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絶対人の拡声器

#ショートショート







 ̄杢人は思った「大きな拡声器を使わずに小さな肉声で伝えればいい。」

絶対人(ぜったいびと)なのだから




杢人のささやき程度の声は
決して届かないのは知っている






_ある日のこと絶対人は言う

壇上から高々と
声を荒げずに早口で

「思う像(かたち)と違うのだよ、私は私が望む像でしか認めない。諸君はわからないだろう、少な人(すくなびと)の素晴らしさを!」

少な人を称賛している



 ̄杢人は思う

「少な人は立派だ。だからこそ支援も厚い…そう、支援も厚いのだ。」



_絶対人は続ける「みな少な人を目指せ。多様に動き繋がれ!とどまるな!実りが痩せるぞ。」


 ̄杢人は知っている「近い人(ちかいびと)の働きを。少な人との絆を。」


_絶対人は言い切る「近い人を増やすな。近い人を寄せるな。杢人よ、お前は遠いのだよ。絶対に。」







確かに私は遠い人(とおいびと)の末裔
現世では少な人と呼ばれる一族だが
なりきれずに杢人を選んでいる
気づけば近い人が集う

少な人は道を開く者で決して群れず
近い人を導けるのは遠い人だけだ


どちらも選ばないから杢人なのか



いや、ちがう


少な人のために近い人を輝かせる


それを選んだから杢人になったのだ
古に伝わる遠い人がそうであったように
私は近い人を導こうと思う













ここまでお読みくださって
ありがとうございます☺︎

連載してしまいました汗
「絶対人シリーズ」として
不定期に散らかして参ります笑


ゆうなって

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