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2021ワシントン・ナショナルズ指名選手まとめ(訂正版)


1位指名 SS ブレイディ・ハウス                               (Brady House) WINDER-BARROW高

 全体11位指名権を手にしていたナショナルズが指名したのは高校生ショートのブレイディ・ハウス。ここ数年のナショナルズは上位で大学生投手を指名することが目立っており、今年も同じような予想がなされていました。ひとつ前のメッツが目玉投手のクマー・ロッカーを指名していなければ別ですが、MLB公式ドラフトプロスペクトランキングで全体8位だったハウスを指名することに違和感はありません。因みに、一度ナショナルズパークに来たことがあるようです。彼は現在ルーキーリーグに合流し、10試合の出場ながらOPS1.126と期待以上の成績を残しています。ショート守備が超一流といわれるアルマンド・クルーズが1歳下にいることもあって将来的にはサードに転向することが目されています。しかしターナーがいなくなった後、NPBですら活躍できなかったアルシデス・エスコバーが正遊撃手を務める状況のナショナルズ。キーブーム、ガルシアらショート失格組や1Aでエラーを量産しまくっているヤセル・アントゥナたち次第ではナショナルズパークで目にできる日もそう遠くないかもしれません。(個人的に最善なのはターナーを奪い返すことですが...)

2位指名  OF デイレン・ライル (Daylen Lile) Trinity高

 2位指名も高校生でした。今年は高校生の全国年間最優秀プレーヤーでした。ナショナルズは高校で最高の打者という評価をしています。次代のフアン・ソトと言ったところでしょうか。1位指名のハウスやのちに出てくるTJホワイトとは入団前からの仲であり、ルーキーリーグでは共に行動することが多いようです。

3位指名 1B ブランデン・ボシエアー(Branden Boissiere) アリゾナ大

 ランキング151位で82番目の指名。オーバーピック気味とみられる指名となりましたが、契約金節約が目的という見方があります。外野も守れるようですが基本はファーストの模様。パワー型というよりは堅実な守りとコンタクト力が魅力の中距離打者というイメージでしょうか。将来の夢はパイロットらしいです。どうでもいいんですが、Boissiereって名前の発音がどうもよくわかりませんで、とりあえずそれっぽいものにしておきました。フランス語ではボワイシエールと発音するみたいです。因みにメジャーマイナーともにこの姓の選手はいませんでした。

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4位指名 LHP ダスティン・サエンツ(Dustin Saenz) テキサスA&M大

  4巡目にして初めての投手。ランキング189位、112位指名となりました。大学ではスイングマンとして起用され、プロではリリーフ起用がメインになる予想。大学では活躍しきれなかったが持ち味の鋭いスライダーを武器に数年後のデビューを目指す。直球は93マイルほどで守備も上手いとのこと。因みに先日MLB公式の球団別トップ30プロスペクト入りしていました。サエンツのほかにも大量の若い選手が加入したこともあり、今年一年で別のチームのランキングになったかというくらい変動しまして、さすがファームランキング最下位といった感じです。釣りと狩りが趣味。向こうは狩り好きな人多いですね。


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5位指名 OF TJホワイト (TJ White) ドーマン高

  ここからはランキング外の選手。先ほど登場したTJホワイトです。コーナーの外野手で守備はうまくはなく打撃で魅せる選手。右打席ではライナーを、左打席では高い弾道の打球を繰り出す。今年すでにLow-A10試合で3HR。


6位指名 LHP マイケル・キリアン(Michael Kirian) ルイビル大

  2年次はリリーフで好成績を残し、ドラフト年の今年はLAAにデトマーズが1位指名された後を埋め先発に転向もやや不調。2m近い長身から繰り出される96マイルの速球とカーブが武器。三振を多く奪える。DETファン。

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7位指名 OF ジェイコブ・ヤング (Jacob Young) フロリダ大

アベレージ型で強肩好守の外野手。30試合連続安打をマークするなどの活躍を見せ、BAのトップ11スリーパーにも選出。今季Low-Aですでに10盗塁。リードオフマンとしての適性の高さを見せています。ターナーみたいな存在になってくれることに期待。

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8位指名 1B ウィル・フリッツェル(Will Frizzell) テキサスA&M大

サウスイースタンカンファレンスのファーストチームに選ばれた強打者。規格外の長打力とクラッチ力、安定した守備が持ち味。

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9位指名 RHP コール・キンタニーヤ(Cole Quintanilla) テキサス大

2018年シーズン終了後トミージョン手術。2021年はリリーフに専念し、カレッジワールドシリーズ進出に貢献。時速98マイルにも達する直球が武器。スライダーも左右両打者に有効。プロでは先発として起用される予定。

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10位指名 2B ダレン・ベイカー(Darren Baker) カリフォルニア大

