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ミスiD2021

2018の時に応募して賞をいただいて、そして今年は選考委員のうちの一人を務めさせていただく「ミスiD2021」。本日がエントリー最終日となりました。(5/31までだったのですが、さっき期限が一日伸びて6/1いっぱいまでになりました。)

ミスiDはよくあるミスコンのような年齢制限、品行方正に生きてきたというアピールなど窮屈な規定がまるでなく、ママでも金髪でも前科持ちでもアイドルクビになってても顔出しNGでもバーチャルでも着ぐるみでもそしてそういうわかりやすい個性が一つもなくても、応募自体はOKな、かなりフリースタイルなオーディションです。

わたしもAV女優としてデビューして2年目の頃に応募しました。そのとき既にいわゆるスタンダードなAV女優としての努力とはかなりずれた方向に頑張ってしまっていて、なんだかこれは、自分の伝えたい思いや実行していきたいことが、あまりに途方もなさすぎて、誰かに味方になってほしいと思っていてのでした。いわゆる「ただのAV女優」としてそれのみを全うして生きるには、わたしはあまりに才能や興味の持ち得る方角が間違っているのだろうし、どこにいってもよそ者みたいな在り方はやっぱり、孤独が孤独のまま輝けるような場所を目指していかないと幸福になれないものだから。

今や現役・元含めAV女優さんでミスiDに応募する子は珍しくもなく、多分これってアイドルさんとかも近しいところがあるかもしれないのですが、本職におけるパフォーマンスだけでなく、この内に秘めた如何しようも無い何かのことを誰かに見つけてもらわなければ、と感じている人が応募できるような場所がこの世にあるだけでも、なんだかそれはいいことだな、という気がしているのです。

そしてもっと大切なのが、ミスiDが「すでに有名である人」や「独自のフィールドで活動を頑張っている人」だけでなく、まだ全然がんばりはじめていないあなたとも、一度がんばったけど疲れてしまってからのあなたにも、頑張るってなんなのかわからないあなたにも、一度会ってみたいと望んでいるオーディションだということです。

人間の良さって本当に角度によっていろんな光り方をして当たり前なので、ある人から見て気がつかないところも、他の誰かの目からは爛々と光って見えるかもしれない。

今の時代、審美眼のあるひとの存在が圧倒的に足りていないのだと個人的に思っていて。webマーケティングの発達や動画サイトからのスターの引き抜きによって、だんだんと「プロの審美眼を通したもの」と「ユーザーの支持を多く得たもの」の割合が変わってきている気がするんですね。もちろん「たくさんの人に支持されるもの」が世に出てくることも大事なことだけれど、もっと「多くの人には気づかれないが、見る人が見れば輝いている」そういう在り方の宝石を、大人が見つけて守っていくことが必要なのではないかと思っているんです。

わたしはまだまだ未熟ですが、ミスiDには審査員としてとても素晴らしい審美眼と個性をお持ちの方々が名を連ねています。有名な方が多いですが、有名であること以上に、確かな、オリジナルな美の基準を持っている人をお誘いしているのだろうな、と思わせられるようなメンバーだと思っています。

誰だって生きていること自体が個性であり魅力でしかないのですが あなたの生きている姿を、言葉や表情や考え方の微細な癖を、実際に会った時の空気感を、目線の泳ぎ方を、息の吸い方を、多様な審美眼の中でたった一度でも披露すること自体に価値があるのではないかと思ってしまうのです。大人になるとは、たくさんの種類の目線に晒されゆくこと、そしてその中からあなたの命と相性の良い目線を選びとってゆくことかもしれないと思っているので。

審査員には

超歌手・大森靖子さん、プロインタビュアー・吉田豪さん、テレ東プロデューサー・佐久間宣行さん、『愛がなんだ』の映画監督・今泉力哉さん、元乃木坂46・川後陽菜さんほかお馴染みの顔ぶれに加え、今年からは「レベッカブティック」デザイナー赤澤えるさん、、インフルエンサーでモデルの佐藤ノアさん、”自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティ” She is。そして、香港から、デモシストで大学生の ”民主の女神” 周庭さん、凛として時雨のドラマー・ピエール中野さん、arcaのCEO /クリエイティブディレクターの辻愛沙子さん、そしてミスiD実行委員長の小林司さん 

と、そうそうたる顔ぶれ。

そして応募要項はこんな感じです。

プロアマ、国籍、未婚既婚、彼氏、彼女の有無問わず。年齢も12歳(くらい)から40歳(くらい)まで。タトゥーがあっても金髪でも引きこもりでも心の女の子でも多少のコンプラからはみ出してても、OK。
女の子の武器は”可愛い”だけじゃない。居場所がない世界中の女の子、よくあるモデルやアイドルのオーディション、ミスコンに応募をためらってるけど世に出たいと願う全ての女の子へ。


今年から「30秒動画」が必須となったり、「全員0次通過→HPに掲載」となったりと、様々な変更点によって応募をためらっている方もいらっしゃると思うのですが

よく見ると、「30秒動画」は「昨年まで一次を書類のみで実施していたけれど、全員せめて動いている映像を見るため」であったり(なので、何も芸術的な映像作品を作れというわけでもないのです)

「全員HPに掲載」は、リスクを考えて希望者は「非公開自己PR」「非公開画像」を追加できることになっています。公開用は個人特定のできない写真と文章にして、審査員にのみ見える形でアピールしてもらうことも可能です。

なので、意外とハードルが高くなったわけではなかったりもするのです。

すでに少しずつ応募者の皆さんを見ていたりもするのですが、とてもわくわくしています。自分のぴんと来る美しさを持つ人に出会えるような予感がして、とても嬉しいです。

ここまで個性的な審査員の方々に見てもらえるオーディションは他にないので、なんだかどこに行ってもしっくりこない、という人とか、ぜひお気軽に応募してみてください。彷徨っている姿こそ、美しいと知りながら。

ありがとうございます!助かります!