骨壺ちゃん」の愛称で親しまれておりました。

現地で他のクリエイターさんのお作りになったオシャレで小さな貴名受を拝見してから我が骨壺ちゃんを見ると恥ずかしくて恥ずかしくて…
一体わたくしは何を入れてもらうつもりでこんな骨壺サイズの貴名受を作っちゃったんだろう…でもだからといって離席するのに何も置いていかないわけには…と背に腹は代えられず仕方なしに骨壺ちゃんを設置してお手洗いなどを済ませていたのですが、ある時、お手洗いから帰って来ますとお隣のせせらぎボイスさんが「さっき!トウドさんの骨壺ちゃんを見てる人がいたんですよ!」と教えてくました。
「何故ゆえこんな所に骨壺が…」とでもお思いになったんだろうか?なんて思いを巡らせておりますとその方々が戻っていらっしゃいました。
なんとその方々は石材店の会社の方々。
新しい墓石のデザインを検討されているとのことで骨壺ちゃんをご覧になって、わたくしにお声掛け下さったそうです。
わたくしのうっかりミスで生み出してしまった骨壺ちゃんがまさかの出会いを連れてきてくれた!
クリエポ、本当に作って無駄になるものはないのだなとつくづく思うのでありました。

・衣装について

出展者の方の中にはご自身のイラストのイメージに合わせ和装の方などもいらっしゃいます。
わたくしも一応イラストのイメージをわたくし自身がぶち壊しにせぬよう、衣装は基本的に3日間緑色っぽい服を着用しようと思っていたのですが、あるクリエイターさんが「今日はあまりお声を掛けて頂けなかった。黒い服を着てきてしまったから目立たなかったみたい。」とご自身を振り返っていらっしゃいました。
確かに制作するコンテンツ自体がどんなに素敵でも話しかけにくいオーラを放っていてはお仕事には繋がりにくいでしょう。
そういった意味でも衣装は明るめの物を選ぶとよいのかもしれません。
実際わたくしが着用していた緑色のブラウスをご覧になって「わぁお洋服も植物っぽいんですね!」と言って下さる方が多数いらっしゃいました。

評判の良かったブラウスがこちら
コンテンツのイメージ通りなんでしょうね

会話が生まれなければ、その先にも繋がらないかもしれませんし、衣装選びはまずまず成功だったと感じました。

・大いなる反省点

一番の反省点はお金のお話でした。
やはり商談会。具体的にお話を詰めに来る方もいらっしゃるのですが、相手が経験豊富な出版社の方なら大体の相場はわざわざご相談しなくともお分かりだと思います。
大手の出版社さんなら先方の予算なども大体決まっていたりするものです。
困ったのは製造業の方々。つまりデザインをお願いしたい。と言った旨のご相談。
先方が金額的な相談に慣れていらっしゃらないのです。
デザインとなると、制作するプロダクトも1つと限りませんし単純なイラスト料とは相場も違ってきます。
その他「デザインの顧問として契約してほしい。顧問料はどのくらいお支払すればよいか」などと言ったご相談もあったり、自分の想定を遥かに越えるご相談の数々にすぐに答えられず…ある程度想定はしておくべきだと勉強になりました。
実は頂戴したお名刺の約60%が製造業の会社さんでした。
デザインなど今まで関わって来なかったので自分にそんなご相談がくるとは思ってもみなかったのです。
そういった自分では気付けない自分の可能性をいらっしゃるお客様が教えてくれ下さるのだと
自分自身で限りを決めてはいけないのだと気付かされたのでした。

・旧知の編集者さんもお見えになった

このところお会いできていなかった旧知の編集者さん達も足を運んで下さって久しぶりにご挨拶をする事がでさきたもの嬉しい出来事でした。
こうしてお顔を拝見してご挨拶させて頂きますとやはり実際に「会う」ということが如何ほど大切かということを改めて実感致します。
自らの言葉でお伝えする。意思の疎通というものは電子を通してでは限界があるのだと思いました。

そんな中わたくしがお誘いしていた編集者さんがやって来て下さいました。
彼女とは彼女が新卒で入社したばかりの頃からのお付き合い。
いつの間にやらプライベートな事も何でも話せる友人にもなっていました。
もちろん今でもお仕事のお付き合いもありますが
プライベートではずっとわたくしの仕事の相談に乗ってくれていました。
わたくしが仕事で悩む度話を聞いてくれアドバイスをくれたり、逆に彼女達が会社員という窮屈な立場でストレスフルな時は一緒に美味しい物を頂いて発散したり…
とにかく苦楽を共に過ごしてきた仲間のような家族のような大切な存在なのです。
そんな彼女に招待券を送った時は
「そうね、気分転換にでも行こうかしら」なんて言ってたくせに。
最終日、ゴール目前でヘトヘトなわたくしの所にやってきた彼女は「手伝うつもりで来た」と言ってくれたのでした。
今でもこの文章をしたためているだけで涙が溢れそうになる位、そのセリフを聞いた時の安堵感はそれまで張りに張り詰めていたわたくしの緊張を一気にほぐすに十分な言葉でした。
来る前はあんな風に言ってたのに本当はすごくすごく心配してくれていたのだろうと思うと
そうだよ。あの人そういう人だもん。
一見クールだけど本当の心は熱い人。
それ知ってるのに今気がついたわたくしのバカタレと思いつつ、実は撤収作業がとても不安だったわたくし。
「本当に?!本当に当てにしていいの?!本当にお願いしちゃうよ?」と詰めよってしまいました(笑)

