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青いしじまに眠る糸たち=月とあざらし=


青空文庫を中心に、海の底でキラキラ眠っている宝石のような作品をご紹介します。
「糸たち」
紙などに書かれた文字を見るのが好きです。
美しい糸で描かれた絵のようにも見える文字たち。
文字がつらなったう文章を「糸たち」と名づけました。

ご紹介その1 小川未明作「月とあざらし」



《あらすじ》


北方の海で、あざらしが泣いています。
かわいい子供がいなくなってしまったのです。
かわいそうに思った月が、あざらしをなぐさめようと声をかけます。

《作者 小川未明について》


1882年 明治15年生まれ。新潟県出身。
小説家としてデビューしましたが、童話作家に転身。
「日本のアンデルセン」「児童文学界の三種の神器」
と呼ばせしめた日本を代表する童話作家です。
日本の朗読家で、
小川氏の作品を読んだことがない人はおそらくいないと思います。
代表作「赤いろうそくと人魚」「野ばら」

《作品を見つけたきっかけ》


マンガ「少年アシベ」のゴマちゃんが大好きで、
ツイキャスで「キューキュー」と、いつも声真似していました。
それが高じてアザラシに関連する作品を探し、出会いました。

《推しポイント》


なんといっても一番の魅力は、
☆みんな、とっても、やさしい
とにかく、登場人物(?)がみんなとてもやさしいのです。
童話やむかし話は、悪役や敵役がいて主人公をいじめる、
というイメーがありますが、
悪役どころか、
「みんな、どうしてそんなにやさしいの??」
と、涙がでそうなくらい、いい人(人間だけではないのです)ばかり。
疲れて、ささくれだった心を、
やさしくなでてくれているような気持ちになります。

☆結論がない
ちょっとネタバレになりますが、
お話しのおしまいは、なにかものごとが進んだり、終わったり、
ということがありません。
主人公のあざらしも姿を見せず、なにも言わず、
なんとな〜く、おしまいになります。
でも、それがなんともいえなく良いのです。
「あ、別に結論がなくってもいいんだぁ〜〜」
と思わせてくれるのです。

☆意外なアイテム
作品の舞台は、暗く寒い海。
描写がすばらしく、読んでいると風がカラダに染み、
海の色も見えるようです。
しかし、そんな舞台の最後をいろどるアイテムは意外にも・・・

どうぞお楽しみください!!!

《オススメ動画》

YouTubeから、この作品を朗読したオススメ動画をご紹介します。
同じ作品でも、自分と解釈が違い、とても面白いです。


Mico Channel / 堰代ミコ【ななしいんく】
【朗読/読み聞かせ】月とあざらし

声優さんでしょうか?
表現力が素晴らしいです。
オルゴールのBGMがやさしくて、心がなごみます。
月がカッコよくてキュンっときちゃいますね〜〜。
動画には原作のテキストが表示されていて、文字を読みながら朗読が楽しめます。


〜おとぎ話の秘密庭園〜童話・昔話・オリジナル創作童話の朗読
【朗読】月とあざらし【Read aloud Japanese】【睡眠導入】【女性朗読】


あたたかさを感じる声とテンポで、
ほっとできる朗読です。
美しい絵をもとにした映像もオリジナルのようです。
あまり動画の更新はないみたいですが、
もっと作品が観たくなるクリエイターです。

大人計画チャンネル
<大人計画×朗読>読み手・近藤公園『月とアザラシ』小川未明(青空文庫)

人気老舗劇団「大人計画」の役者さんが朗読しています。
YouTube内で、この作品を朗読している男性は少なく、貴重な音源だと思います。
流石の表現力で、とても惹き込まれました。
特に月のセリフは素晴らしく、
「ああ、こうやって慰めてくれるといいなあ」と思わせてくれます。

《トコラ テン 朗読動画》

わたし自身で朗読したYouTube動画です。
風景動画撮影、収録音声はすべてオリジナルです。
朗読ライブのイベントで、応援投げ銭システムがあり、
自分宛に投げ銭をくださった方にお礼のプレゼントとして作成しました。
僭越ながら、有料にさせていただいています。
自然の海の音とともに、お聞きいただけると嬉しいです。


トコラ テン の ききまぐれ朗読
おやすみ朗読 月とあざらし (作:小川未明)

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