隣に誰もなくたって、ラーメンは美味いし、ケーキは甘いし、イルミネーションは綺麗だ。
けど、誰か隣にいてほしいと願うのは、隠さず浮かれ倒したいからで。

11月15日を過ぎると、市街地からクリスマスが始まり、すぐに街中が輝き出す。
円安とか、電力不足とかはどこへ行ってしまったのか。
あんな暗い話ばかりしていた人々はどこへ行ったのか。
こんな能天気でいいのか。
なんて思ってしまうが、私はこの浮足だった街が好きだ。

昔の人の楽しそうなことにとりあえず乗っかる軽さと、作られたロマンチックさに愛らしさを感じるから。

今の世界は息苦し過ぎる。
みんなが監視しあって、争いあって。

と言っても今の世界しか知らないのだけど。

今の世界に必要なのは、仮想通貨とかメタバースとかじゃなく、駅前のクリスマスツリーくらいの浮かれポンチだ。