七月の温度
時間が出来たので四条の街へ赴いた。
例年ならば今日は祇園祭の宵山。歩く事もままならぬ程の人出、夜になれば烏丸通りは歩行者天国になり屋台が立ち並ぶ。が、ご承知の通りコロナ禍の自粛の為、そういったいわゆる「イベント」の部分は中止になってしまった。山鉾巡行も御神体だけで行われる。
しかし「鉾建ての伝統技術が途絶えぬ様に」という名目でいくつかの鉾は建てられ、粽(ちまき)を売る所も有った。
こういった形で祇園祭の風情を楽しめるのは、京都の人間にとってやはり嬉しい。むしろ昨今敬遠する要素であった「人混み」が無い事が、祭本来の姿を見せてくれた様な気もしたのだ。
最近コロナ直前、2019年の事を思い出す。
令和改元の祝賀ムードに加えて観光地としての京都人気が頂点に達し、河原町や嵐山などは日本人の方が少ない有様だった。紅葉の時期などはテーマパークの行列かと見紛う程の人集りであった。
思えば親世代が経験したバブル時代のように、時代に靡いて浮き足立っていたのようにも思える。
色んな物を失い、本質をじっくり見つめる。そんな時代を生きているのかもしれない。
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