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大晦日だ。帰省する場所もなければ大掃除をするほどの広さもない家で、玄関だけ片付けてドア…
暖冬と思いきや粉雪が舞う夕暮れ、客が帰ったあとのテーブルを拭いていると、人の気配があっ…
夕暮れに自宅近くで人が立ち話をしていた。珍しくはない光景だが、こちらの姿に声をひそめた…
あまり活動していないが決まりなのですみませんと、近所の店が町会費の集金にやってきた。つ…
もとは客として顔を出していた店を引き継ぐことになって十余年、いまの客の多くはわたしが二…
用件のわからない突然の誘いにも、断る理由が思いつかないほど退屈していた。今週は仕事もな…
固定電話はめったに使わない。ひさしぶりにそれが鳴ったとき、初秋に病院から問い合わせのあったKを思い出していた。熱中症の疑いということだったが本人は否定した、あの日のことだ。 奇しくも電話の主はKと共通の知人で仮にアキモトという。連絡を取りあっていなかったため、固定電話しか知らなかったらしい。近くに来ているというので、わたしは上着を手に家を出た。 住宅街のためさほど喫茶店もないのだが、アキモトはなぜか徒歩圏内のコンビニの先にテーブルが用意されていることを知っており、そこ
田舎から電話があったが、用件をなかなか言わない。具合でも悪いのか、困ったことがあったの…