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おい、PjMってなんなんだ?(その3/3)

『おい、プロジェクトマネジメントってなんなんだ?(その1/3)』では、プロジェクト定義書の”はじめに”にあたる定義フェーズについてまとめました。『おい、プロジェクトマネジメントってなんなんだ?(その2/3)』では計画の設計にあたるデザインフェーズについてまとめした。そしていよいよ今回は実行フェーズについてまとめ、この本を終えたいと思います。プロジェクトが絵に描いた餅にならないように最後まで気を引き締めてまとめていきたいと思います!

前回と同様に『外資系コンサルが教える難題を解決する12ステップ』の読書メモ。基本的には、目次通りにsummaryをまとめていますが、私なりに解釈した後にまとめたものですので、詳細は本を読んでください。私的な備忘録です。

基礎研究のポスドクから急に社会(ベンチャー企業)に放り出され、試行錯誤しながらもビジネスとはなんぞやを覚えていこうとしている私が、この本を読んだときの所感も書いています。興味がある方には、少し面白いかもしれません。


推進フェーズ

最近、勝ち組とか負け組が流行ってるけど、スタート切っているかどうかが僕は大事だと思うね。 - 矢沢永吉 -

変更管理

プロジェクトへの変更要求は必ず発生する。変更要望の文章化(依頼者本人による起票) → 変更要望の理解("要望理由"と"最終目標との整合性"を議論) → 変更による影響の調査 → 受け入れ判断(不可の時は可能な代替案の提示) → 再見積もり・作業指示(一晩寝かせた最終判断。現場の変更へのストレスは半端ない)

(所感:変更管理・・・これは非常に厳しい。ここをうまくマネジメントできるともっとスムーズなプロジェクトになったのだろうと思い当たる事例がいくつかある。プレイングマネージャーみたいにものを作りながら、マネジメントをしていたので、”マネジメント側の気持ち"も"現場の気持ち"もよくわかる。この経験を活かしたいが、結局はどちらかに重みをつけた判断を納得してもらうことになる。あと完全に余談だが、マネジメント側で『〜するだけだよね』的な言い方する人と信頼関係は築けないwww)

組織運営

グループからチームへと成長するには、混乱期を乗り越えなくてはならない。タックマンモデルの段階(形成期、混乱期、秩序期、活動期)を行ったり来たりしながら、全ての段階を経てチームへと成長する。その時、混乱期がもっとも成長するための鍵となる。必殺1on1などでメンバーの不満や愚痴から改善要望を受け取ろう。個々のメンバーのパフォーマンスを引き出すために、状況対応リーダシップ(Situational Leadership, SL理論)などを活用しよう。その際に権限を積極的に手放すことを考える。

(所感:人の振り見て我が振り直せと言うことで、自分のチームについては意識して権限をメンバーに分割していた。上記をもう少し具体的にっていう感じなら『最軽量のマネジメント』をオススメする。権限を手放すのは勇気がいると思うが、リーダーがメンバーを信じられないならチームになれるわけがない。)

問題解決

網羅に固執せず、限られた情報から筋の良い仮説をたてる。MECEは重要だが、とくに外してはいけないのは、1.モレなく、2. 粒度を揃える、3.その他は作らないの3つ。フレームワーク(3C、SWOT、PPMなど)については、ある程度知識としてを理解しておく。ただし、フレームワークに当てはめるのではなく、フレームワークを使うという意識が重要。

(所感:安宅さんファンの私としては、『イシューからはじめよ』を理解していれば問題ない。フレームワークは、ツールとして覚えるのではなく、何を解決する目的のものなのかを理解しておくことが大切である。たまにフレームワークおばけみたいな人がいるが、その方々にはぜひ、フレームワークに当てはめることはどうでもよくて、思考の枠組みとして使えているのか見直していただきたい。目標と手段が入れ替わってはいけない。また、メンバーに自分の思考・意思決定プロセスを説明できないリーダーはちょっとどうかと思うので、見せ方としてもフレームワークは活用できる。さらに私は、スライドにしたり文章にしたりと、意思決定プロセスがメンバーに共有できるように心がけている。)

意思決定

リーダーに求められるものは判断ではなく、決断。ただし、リーダーが孤独の中で決定するのではない。評価軸とプロセスを共有することで全体を巻き込むことが必要。評価軸とプロセスを共有することは、強いリーダーほど陥りやすい確証バイアスにも対応できる。

(所感:私は必ず意思決定のプロセスを説明するようにしている。加えて、この本で学んだ評価軸の共有を行うようにしている。型として、『顧客・期間・利益・費用・感情』の5軸からスコアにし、リーダー独自の決断からメンバー全体の判断に変換する工夫をしている。もちろん、リーダーには責任があるので決断をする必要もあるがそれはここぞって時にとっておきたい。疲れるから・・・笑。)

まとめ

本書を読んで、なぜここまで丁寧に読んだのか。
1. プロジェクトをチームで行うことが増えた
2. 様々な専門家とタッグを組んで行わないと解決できない課題が増えた
3. マネジメントしなくてはならないが、マネジメント苦手
というわけで必要に迫られて読んだこの本ですが、本当に勉強になりました。研究者時代はここまでチームを意識することがなかった(ポスドクまでなので余計だと思う。)ので、型を頭に入れられたと思います。後は実践しながら、気が付いたこととか共有したいことがあれば記事を書いていく予定です。

このnoteを書いているのも、プロセスをチームに共有しやすくするためでもありますので、ぜひコメントをいただければと思います。

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