統一選快勝の維新が「小池百合子」を飲み込む予感・・・・

 統一地方選の前半戦は、大阪のダブル選を征した上に奈良も手にした維新の勢いが目立つ結果となりました。関西の地盤を磐石にした維新は、いよいよ全国制覇への第一歩を踏み出そうとしています。

次は首都東京

 維新の次のターゲットはどこか。東京以外には考えられません。首都に攻め上って天下取りに大手をかけるというのが、維新の基本戦略でしょう。そこで彼らが喉から手が出るほど欲しいのが、小池都知事の知名度です。
 だいぶ前から「西の維新、東の都民ファースト」の連携話は噂されてきましたが、今はちょっと状況が違います。小池都知事率いる都ファは創設当時の勢いを失い、モタモタしています。都議会では第一党の座を失い、2021年秋の衆院選ではファーストの会が候補者擁立を断念、2022年夏の参院選では小池さんの妹分・荒木都議が立候補するもあえなく落選。小池知事自身も、このところあまりパッとしません。完全に維新と対等な勢力ではなくなっています。
 片や維新は、関西にめっぽう強くても関東では知名度が今ひとつで、なかなか勢力を拡大できない。関西色が強すぎるのが関東人に敬遠されているのかも知れない。そんな状況ですから、とにかく何か起爆剤がほしくて仕方がない。
 痩せても枯れても小池百合子は小池百合子、その知名度は侮れません。維新としては、都ファや小池知事と対等な関係を結んで勢力拡大という回りくどい道を進むのではなく、小池百合子の知名度だけがほしい、小池さんをそのまま飲み込んで一気に首都制圧を狙うのではないか。そう筆者は勘ぐっています。

ウルトラ・トリッキー大作戦

 では、実際にそんなことが政治の世界で起こり得るのでしょうか。普通に考えれば、まず無理です。虫が良すぎます。しかし、あの維新とあの小池百合子です。秘策は無いわけではない。
 今、アンダーグラウンドでまことしやかに囁かれているひとつのシナリオがあります。それはこうです。

◎ 小池知事が電撃引退
  →小池氏が後継指名した維新系の都知事が誕生
  →維新系都知事の元、都ファは実質的に維新の別働隊として吸収

◎ 都知事を辞めた小池氏は次期衆院選に出馬
  →国会で維新に所属?
  →最後にひと花咲かせる?
  (連立政権下で大臣ぐらいにはなれるかも・・・)

 絵空事だと笑われるでしょう。筆者も初めてこのシナリオを聞いたときには「さすがにそれはない」と思いました。でも、都知事の入れ替えといったトリッキーな選挙戦略はまさに維新の十八番、常套手段です。あとは小池知事の考え方次第。
 もちろん現時点では、小池氏が1年後の都知事選で三選を目指すというのが大方の見方です。ただし、小池氏が「もう都知事はいい」「まだ国政に未練が残っている」とすれば、総スカンを食っている自民で復活の目は閉ざされているわけで、残っているのは相性の良い維新(共に改革派を自称する保守補完勢力)、勢いのある維新ということになります。先ほど申し上げたように、維新の側にも小池さんが必要な事情があります。まさにWin・Winの関係です。
 あとはタイミングです。ベストは今年の後半、岸田首相が解散総選挙に打って出た時を逃さず、小池氏が突如都知事の座を降りて衆院選に出馬するというものです。
 「突然の都知事辞任と後継指名」には前例があります。石原知事が4期目途中で都知事を辞任し猪瀬副知事に後を託したときです。対抗勢力は準備が間に合わず、あの(!!)猪瀬氏がなんと空前絶後の430万票を獲得した都知事選です。都知事から国政への鞍替えは、どうとでも理由が付けられます。肝は電撃辞任によって対抗勢力に時間を与えず、都知事選にも衆院選にも自らに有利なビッグウェーブを起こせるという点です。
 昨年、古希を迎えた小池知事は、政治家としての最後の花道を模索しているに違いありません。それを知ってか知らずか、維新が本気で小池さんに秋波を送っているとしても何ら不思議ではないのです。

 ・・・・如何でしょうか。このところどこか老け込んだ様子の小池都知事と勢いに乗る維新は果たして手を組むのか、手を組んだとき何が起こるのか。刮目して見ていきたいと思います。

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