第16回TOHOシネマズ学生映画祭受賞者インタビュー【プロモーション部門】


こんばんは!TOHOシネマズ学生祭実行委員です。
第16回TOHOシネマズ学生映画祭プロモーション部門グランプリを受賞したyoshidanielさんへインタビューしてきました。
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プロモーション部門を受賞されたyoshidanielさん

〇自己紹介をお願いします!
yoshidaniel「yoshidanielです。プロモーション部門グランプリを頂きました」

〇TOHOシネマズ学生映画祭を知ったきっかけは?
yoshidaniel「映像を趣味としてつくる中で、お金稼ぎにもつなげていきたいと思い、賞金が出るコンペを探していました。コンペを自分で調べていくうちに、一番大きい映像コンペとして(TOHOシネマズ学生映画祭を)知りました」

    ――映像制作はいつ頃からやっていたのですか?
yoshidaniel「大学に入ってから本格的に始めました。最初は自作した曲のMVを自分で撮っていました。他にも、友達と一緒にYou Tubeに動画投稿をしていて、ふざけたような動画を撮って自分で編集したりしていました」

 
 ――サークルに入っている訳ではないんですね。映像は独学で学ばれていたんですか?
yoshidaniel「そうなんです」

 
 ――(未経験の状態だと)応募すること自体もハードルが高かったのではないですか?
yoshidaniel「まあでもちょっと変な自信があって……躊躇はとくになかったです」

  ――そうして制作したのが『KAWAII Po&Co GAME』ですね。どんな作品ですか?
yoshidaniel「ゲームをモチーフにしたドットアニメーションです。映画館とコカ・コーラ、ポップコーンの繋がりを表現するのが意外と難しくて……。繋がりを作る、仲間にするというところから、ゲームを連想しました。私自身が持っている、映画館に行くとレベルが上がった気分になるというイメージを反映したものになっています」

  ――ドットアニメは制作が難しそうですが、どうでした?
yoshidaniel「大変でしたね。1コマ1コマ小さい粒を書いていく作業をしたうえで、アニメーションにするので……大変でした」

  ――ドットアニメはもともと作ったことがあったんですか?
yoshidaniel「はじめてです。テーマを見てドットアニメーションをつくる決断をしました」

  ――すごいですね。その過程は今振り返ってみてどうですか?
yoshidaniel「よかったと思っています。ドットアニメーションをつくったことで他の作品と違った雰囲気にできましたし、自分の視野が広がったと感じております」

〇個人的に作品を拝見して、細部まで作り込まれているのが印象的でした。こだわったポイントは?
yoshidaniel「おっしゃって頂いた細かい部分には気を配りました。映画(の場面)を通してBGMやタッチで強弱をつけるようにしました」

  ――主人公の見た目が特徴的ですが、あれはどういう?
yoshidaniel「特にないですね。なんであれにしたんだろう……、そこには考えはなかったです」

  ――でも結果的に、キャラクターの個性的な見た目もよいアクセントになっていました。ずっとドットアニメだったのが、映画を観ている表情を大写しにする瞬間だけはイラストになるのも印象的でした。
yoshidaniel「あれは一番こだわったかもしれません。あえて(作品全体が)ドット(の印象)になりすぎないように違った絵を入れたいと思っていて……それがあのカットでした」

  ――制作期間はどのくらいだったんですか?
yoshidaniel「一週間くらいです。(自分で作り方を)学ぶところからはじめました。一週間はぶっ通しでやるみたいな感じで、集中的に短期間でつくりました」

  ――お友人から「動きがぎこちない」と言われて1から作り直したこともあったそうですね。
yoshidaniel「でも(そのおかげで)だいぶ(仕上がりは)違ったなぁと思います。自分だけで作るよりは第三者の眼や他人の眼が大事だと改めて思いました」

〇(制作期間を)今振り返って、一番苦労した部分はどこですか。
yoshidaniel「アニメーションを学ぶのが難しかったです。アニメーション自体(を作るの)ははじめてで、動きを作っていく段階も難しかったです。苦しいことが楽しいみたいな。苦労しているときも楽しいと思っているので、そんな自分のマインドが困難を乗り越えるうえでは良かったと思っています。そんなに難しいことは考えてないですけどね(笑)」

  ――作品を生み出すうえでは普段から面白いものを吸収していく必要もあると思います。心掛けていることは?
yoshidaniel「人間観察はずっとしています。(観察する中で)街中で沢山面白いと思うことを見つけられるので……それをメモして、X(旧Twitter)に呟いたりとか。インプットとして人間観察をしています」

  ――X(旧Twitter)で拝見したんですが、昨年は東南アジアに行かれたんですよね?
yoshidaniel「1カ月間、バックパッカーとして東南アジア行ってきました」

  ――それも面白いことありそうですけど、どうでした?
yoshidaniel「面白かったですね。本当に価値観が広がりました。視点が増えたと思っていて、難しいことは考えていなかったんですが……選択肢が広がったと思います」

  ――選択肢?
yoshidaniel「選択肢……苦しいときも逃げて良いと思えたり……知識が広がったというか。知識が広がったという言い方の方がしっくりくるかもしれません」

