「子供たちに囲まれる/子供たちで囲まれる」
皆さん、こんにちは!
にほんごパートナーの千原です。
今回は「~に囲まれる」「~で囲まれる」について。
「日本は四方を海に囲まれた島国です」とよく言いますね。
囲まれるは受身形だから、能動の文にすると
「日本は海が四方を囲んだ島国です」になります。
すごい変な文…。
まあ、この文を教えるために、ちょっと分解してみたんです。
例:庭を塀で囲む →庭が塀で囲まれる➝庭が塀で囲まれている
島を海で囲む →島が海で囲まれる→島が海で囲まれている
こんな感じで、文を作ったとき、私は「塀で囲まれている」と自然と書いていたんです。
そこで、あれ!?と気がついて、「で」なのか「に」なのか分からなくなりました。
こんな時は例文をたくさん出して考えていくと、答えが出てくるのですが、自分で例文考えるのほんと大変ですよね。
たいてい私はgoogleで検索します。
そうすると「子供たちに囲まれる」という文が出てきました。
ん?これは「で」にできないのでは?
「子供たちで囲まれる」というと、まるで「子供たち」が物みたいですよね。
これがヒントになってきます。
でも、そこで私の思考はストップしてしまい、書物に頼ることにしました。
手元になかったので、図書館で借りました。
めちゃくちゃたくさん載ってる…!!
この本、ほしすぎます。
「囲まれる」のコロケーションがたくさん書いてあるので、ここで「~で囲まれる」ができるものを考えていきました。
ちなみに「~に囲まれる」は全部使えます。
その結果・・・
〇【音、声(喧騒、虫の鳴き声)】に囲まれる
〇【人(家族、生徒、教え子、取り巻き)】に囲まれる
△【音、声】で囲まれる
✖【人】で囲まれる
という結論になりました!
皆さんの語感と合っていますか?
私だったら、実際に教えるときは「~に囲まれる」のみを出します。
もし質問が出たら、「で」を使う場合もあるよ、「手段・方法」の感じが強いから人の場合は「に」を使うよと教えます。
ちなみに
「四方が海に囲まれている」
「四方を海に囲まれている」
もありますが、今回はここまでは調べませんでした。
そして
「花を囲む」「花で囲む」のように「を」か「で」が変わるだけで意味が変わることにも気が付きました。
当たり前のことなんですけどそこまで思い至らない時もありますよね。
なので、語彙を教えるときはできるだけ辞書を引くようにしています。
もしほかの考え方があったら、教えてください!
以上、私の文法分析でした。