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お帰りキネマの神様

### 『キネマの神様 ディレクターズ・カット』(2021年)レビュー (note用)

原田マハさんの『キネマの神様』は、山田洋次監督によって映画化され、その際、監督自身の若き日の経験を重ね合わせた脚色が加えられました。『キネマの神様 ディレクターズ・カット』は、その映画シナリオをベースに、原田さんが新たに創り出したもうひとつの物語です。

映画版では、昭和の懐かしい風景や情緒が色濃く反映され、山田監督ならではの温かみが感じられます。ディレクターズ・カット版では、映画では描き切れなかった登場人物たちの心の奥底や、彼らが歩んできた道のりが、より丁寧に描かれています。これにより、原作とも映画とも異なる新しい魅力を持つ作品が生まれました。

原作ファンにとっては、映画版とディレクターズ・カット版を併せて楽しむことで、二つの「キネマの神様」を深く味わうことができます。山田監督の視点が加わったことで、物語にさらに深みが増し、昭和の香りが強く漂う作品に仕上がっています。

ディレクターズ・カット版は、映画の感動的なシーンや人物の心情が細やかに描かれており、登場人物たちの成長とともに、家族の絆や人生の機微をじっくりと味わうことができるでしょう。

『キネマの神様 ディレクターズ・カット』は、映画ファンにも文学ファンにも響く作品です。原作と映画の両方を見た上で、ぜひこの作品を読んでみてください。山田洋次監督の温かみと、原田マハさんの文学的な魅力が融合したこの物語に、きっと心を揺さぶられることでしょう。
#原田マハ #キネマの神様 #読書

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