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豆島 圭
2024年6月16日 21:08
第1話 かけはしまだ夏は遠いけど、紫外線の強くなる季節。首元に日焼け止めクリームを丹念に塗り込んでいると、「希生先生、希生先生」と庭から優しい声で呼ばれて慌てて振り返った。「ヨウちゃん、そんなところにいたの。びっくりさせないで」「希生先生、いそがんと学校に遅れるよぉー」私はふぅと息を吐き、手の甲にもクリームをたっぷり塗り込んだ。「サチ祖母ちゃんの声マネするのいい加減やめて欲しいわ。