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あと1年でAV女優を引退します。

タイトルの通り、本日発売の「FLASH」にて掲載のグラビア内にて、AVメーカー「FALENO」への移籍と、1年後にAV女優としての活動を引退する旨を発表させていただきました。

先月、デビューから丸5年以上お世話になった元いたメーカーの専属を卒業するという発表があってから、メーカーを移籍することはお察しの方も多かったと思いますが、これから丸1年間、FALENOの専属として月に1本のペースで作品を12本リリースし、2023年の1月を目処にAV作品への出演をやめることにしました。

 これまで居たメーカーを離れたこと、そして引退を決めたことに対し、それぞれさまざまなご意見があると思いますが、今話せる限りで順を追って説明したいと思います。

 そもそも「卒業」と「引退」って何が違うの?という方もいると思います。私はこれまでひとつのレーベルと専属契約をし、月に1本このレーベルの作品だけを撮影する、という決め事の中作品を撮っていただいていました。 今年の11月をもってそれまでいたメーカーとの専属契約の延長をみずから辞退し、FALENOというメーカーに移籍することを決めました。

 事情は深くは言えないのですが、AV女優という大きなリスクを伴うお仕事を続ける中で、自分たちの扱っているコンテンツがどういうものであるのかを真摯に捉えていない人たちとはお仕事を共にすることはできない、と打ちひしがれることが何度かあり、改めてきちんと信頼できる場所で仕事をしていきたい、と思ったことがざっくりとした理由です。
 女の子たちが、普通に暮らしていたら見えるはずのない場所までをも見せ、映像に記録されることを許可するということは、報酬が通常の仕事よりも幾分か大きいということを加味しても、本来どんなものを対価にしても釣り合うはずのない、とても特殊な状況だということはわかり切っていることです。そのこと自体を、慣れや怠惰によって軽んじるひとたちのもとでは、自分が快く提供できるものはなにもない、という結論に至りました。
 デビューからお世話になった場所から離れることは、当時とても良くしていただいた記憶も相まって心苦しい面もありますが、前向きな決断として受け止めていただけると幸いです。

 そして、移籍と同時に、かねてよりずっと心の中にあった未来を、具体として思い描くようになりました。それが、「きちんと期間を予告して、最後の1年をやりきって、引退する」という、今回実行しようとしている計画です。
 計画と言っても、たとえばこの一年の間にこれとこれとこれをやります、などと完璧な計画が立っているわけではありません。私の中に今あるのは、あと残り1年と期間を決めて、応援してくださっている人たちにもそれを知っていただいて、最後の1年をよいものにしようと心に決めて、これまでこの業界で出会ってくれた人たちに恩返しをしていく、という、ごく個人的な展望です。
 実際にどんなことができるかというのは、これから探っていく段階です。AV女優として、よりよい作品をリリースしていきたいし、ヌードでの写真表現も同時に引退しようと思っているので、たくさん写真を残したいです。引退を告げるまで言えなかったさまざまな感情を文字起こししていきたいし、現役最後の1年間でこれまでのことを本にしたいとも思っています。引き続き表現活動を続けていきたいし、あくまでこの1年で引退するのはAV女優としての活動のみの話なので、それから続く人生のことを絶えず考え続けていきたいです。そういういろいろなことを、皆さんと共有しながら1年間を過ごしていけると嬉しいです。

 引退、と聞くと残念に思ってくださる方もいると思いますし、AVに出演している戸田真琴が好きだからそれをやめたら興味をなくす、という人もいると思います。逆に、そもそもAV作品はあまり見ていなくてそのほかの活動で追ってくださっていた方からしたら、そこまで驚くような決断ではないかもしれません。
 悲しんでくださる方がもしもいらっしゃったら、その気持ちはとても嬉しく、一緒に胸が痛むだろうと思いますが、私自身は思いのほか、ニュートラルな気分でこの記事を書いています。
 誤解なく伝わるとうれしいのですが、もともと私はかなりアダルトコンテンツから精神的に遠いところからこの業界にやってきていて、そもそもAV女優を始めた理由のひとつにも「あまりにもわからないから、それを仕事にしてご飯を食べてみたら何かが変わるだろうか」という極端な好奇心というものがあったほどでした。5年かけてせっかく耕した畑をすてるのか、と感じる人もいるかもしれませんが、私の正しい感覚としては、別の惑星からこちらの惑星へ社会科見学に来て、そこでいっしょうけんめい働いて、それから時が来たのでもとの惑星へ帰る日を決めた、という感じなのです。伝わりますでしょうか。

 私は、AV女優になって出会えたたくさんのご縁を愛しています。いちど自分をすべて晒そうとすることで手にした異次元の強さも、流れの速い業界で生き残るために自分の武器を探したあの切なさも、矛盾の中で見つけたさわやかな答えも、得たものもなくしたものも、すべての時間を愛しています。 そして、アダルト業界という、嫌味でなくシンプルに快楽主義な世界において、あまりにもそこにマッチしない非快楽主義の尖ったわたしを、敢えて好きになってくれたハイセンスな君のことをとても大切な友のように感じています。
 AV女優という仕事に就くことをひとにすすめることは決してないけれど、私の人生においては確実に必要なプロセスでした。だから、これから1年かけて、何がどんなふうに必要だったのか、そしてこれからどこへ向かうのか、そういうことを少しずつでも、伝わらなくても、お話ししていけたらと思います。つぎはぎだらけの愛を込めて。

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