皆さんご存じ、ナショナルズでも監督を務めたダスティ・ベイカー(現HOU監督)の息子です。2002年、当時三歳だったダレンは父親が監督をしていたジャイアンツのバットボーイをしていました。彼は高校時にもナショナルズからの指名(27巡目)を受けていました。今年はAll-Pac-12ファーストチームにも選ばれています。また、Pac-12 Conference Medalというリーダーシップや運動能力に優れたアスリートが選ばれる賞を受賞するなど人格的な面も高く評価されています。まだチームに加入して日は浅いですがチームに溶け込み、信頼を得ているようです。セカンドとセンターを守れ、盗塁が上手いことに着目しているらしいです。しかし今のままでは線が細く、体力作りからが課題になるでしょうか。

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11位指名 RHP マーク・デービス(Marc Davis) フロリダサウスウエスタン大

 2019年にカブスに指名されたこともある右腕。通算6勝4敗防御率3.14。K/9 16.79や10先発で被本塁打2といった数字が目立つ。情報が少なくてよくわかりませんでしたが映像を見る限り個人的にはお気に入りの投手。

12位指名 LHP アンドリュー・アルバレス(Andrew Alvarez) カル・ポリー大

両利き。そろそろ情報がほんとに見つからない...

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13位指名 RHP アングリン・マック(Anglin Mack) クレムソン大

高校まではバスケットボールやフットボールでも活躍。狩りが趣味。56イニングで9暴投はかなり厳しい気がしますがどうなるか...(今日見たパトリック・マーフィーの2連続暴投を思い出しながら)

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14位指名 LHP エリック・トーマン(Erick Tolman) アリゾナ州立大

9イニングあたり15.00の三振を記録し、これはPac-12で2位、全国で18位でした。三振は取れるが四球も多いタイプか。ナショナルズのマイナーこういうタイプ多いような...一応年ごとに改善はされている模様。打撃でも3HRで二刀流の可能性も僅かながらアリ。今年トミージョン手術。

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15位指名 OF ジェイデン・フェイン(Jaden Fein) サンディエゴ州立大

U15アメリカ代表に選ばれ、1年次は同大出身ストラスバーグと同じMountain West Co-Freshman of the Yearを受賞したようにアマチュアで好成績を残し続けてきた選手。今年はGolden Spikes Award Midseason Watch Listにも選ばれました。守備は高校時代からライトがメイン。高校2年次に母親が難病を患い、フェインの助けもあって克服できたことが彼に人格的な成長を促したようです。

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16位指名 RHP ジャック・シンクレア(Jack Sinclair) セントラルフロリダ大

HOUに指名されたコルトン・ゴードンがケガで離脱した後ローテーションの柱に成長した右腕。速球は90マイル程度。こちらも二刀流候補。

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17位指名 RHP ブレンダン・コリンズ(Brendan Collins) ノースカロライナ大学グリーンズボロ校

恵まれた体から安定したピッチングを繰り広げる。Natsファン。

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18位指名 C スティーブン・ウィリアムズ(Steven Williams) オーバーン大

U15アメリカ代表。17年にヤンキースから指名。捕手のみならず外野も守るがエラーが多い。選球眼が非常に良い。オーバーン大からはコーディ・グリーンヒルもFAで入団。

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19位指名 RHP リグス・スレッジル(Riggs Threadgill) マクレナンコミュニティ大

フレデリックスバーグ出身。(Nats1Aのところではない) 元LSU。

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20位指名 C エリー・クリグマン(Elie Kligman) シマロンメモリアル高

1965年以来の正統派ユダヤ人で安息日には野球をしないという選手。遊撃手もプレーし、時速90マイルのボールを投げる。父親が代理人を務める。


総括

上位3人が野手で、そのうち2人が高校生というのは最近のナショナルズの傾向と大きく異なったドラフトになりました。スカウティング部門のクリス・クラインは投手のプロスペクトは十分いるため野手を狙いにいったと語ります。実際近年の投手偏重ドラフトで先発リリーフともになかなかの充実度を見せていますし、前述したようにこの判断は良いものだったと思います。今のナショナルズの方針はソトがいる3年のうちに勝てるチームにするというものでほぼ間違いないでしょう。それでも上位に2人高校生を持ってきたのは今のプロスペクトで十分というフロントの考えの現れでしょうか。

ひとまず、このnoteは今年の指名選手をまとめることが最たる目的なので、深い考察は別の機会ということで。

なにぶんMLBをしっかりと見始めて半年、NPBでも5年程度の人間の書いているので常識的なことが抜け落ちていたり、過去の指名と絡めた考察ができなかったりと褒められた出来ではありませんが、備忘録程度になれば幸いであります。

こちらのサイトではより深い考察をされていますので、興味があったらどうぞ。


















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