地下鉄に揺られながら、ドアの脇に佇む壮年の女性2人から目を離せなくなる。
特に騒がしいわけでも、派手な装いなわけでもない。マスクもしている。
ただ、全く同じ服装をしているだけだ。
服だけではない、髪型もアクセサリーも、カバンについたスヌーピーのキーホルダーも、マスクの色さえ全く一緒なのだ。
完璧な双子コーデである。
背格好や目つきさえも同じだから、本当に双子なのかもしれない。
だとしたら尚更どういう意図なのか。
ふと、何かの衣装かとも思ったが、カバンから取り出されたスマホケースまでもが同じで、その推理はすぐに覆された。
私ばかりがじっと2人を見つめ、彼女らは特別なことなど何一つしていないかのように佇んでいる。
周りの誰も彼女らを眺める人はいない。
別に恥ずかしいとか、あり得ないとか否定したいわけではない。
ただ意図的にそれを行う彼女らの真相が知りたいのだ。
信念があるんじゃないかと、強いメッセージがあるのではないかと思ってしまう。
買い被りすぎかもしれない。
いや、ただ好きなだけといわれても納得する。
それでも知りたいのだ。
その強さを