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浮き島に暮らしていると、時の流れに鈍くなる。 ここでは天候も季節も、地上ほど変化に富んでいない。昼と夜の継ぎ目ですらあまり意識されない。霧が立ち込めているわけでもないのに、浮き島から見る地上はいつもぼやけている。同じように、地上からも浮き島のかたちははっきりと捉えられない。見えてはいても目にはつきにくい存在なのだ。昼間の月とも似て。 それでも月が存在するように、この浮き島も存在している。鳥の王のおわす島。太古の昔からその座にいて、浮き島をつくったのも王自身だという。島は王の居