  ――そこでの学びは創作に活かしていくんですか?
yoshidaniel「特には考えていなくて……東南アジアは行きたいから行った感じです」

〇そして映画祭当日を迎えて、改めてグランプリ受賞の感想は?
yoshidaniel「嬉しかったです」

      ――当日のスピーチでは、「これまで経験したのことのないものを得ることができた」と言っていましたが、映画祭に参加した感想は?
yoshidaniel「はじめて参加しましたが、本当に良かったと思っているし、大きなきっかけになったと思っています。正直当日は自分の作品よりも、他の人の作品に見入ってしまって……「すごいな……」と感化されたというか……『早く(自分も)映像を作りたい』と思う大きなきっかけになったと思っています」

   ――「他の人の作品を観たのが良かった」と話していましたが、得られたものはありますか?
yoshidaniel「映像の知識が無かったので作品の細かい良さは分からなかったんですが……学生監督が自分の力でメンバーを集めていって大きな映画を撮っているというところに感化されました。(他の学生監督の)行動力を見て、「負けてられないな」と思いました」

〇その後、TOHOシネマズ学生映画祭をきっかけに変化したことはありますか。
yoshidaniel「ちやほやされましたね(笑)僕はずっと音楽をやっていたので、急にグランプリをとったのがみんなの驚きだったようです。また、仕事ではないですが、趣味の延長のような形で案件を頂けるようにもなりました」

   ――ご自身の特技を生かして取引ができるサイトでドット絵の制作も請け負われていますが(※1)ドット絵はTOHOシネマズ学生映画祭がきっかけですもんね。 
(※1)「coconala」のことです 
yoshidaniel「そうなんです。ドット絵作ってみて……穴場だなぁと思って。ドット絵で稼いでみようかなと思いました」

  ――その後Kevin Roseyさんの「OIZUMI」で実写のMVも撮られていますよね。どうでした?
yoshidaniel「実写は難しいなと思いましたね」

〇色々クリエィティブな活動をされている中で、TOHOシネマズ学生映画祭の経験は活かされていると思いますか?
yoshidaniel「非常に活かされていると思います。一番大きいのは自信を持てるようになったことかもしれません」

  ――自信があるからこそ次の創作に繋がっていく……そこに近しいものではありますが、yoshidanielさんにとって創作の原動力は?
yoshidaniel「昔からのものづくりに対する「好き」という気持ちかもしれないです」

  ――それでいうと高校時代は漫才、大学時代は音楽活動……ちなみに楽器は何をやられているんですか?
yoshidaniel「ぜんぶですね。作曲をやっていたので」

  ――オリジナル曲もありますもんね。音楽活動もされている……いろいろな芸術活動をされている中で、だからこそ思う、映像づくりの魅力はなんですか?
yoshidaniel「(映像づくりは)色々な芸術が詰まっている最終形だと思っています。音楽もできますし、絵作りもできますし、ストーリーも伝えられる。(映像づくりは)なんでも表現できる舞台だと思っています」


〇受賞直後はCMディレクターになりたいという話もされていました。現在4年生ですが、来年からのお仕事は?
 yoshidaniel「映像制作会社に就職する予定ですが……夢はまだ決まっていないといいますか……そこはまだ考え中です」

  ――今後達成したい目標はありますか?
yoshidaniel「自分の頭の中を表現してみたいと思っています。今はまだないのですが……「頭の中に浮かんだストーリーを表現できたら良いな」と思っています」

  ――ストーリーを作るためにもインプットが必要になるので……(yoshidanielさんのお言葉を借りれば)「レベルアップ」のために映画を観るのも良いかもしれません。最近観て良かった映画はありますか?
yoshidaniel「めっちゃ王道の映画で……はじめて観たんですが……「レオン」、すごかったです」

  ――どのシーンが印象的でしたか。
yoshidaniel「伏線に無駄がなく、全ての絵に意味がある映画でした。観ていて「ここまでこだわるか」と感動して……伏線の詰め合わせのような映画だと感じました」

  ――創作をする中でスランプになった時期はありましたか?
yoshidaniel「ドットアニメーションの後に手書きアニメーションをはじめて、すごく苦労したのですが……その時は「しゃーないかな」と妥協するようにしていました。自分ができないことを認めて、色々な人に聞いたり、You Tubeのチュートリアルを観たりするようにしていました」

〇応募者の方へ向けたメッセージをお願いします。
yoshidaniel「頑張ってください」


〇インタビューをした実行委員の感想
(狩野祐輝)
私が取材の準備をしている時に「汗かいていますね、暑いですよね」と、暖房を調整してくださいました。細やかな気配りができる視野の広さは、細部へのこだわりが光る作品『KAWAII Po&Co GAME』に通じるものを感じました。作曲からイラスト制作までこなす多彩なyoshidanielさん。今後が楽しみです。
 (宮本采依)
ドット絵を独学で学び一人で作り上げつつも、ご友人に指摘されまた一から作り直したというエピソードが印象的でした。yoshidanielさんの真摯に向き合う姿勢に、多くの人が勇気をもらえると思います。今後の作品にも注目したいです。

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<第17回TOHOシネマズ学生祭の開催について>
 開催日:2024年3月28日(木) 
                  14:00開始 20:00頃 終了予定
 開催場所:TOHOシネマズ日比谷 スクリーン12(東京宝塚ビル地下)
 皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

<コンペティションへの応募について>
 応募締切:2024年2月5日(月)23:59
 詳細は、以下リンクよりご確認ください。
 TOHOシネマズ学生映画祭|tcsff (tohotheater.jp)
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