超長期での住宅価格の推移
家を購入するにあたって住宅価格の推移を把握したいと思うことがあると思います。しかし不動産価格は株価の推移ほどは簡単にはわかりません。なぜなら不動産売買のデータは不動産会社のみがアクセスできるようになっており、個人が過去の成約事例を調べたり、リアルタイムの売買情報を得ることは難しいためです。
この情報の非対称性によって、個人が不動産を売買しようとする際不利な立場に置かれることになります。なんとか情報をかき集めて賢く不動産を売買したいと思う人も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は国土交通省が公開している不動産データについて紹介します。
国土交通省は、年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに、全国・ブロック別・都市圏別等に不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」を毎月公表しています。
この公開データを用いてどのようなことがわかるかこれから見ていきます。
全国の住宅価格の推移
まずは日本全体で見た場合の不動産価格指数の推移です。これで2008年以降大まかにどのような動きがあったか把握できます。ここでは使えるデータを全て使って、長期でデータを見ることを重要視しています。ここ数年だけをピックアップしたような分析は全て不親切だと思います。
マンション価格は2008年から2009年にかけて下落して以降、うなぎのぼりに上がっていることがわかります。それに対し、戸建住宅と住宅地の価格は2008−2009年の動きはマンション価格と同様ですが、その後停滞し、ここ2・3年で10数%上昇しているということがわかります。
それでは次は都道府県別に見ていきます。
東京都の住宅価格の推移
東京都の不動産価格を見ると、こちらは1984年からデータがあり、より多くのことがわかります。
1980年代後半から1990年代初頭にかけて不動産バブルがあったことがわかります。住宅地、戸建住宅の価格はこの後20年かけて3分の1程度まで価格は下落していますが、ここ数年はやや持ち直しています。
マンション価格は2008年以降のデータしかありませんが、ここ10年で1.87倍程度にまで上昇しています。
大阪府の住宅価格の推移
大阪でも東京都と似た推移となっていますが、バブル後約7分の1程度にまで下落しており、東京よりも下落幅が大きいことがわかります。
愛知県の住宅価格の推移
愛知県でも東京都と似た推移となっていますが、バブル後の下落幅は東京よりもマイルドであることがわかります。
北海道の住宅価格の推移
北海道はなかなか面白い結果となりました。なんと、東京よりも不動産価格の上がり幅は大きいようです。特にマンション価格は、ここ10年で約2.7倍に上昇しています。
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