DI Baseball Around the World

2023-24シーズンのNCAA1部野球で活躍する米国外出身者を中心とした珍しい経歴の選手をまとめました。残念ながら全ての選手は紹介できていませんが、適宜追加・訂正を加える予定です。



Lenny Ashby (Kansas / Sr. / OF / Oranjestad, Aruba )


全てのスポーツにおいてパワー5でプレーする初のアルバ出身選手で、かつD1でプレーする初めての野手でもある。高校まで父親がいるアルバの高校(Maria College Mavo)でプレー。その後NJCAAのOdessa Collegeで2年在籍、2022年からUNM(ニューメキシコ大学)へトランスファー。身長は5'7"と平均を大きく下回っているが、UNMでのキャリアOPSは1越えで通算26HRと打撃に定評がある選手。今季からはより強豪チームであるKansasでプレーする。2024年のD1BaseabllのOFランキングで48位に選ばれている。


Travis Bazzana (Oregon State / Jr. / 2B / Sydney, Australia)

Oregon Stateへ進学が決まると、複数媒体から"Freshman First Team"に選ばれており、その前評判に違わず1年目からレギュラーとして定着する活躍を見せた。大きく飛躍を遂げたのが昨年MVPを獲得したケープコッドリーグで、特に打球速度の伸びが著しい。今季も強豪チーム相手に好成績を収めており、全体1位の可能性もにわかに浮上している。非常に優れたメイクアップも兼ね備えたスター候補。


Jaylin Rae (Western Kentucky / Sr. / INF / Sydney, Australia )

内外野問わず守れるユーティリティ。オーストラリアU-18でプレーし、NJCAAの強豪(Central Arizona College)へ進学。所属カンファレンスのシーズン安打記録のトップ10に入る活躍で全米優勝に貢献した。その後Charleston Southernに転校し、今年はWestern Kentuckyでプレーする。U-23世界選手権でもオーストラリア代表に選ばれた。

Chase Diggins (Kansas / Jr. / INF/ Perth, Australia)

短大のOdessa Collegeから今季Kansasへトランスファー。15歳までオーストラリアで過ごし、高校は日本の同志社国際高校へ進学した。短大での通算成績は.418/.502/.653と、ヒットツールに注目される。


Jimmy Nati (Stanford / So./ INF/ Sydney, Australia)

名門・Stanfordでプレーするエリートプレーヤー。U-12, U-15, U-18, U-23のすべてのカテゴリで代表入りしている。スタンフォードでの初年度は23試合で打率.114にとどまったが、今季は開幕から好調を続けている。弟のJoshはOregon Stateコミット。GonzagaからCoppin Stateへ転校したLiam McCallumとは高校のチームメイトだった。


Daalen Adderley (Loyola Marymount/ Gr./ INF/ Nassau, Bahamas)

短大、DⅡのTusculum, Texas Southern, Loyola Marymountと、毎年のようにチームを変えるいわばジャーニーマン。5'10"とやや低めの身長ながら身体能力の高いMIFとして注目され、NCBWAのプレシーズン3rdチームに選出された。出身はバハマだが高校はテネシーであり、それ以上の情報は不明。

Yechiel Saint (Presbyterian, Jr./ 1B/ Free Port, Bahamas)

Presbyterianで2年プレーするも、合計35試合の出場にとどまる。ナッソーがあるニュープロビデンス島ではなく、フロリダに近いフリーポート島の出身。


Caio Araujo (Alabama State, Jr./ RHP/ Indaiatuba, Brazil)

高校時代にパンアメリカンゲームでブラジルの銅メダル獲得に貢献(と大学野球部HPに記載されているがBRのロスターに名前はない)。短大から今年NCAAへ編入し、D1で登板した7番目のブラジル人となった。

Bennett Freiter (North dakota State/ R-So./ C/ St. Andrews, Canada)

大学では2年で4試合の出場。出身はマニトバ州だが、高校は遠く離れたアルバータ州カルガリーへ。ちなみに、マニトバ生まれの現役マイナーリーガーは2人いる。U-17ではマニトバ州の代表チームに選ばれ、カナダカップで戦った。

Haden Dow (SEMO/ Sr./ LHP/ St. John, New Brunswick, Canada)

2021年から2年短大でプレーし、SEMOへトランスファーした23年は主に日曜日の先発として8試合の登板。カナダ太平洋岸の町、St. John出身だがこちらも高校はアルバータ州である。

Ben Soke (NDSU/ Fr./ RHP/ New Maryland, New Brunswick, Canada)

Fredericton High Schoolというニュー・ブルンズウィック州の高校の出身。58イニングで防御率0.48の成績を残した。


Jay Miller (UNC Greensboro, So./ RHP/ Cornerbrook, Newfoundland and Labrador, Canada)

ニューファンドランド島出身で、オンタリオ州の高校を卒業した後はノースカロライナのアカデミーでプレー。


Ledy Alvarez (Jackson State/ So./ INF/ Guayaquil, Equador)

エクアドルの高校(Colegio Americano)を卒業後、短大からJackson Stateに編入の内野手。今季は開幕からレギュラーで出場を続けている。

Marco Viteri (Utah Tech/ Fr./ RHP/ Guayaquil, Equador)

