かぞかぞ⑥七実ちゃんが泣く。悲しい。笑う。嬉しい。smile73smile
5話のラストシークエンスは、大九Dが「かぞかぞ」をやると決意して最初に「撮りたい」と思ったというだけあって七実の煮詰まった想いが凝縮され、見事に噴出していた。
そして、この6話もトップシーンに象徴されている。日常の大切な一幕を淡々と描いてくれるスタイルがたまらなくいい。
そして6話は、草太のターンで、幼い頃からの姉弟関係の想いや、自分が思っているよりずっと早く、草太は成長していることに気づくのだ。2人きりで遊園地に出かけ、様々な面白エピソードを積み重ね、そこに草太とともに七実を見守る(とボクが勝手に思っている)耕助が登場する。
耕助の生き方でもある、一生懸命ふざけていこう、オモロく生きようとする岸本家の「風味」がバツグンの魅力で、コミカルで何気ない描写を繰り返し、ぼんやり見ていると不意打ちを食らってしまう。
かぞかぞは、やはりホームドラマで、観る方々それぞれの境遇や環境によってフォーカスしたり、刺さる部分が異なるのもオモロい。ボクの場合は、男男男女4人の子(錦戸家と同じ)がいて、娘と父の関係性に弱い。だからかもしれないが、今回も不意打ちを食らった。
草太の「七実ちゃん、笑って、七実ちゃん、笑って」という言葉で、パスワードを思い出し、開いた日記・・・
七実「パパ?私、パパの話書いたんやで」
と古い日記のコメント欄を読む。古いコメントが並ぶ。
たまにこれ読みたくなってきてしまう 笑
七実、「新規作成」ボタンを押す
書き込んだら、
「弟、最高!」
「文才あるんだから、ここに書き込んでみたら?」とALL WRITE というサイトを紹介してくれた。そこに古い日記を、コピペしたら・・・・いいね!いいね!いいね!と沢山のリアクションが集まってくる
2人だけのシーンの間合いは、実に雄弁で沢山のことをセリフ以上に伝えてくる。錦戸亮が娘を見つめ、河合優実が父をみつめ、眼差しでキモチを伝えるキャッチボールはずっと見ていたい位「持つ」。視聴者は、この間に自分自身の子や親との関係に想いを馳せる。誰しも、大切な相手に勢いで酷い言葉をぶつけてしまうことがある。七実を見る耕助の慈愛に満ちた眼差し、耕助を見る七実の「ごめんなさい」「ホント会いたかった」との想いの中、やっと「死んでまえ」と最期に言ったことを謝ることが出来た。個人的にはここがクライマックスでした。軽い言い方すると「泣けた〜」となりました☺️
独立後だからこその「飄々とした錦戸風味」を特にこの「かぞかぞ」から感じます。昔から特に気張らない質ではありますが、Netflix「離婚しようよ」のインタビューで分かりやすく語っていた。
「何も変わっていません。映画やドラマを観なかった時期もなかったですし、作品を観ながら『僕も芝居がしたい!』と特に思うこともなくて。そんなことを考えるのもおこがましいというか。そうでない道を選んだのは自分なので。独立する前にいただくオファーと、独立した後にいただくオファーとではちょっと意味合いが違う気がします。ほんまに僕やからこそ、という想いをより顕著に感じますから」
声変わりする前の15歳で出会った錦戸亮がいい感じのお父さんに成長してる姿だけでも嬉しいのにドラマ自体の魅力で、かぞかぞはホンマ得した気持ちにさせてくれる。ホンマありがと😁
先日無事40歳を迎えた二宮和也、風間俊介(ポスターにはいないがレギュラー)といい、全員アラフォーで、誰か誕生日が来るたび驚いてしまう。
七実の日記が、バズり、ALL WRITE創業者小野寺(林遣都)の目に留まる。
ALL WRITEオフィスで小野寺社長と会うため、東京へ。七実の才能を褒めちぎり「甘栗」を渡す。何故甘栗かは、ご覧になってみてください。スタッフ斎藤ともども、かなり奇妙なキャラクターに仕上げてあるが、不思議とドラマの邪魔をしない。余談になるが、スターダスト俳優陣の演技は総じて「嫌味が無い」というか「爽やか」な印象を持っている。
そして、ALL WRITEでのブログをきっかけに、七実は本の出版をすることになる。
辛いエピソードも笑い話に、悲劇を喜劇に変えて乗り越えてゆく岸田奈美さんたちファミリーの物語は、すでに観ているボクらの物語になっている。亡くなったお父さんが残した✐𝓜𝓮𝓶𝓸のおかげでチカラを貰えている。
週末、目黒シネマで「河合優実 特集」が組まれるという。これは見逃せないと思うので、スケジュール頑張って見に行きたいと思っている。
家族だから愛したんじゃなくて、愛したら家族だった
【出演】河合優実/岸本七実,坂井真紀/ひとみ,吉田葵/草太,錦戸亮/耕助,美保純/大川芳子,福地桃子/マルチ(天ケ瀬環),丸山晴生/首藤颯斗,奥野瑛太ほか 草太担当:安田龍生
【原作】岸田奈美,【脚本】市之瀬浩子
【演出】大九明子
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