掛川市中小企業振興計画(案)へのパブリックコメント
掛川市中小企業振興計画(案)へのパブリックコメントを提出しました。
せっかくなのでその内容をシェアします。みんなで考える材料になれば。
1. 全般・総合計画との連動について
先般、第2次掛川市総合計画改定案(以下、総計)のパブリックコメントが終了し、おそらく中小企業振興計画(以下、本計画)と同時期に策定されるものとお見受けします。その中で、総計と本計画が連動することが重要と思われます。
総計では、ポストコロナをかなり意識した内容となっており、本計画でも「はじめに」においてそうした主旨の文言がございますが、それが具体的な施策に落とし込んでいないように見受けられます。例えば、「はじめに」にあるように、「デジタル化の浸透」等を推進していくための工夫が計画全般に必要かと思いますがいかがでしょうか。
2. 目標設定について
重点プロジェクトについては目標が設定されているものの、計画全体として目標が設定されていません。本計画が上手く実現された際、どの指標がどの程度の数値になっていれば理想なのかを考え、設定できるとよいのではないでしょうか。
例えば、総計では「製造品出荷額等」を目標指標の一つに定めており、これは本計画の目標の一つとしてもよいと思われます。
一方、同指標は製造業の状況しか反映されません。すでに産業構造としては第3次産業の占める割合が最も大きく、今後もそれは続くことから「市内総生産」等を指標として設定することが考えられます。もちろん同指標は市の施策よりも、マクロな経済環境に左右されるものではありますが、全国の変化との差を見ることで、相対的に掛川市の産業が成長したのか停滞したのかを一定判断することは可能と考えられます。
また、ポストコロナにおいて重要となる「デジタル化率」や、総計の施策「みんなが働ける雇用・就業の環境づくりの推進」を表すものとして「女性就業者・管理職比率」等などもありうるかと存じます。
いずれにせよ、現状重点プロジェクトのアウトプット指標しかないため、なんらかのアウトカム指標を設定することを推奨いたします。
3. 行政手続きのデジタル化について
中小企業振興計画の中核は中小企業支援施策かと存じますが、市が単独で企業の生産性向上に貢献できることとして、市の中小企業関連手続きのデジタル化・効率化があるかと存じます。
市の補助事業や委託業務契約、住民税特別徴収の納税をはじめ、法令上不可なものを除き、行政手続きの電子化・オンライン化・脱書類をぜひ推進していただけますと幸いです(最近の貴市施策では、SDGsプラットフォームはすべてオンライン上で手続きが完結し、効率的で理想的だったと思います)。
上記についてぜひ計画中に取組や実現時期を明記いただければと存じます。
4. 商工業のデジタル化について
総計の「掛川にしごとをつくる商工業の発展」において、「商工業のデジタル化を促すため、デジタルを活用できる人材の育成やデジタル人材の確保を促します」といった記載がありますが、本計画ではその具体的な施策、事業がないように見受けられます。
これからの中小企業振興にあたり、非常に重要な点かと存じますので、デジタル人材の育成について具体的な施策の方向性や事業案等を明記してはいかがでしょうか。
5. 働きやすい環境づくりについて
総計の「みんなが働ける雇用・就業の環境づくりの推進」において、「男女共同参画によるワーク・ライフ・バランスの推進」が挙げられています。これは統計に基づかない主観ではありますが、掛川市では女性の経営者・管理職等が非常に少なく、また一般社員においても男女の役割分担意識が根強く残っていると感じています。本来、ワーク・ライフ・バランスは女性のみに関わることではありませんが、誰もが働きやすい環境づくりの第一歩として、中小企業において女性の活躍を応援することがとても大切かと思います。そのためには、経営者・管理職等の意識を変えていくことは非常に重要と思われます。
よって、女性活躍推進またはワーク・ライフ・バランス推進について具体的な施策の方向性や事業案等を明記してはいかがでしょうか。
以上です。
パブリックコメントの書き方については以下の記事などもご参照ください。
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