アルバレスと同じ高校を卒業、直接Utah Techへ。


Paul Schmitz (Houston/ So./ RHP/ Bonn, Germany)

6'8"という長身のドイツ出身右腕。ボンの体育系高校(Ernst-Moritz-Arndt Gymnasium)を卒業している。U-12から何度も代表チームに選出、特にU-18欧州選手権では大会最優秀投手に輝いた。兄のMaxも同校の出身で、2011年WBCのドイツ代表としてもプレーしており、その後Georgia Stateに入学している。フレッシュマンながら主に先発として41.1IPを投げた。一部媒体では2025年ドラフトで10巡以内の指名が予想されている。


Tristan Russell (Houston/ Fr./ UTL/ Germany)

シュミッツとチームメイトの、同じくドイツ人選手。生まれはドイツだが、高校はテキサスのCypress Woodsに通う。U-15世界選手権、U-18欧州選手権で代表入り。叔父がアリゾナ大で🏈をしていた。


Ethan Smith ( VMI/ Jr./ RHP/ Ramstein-Miesenbach, Germany)

ドイツのフランス国境付近にある米国防総省附属の高校から直接VMIへ進学。1年次に数試合登板したが、それ以降登板が無い。


Brian Sanders (FDU/ Gr./ OF/ La Ceiba, Honduras)

父母ともにホンジュラスで野球/ソフトをしていた。ブロンクスにある高校を卒業した後、短大・D2校を経てFDUへ。

Sean Fekete (Oakland/ R-Sr./ RHP/ Budapest, Hungary)

ハンガリー生まれ、UAEのドバイ育ち。2022年欧州選手権ではハンガリー代表としてプレーしている。



Vytas Valincius (Illinois/ Jr./ INF/ lockport, IL.)

短大からサウスカロライナ大を経てイリノイへ。両親がリトアニアからの移民で育ちはシカゴ。2021年のU-18欧州選手権予選ではリトアニア代表としてプレーしている。Baylor HSではニック・カーツとチームメイトだった。弟も有望選手でVirginiaコミット。


Lorenzo Morresi (UTSA/ C/ Jr./ Macerata, Italy)

U-23欧州選手権イタリア代表の司令塔。2020年にセリエAのAngels Macerataでデビューし、2023年に短大へ。見事活躍を納めて今年からD1に挑戦。昨年はNJCAAシーズン終了の後、セリエAでもプレーしている。


Chase Burns (Wake Forest/ Jr./ RHP/ Napoli, Italy)


D2カレッジでフットボールをプレーし、海軍軍人だった父がイタリアへ赴任中に生まれたため、国籍はアメリカである。


Hack Dann (Gonzaga/ Sr./ OF/ Eureka, Montana)

高校時代には野球のみならず、フットボール、レスリングでも州内屈指のパフォーマンスを見せたタレント。卒業後2年間はヤキマの短大でプレーし、昨年からゴンザガに転校したものの、31試合で打率.138と低迷している。

Filip Sarota (Lindenwood/ Jr./ OF/ Warshaw, Poland)

ワルシャワ出身でアメリカの高校、短大を経て今季からD1へ。ポーランドのトップチーム入りもしている、


Keanu Jacobs-Guishard (Grambling State/ R-SR./ INF/ Philipsburg, St. Maarten)

14歳までシントマールテンに住み、フロリダへ移住。USFで2年プレーのち、グランブリングへ。昨年は48打席にとどまった。


Jahlani Rogers (Missouri State/ R-Jr./ OF/ St. Thomas, U.S. Virgin Islands)

フロリダの高校からFGCU, サンタフェカレッジ。今季すでに3HR。

https://x.com/jahlani_rogers?s=20


Tristan Moore (Houton/ Sr./ INF/ San Diego, Ca.)


USバージン諸島に10年間居住していた。昨年ニューオーリンズで19HR。

Zayd Brannigan (WKU/ Jr./ INF/ St. Thomas, U.S. Virgin Islands)


Dylan Farley (Nicholls/ Sr./ LHP/ Zuid-Scharwoude, Netherlands)

父は元マイナーリーガーでオランダの代表選手。D1初年度の今年はウィークデースターターを任されている。U-23, U-18の代表歴あり。WBCでは辞退した。


Jelle van der Lelie (Arkansas State/ Jr./ RHP/ Leiden, Netherlands)

3年間ホーフトクラッセのアムステルダムでプレーし、今年からNCAA D1へ。開幕投手を務めて見事に勝利投手となった。


Chris Stuart (Houston/ Sr./ LHP/Amsterdam, Netherlands)

高校までオランダホーフトクラッセでプレーし、卒業後はSan Jacinto JCからTexasへ。昨年は15試合に登板したが防御率は7.20だった。今季からはヒューストン大に転校し、カレッジクラシックでも登板した。


Max Kops (Mercer/ Sr./ OF/ Oosterhout, Netherlands)

ホーフトクラッセ通算68安打。昨年からマーサー大に加入し、46打席のみながらOPS0.947を記録。


Fernando Gonzalez (Georgia/ Sr./ C/ Panama City, Panama)

パナマ生まれだが、ジョージア州の高校から直接ジョージア大へ。通算133試合に出場し、2023年のSECオールディフェンスチームに選出。昨年のBAトップ500入り。




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