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京都国立博物館でみた月輪寺十一面観音

まったく個人的な話なのですが、忘備録として書いておきたくて。
今からうん十年前のたぶん高校生だった頃に、なぜか京都国立博物館に行き、林立する大木のような十一面観音像たちにとても感動した。
その中でも月輪寺の十一面観音立像は、その野太い重量感っていうか質感っていうか、仏像を拝観するという行動が初めての私にとって忘れがたい立像だった。それがきっかけで折々に仏像巡礼の旅をすることになって、それはとても楽しい秘密の趣味で人生におけるハイライトとなった。

何十年の間に京都国立博物館に行く機会は何度もあったが、あの仏像には会えないままで漫然と年月が流れた。昨日ひょんなことからしっかり覚えていたはずの姿がおぼろげになっていることに気づき、ネットで検索してみたら、なんと昭和48年に京博から月輪寺に帰られたというではないか!私はお寺に帰る直前の記念的な展示にめぐり合わせたようなのだ。
そして、会いたい人がいるなら漫然と過ごさないで突っ込まなければならなかったのだ。なぜなら月輪寺というのは、いつか行こうと思いながらあまりの山道の険しさに躊躇して、ぐずぐず行けてなかったお寺なのだ。若いころはけっこう健脚だったけれど、山登り自体は好きではない。折々の観音巡礼ではもう2度と行きたくない険しい山道を登ったこともあったが、緞通を織るようになっていらい、居職なのでかっての筋肉を犠牲にして日々を暮らしている。いまさら月輪寺に行けるのか?でも今行かなければ、二度と再会はできないだろう。かなりの後悔とともにこの忘備録を残す。

月輪寺11面観音立像

赤穂緞通工房ひぐらしG wrote #仏像

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