わたくしと同い年の彼女。今ではかなり出世して会社の中でも「偉い人」身に付ける「来場者証」はもちろん「VIP」なのにそのVIPの来場者証を着けたまま椅子に登りタペストリーを下ろし、クロスを畳んで、ゴミをまとめ、手際よく撤収してくれ、お陰様で誰よりも早く撤収作業を終えることができました。
端から見るとVIPの人をアゴで使うあの人何奴?な感じに見えてしまっていただろうか?とても恐縮だ。

他のクリエイターさん達に足早にご挨拶に伺ってお先に失礼して参りました。
帰りには夫氏の迎えがない為キャリーバッグいっぱいの荷物とタペストリーを持って電車に乗ることもとても不安だったのですが、実は彼女とはお家もご近所。帰りの電車は最寄り駅までほとんど一緒に帰って来ることができるのです。
帰りの電車では荷物を半分持ってくれ、わたくしの反省会にひたすら耳を傾けてくれました。
安心感からか急にお腹が減り乗り換えの駅で軽めの夕食を食べていくことにしました。

2人で食べに行く時はほぼ100%エスニック


そこでも彼女は「よく頑張ったから今日はご馳走するよ」と。あなたどこまでわたしに優しいの!むしろわたくしの方が「今日は手伝ってくれてありがとう」とご馳走してもよい位なのに。
本当に印象とは裏腹にどこまでも優しくで繊細な人だよ。
感謝してもしきれない想いで彼女と分かれ1人帰路に着いたのでした。

・帰宅後、号泣の訳

最終日は夫氏も飲み会で帰宅が遅く子供達も寝静まった後にようやく帰って来ました。
「ただいま~」と帰ってくるなりぎょっとする夫氏。
わたくし1人号泣していたからです。
夫氏に「まずは…嬉しいの?それとも悲しいの?」と聞かれ概ね嬉しい涙だと思いました。
感情はとても複雑で、緊張が解けたのと、至らぬ所や反省点が沢山あった己の情けなさなど、色々ある中でやはり一番は「協力してくれた皆さんへの感謝」の気持ちからの涙でした。
イラストレーターのお仕事は制作は1人で、誰かと楽しくわいわいなんて事はありません。
基本孤独な作業なんです。
今回も準備中はほとんど1人。
そう。わたくし準備編でも申しました通り
「わたくしによるわたくしの為の出展」だと思っておりました。
でもこうして終えてみると、1人、また1人とわたくしの背中を押してくれる手がいつの間にか沢山増えていた事に気付きました。
協力してくれた家族、友人、クリエイター仲間、と実に沢山の方のご協力があって成り立っていたのだと。
ずっと1人だと思っていたのに全然1人じゃなかったや…
これからどんな風になって行くかわからなくて不安ばかりだけれど、こんな素敵な仲間がいたら心強い。
それに気付けただけでクリエポ頑張って出展した甲斐があったと本当に思う。
欲を言えば一件でもご成約したいけど、十分過ぎる気付きと収穫があった出展でした。

・まとめ

結論から言うと今のところ、お仕事に繋がったのはほんのわずか。
ポートフォリオ約450部ほどお配りして頂戴した、お名刺が50枚程度。
これが多いのか少ないのか、それすらわたくしにはわかりません。
出展費用から考えれば大赤字とも言えるでしょう。
でも「収穫」とは経済的収益の事だけを指すわけではないと近年つくづく思うのです。
制作するコンテンツに対してお支払が見合わない事もあるかもしれませんが、それが自分にとってどんな大義があるのかも重要。
もちろん収入がなければ生活できませんし きれいごと
ばかりは言っていられないのですが、マネタイズなお仕事もあれば、そうではないが自分的に或いは社会的にとても大義のあるお仕事もあります。

わたくしにとって初めてのクリエポ出展はお金だけでは表すことのできない収穫の多い物になったと思いました。

さぁこんなチキンなわたくしの出展記録、いかがだったでしょうか?
わたくしが沢山の先輩方の記録を参考にさせて頂いたように、わたくしのこの拙い出展記録もどなたかのお力になれることがあったら嬉しいです。

それではまた!
ご清聴ありがとうございました。

  Illustrator  トウド  ヤヨイ (^_^)ノThanks!☆











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