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少し怖い(かもしれない)お話

いつもと違ってよくよく考えるとちょっと怖くなる(かもしれない)話をひとつ。

あ、でもほんとの怪談ということではなく、この話を聞いて釣りをする者としてちょっと考えてしまいました。断っておきますが、善悪の判断“〜〜すべき“といった提言をここでするつもりはありません。というよりも僕ごときでは何もできませんし、言えません(苦笑)

いつもの常連さんのお話

僕のお客さんの中には釣り人が多かったりします。

そんな中の一人にいつも県外からこられる方がいます。仮にAさんとしておきます。

このAさんは冬はチヌ(だったかな)を狙い、春から秋にかけてサビキでのアジを釣りにこちらに出てこられます。まとまった日数の間にこちらにこられているので比較的に釣り場でも会う機会が多く、色々と話すことが多い人です。

この方と少し長く話す機会があったので今年のアジの状況を聞くと、返ってきた答えは

あんまり釣れん様になったなぁ

と、ここしばらく感じていた僕の見解と同じ答えでした。アジングで思うほど釣果が伸びない僕としてはちょっとホッとしたりもしたのですが、その後に続いた言葉に少し驚きました。

これまでなら1日で大小入れて100匹以上は毎日釣ってたのになぁ

と。

よくよく考えてみるとこの方は1週間近く滞在されてサビキ釣りを楽しんでおられます。そしてこちらにこられるのは年に10回程度とのこと。

ここで、ふとこの方が釣るアジの数を計算すると

100匹(1日あたり)× 7日 ×10回=7000匹

ということになります。その数字を恐る恐る確認するとAさんは、普通の表情で、

1万匹に届く年もあったよ

と、笑顔で答えるのでした。

7000匹という数字が持つ意味

家族連れが波戸でサビキ釣りをして豆アジ100匹近く釣ったなんて話は時々聞きます。そういうこともあるだろうな、なんて軽く聞き流すことも多かったこの100匹という数字。

でもこれがまとまった数字として7000匹という数字になった時、ふと考えてしまいます。

釣り上げるということは、海からいなくなるという意味で、青物やシーバスなどの捕食者に喰われてしまったのと同じことだとします。すなわち、7000匹以上のアジが海中の捕食者たちの餌にならずにその分を捕食者としてAさんが食べてしまったということになります。果たして自然界に年間7000匹のアジを捕食する捕食者っているのかと考え込んでしまいます。このことはもしかすると自然の摂理にないインパクトを海に与えてしまっているのではないか、と。

最近、「海が痩せた」とか「(アジに限らず)魚が釣れなくなった」とか聞くことが増えました。このことにこの“7000匹のお話“が直結するかどうかはわかりません。もちろん海水温の上昇など環境要因も大いにあると思います。しかし、食物連鎖の底辺にいるアジが消えてしまうことは、アジはもちろんのこと、他の魚に影響を与える気がしてなりません。

数を釣る楽しみもありますが、ある程度の節度というものがあるような気がします。だからといってどうすべき、なんて指標は分かりませんが・・・。

[最初に断ったようになんらかの善悪を基準にAさんを責める気はありません。多かれ少なかれ、数を釣って楽しむことは誰しもやってます。Aさんの例は数字を出しやすかったので引用したまでです。]

まとめ

幸いにして、僕はたくさんアジを釣れないのでこの手のことをあまり考えたことは無かったのだけど、Aさんのお話はふと考え込んでしまうきっかけになりました。

なんの根拠もない話なので、見えないものを怖がる子供の様ですが、「いつか魚がいなくなるんじゃないか」というちょっとうすら寒い恐怖感を覚えたので書いてみました。

釣りに出られない秋の夜長はちょっと色々と考え込んでしまいますね。


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