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おい、PjMってなんなんだ?(その2/3)

『おい、プロジェクトマネジメントってなんなんだ?』では、プロジェクト定義書の”はじめに”にあたる定義フェーズについてまとめました。今回は少し進んでデザインフェーズをまとめたいと思います。

前回と同様に『外資系コンサルが教える難題を解決する12ステップ』の読書メモ。基本的には、目次通りにsummaryをまとめていますが、私なりに解釈した後にまとめたものですので、詳細は本を読んでください。私的な備忘録です。

ただ、基礎研究のポスドクから急に社会(ベンチャー企業)に放り出され、試行錯誤しながらもビジネスとはなんぞやを覚えていこうとしている私が、この本を読んだときの所感も書いています。興味がある方には、少し面白いかもしれません。

デザインフェーズ

リーダーの「意思」を存分にいれた独自のアプローチ(手順)を設計し、必要なリソース(資源)を見積り、ゴールを達成するために必要なスキルと経験を持った人材を集め、体制を構築し、作業を割り当てて、運営するためのルール(規範)を設計する。

資源見積

人・金・時間リソースの見積もりは、手法(トップダウン、係数モデル、ボトムアップ)、前提、仮説を意識し、大きなミスを避ける。さらにコンティンジェンシー(バッファ)も重要で、プロジェクトバッファとして管理する、つまり実務に対して個別に設けられたバッファを一元的に管理する。実務担当者から実工数とバッファを分けて報告を受けるくらいの信頼関係を築く必要がある。

(所感:リソース設定はプロジェクトが進むに従い、詳細になってくる。初期段階でカテゴリに分けることやバッファの設定は経験に依存したものになると思う。なので、(経験豊富なメンターが近くにいない)私は定例会議での定期報告軌道修正を前提に、バッファを少し多めに設定→修正が必要なことを事前に伝えておくことにしている。「ある程度は決めているが、流動的です。」ってのを仕組みと行動で伝わるようにしている。)

体制構築

プロジェクトチームの『肩書き』ではなく『役割』を定義する。RAMやRACIなどで役割と責任領域を可視化し、メンバー全員と合意する。合意の際には、(担当メンバーはもちろん、参加しているメンバーの)認識と(弱みではなく、強みの)スキルの両面から確認することが重要。

(所感:適材適所が必須だが、考え方としては適所適材ができるのかが鍵だと思う。つまり、プロジェクトのどの部分でどんなスキル/強みが必要かを具体的に把握し置かないと体制構築はできないと感じた。しかし、これにも経験が必要で・・・、私はしばらくメンバーと話し合いをしながら決めていくことになりそう。その際にROMやRACIは非常に有効な可視化方法と感じた。)

作業設計

プロジェクトをプロセスの連続に分解し、各プロセスを並べた時のもっとも時間がかかりそうな工程(クリティカルパス)を管理する。プロセスへの分割は、IPO/WBSや5W1Hなどにより可視化し、1W&1Pや依存関係などを把握していく。納期については、CCPMという管理手法を用い、クリティカルパスを管理することで遅延を未然に防ぐ。

(所感:プロセスの可視化は、プロジェクトのキックオフ段階で、ある程度作成しておくことが望ましいと思う。ビジョンを語り、ゴールを共有し、目標と標的を定めた後、マイルストンの一連の流れが可視化・説明できているとプロジェクトの説得力が違う。メンバーはスタートできる!実現できる!と思うはずだ、きっとそうだ。ただ、そんなに具体化できないので自分のわかるところだけさっと作ってしまって、あとは各実務リーダーに作ってもらうようにしたい。管理についても、クリティカルパスさえ明確にできればあとは実務リーダーにお任せでいいと思う。コンパスさえ共有できていればいい。)

規範設計

納得できる、シンプルな規範を品質の向上と生産性の向上という文脈で定める。多くても3つくらい、禁止事項ではなく代替行動を定義する方がいいらしい。特に会議に対してのルールは作りやすいし、効果を上げやすい。会議の回数、時間、人数などの無駄を見直し、議事録を振り返りやすい形(本ではGG法)で残す。品質の向上と生産性の向上が期待できる会議体を設計する。

(所感:週の業務時間の10%以上が会議時間にならないようにするというマイルールがある。上限を決めておくと無駄な会議をせず、本当に必要な会議のみ選択的に行えるのではないかと考え、実行している。会議好きほど議事録を書きたがらないので、30分以上の会議には議事録の作成を必須にする。議事録のない会議はおしゃべりです。)

まとめ

濃いなー内容濃いなーって感じですが、まだプロジェクト始める前の準備段階ですこれ。しかも”型”なので最低限って感じだと思います。私はこのフェーズを読んで、「私がこのプロジェクトのマネージャーですよ」と宣言する場所だなと感じました。ここまで書いて説明して初めて、プロジェクト中に生じるイレギュラーに対して、メンバーが真摯に向き合ってくれる信頼を得られるのだと思います。心と頭を掴んだ後は体ですね。実際にプロジェクトを実行しなくては意味がないということで推進フェーズに入っていくわけです。

次回は推進フェーズまとめます。

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