動態保存の勧め
今回は、ナカミチのカセットデッキを長持ちさせるためのヒントについてご紹介したいと思います。
使う前にクリーニング
使っていると磁性体の剥がれなどにより、ピンチローラー、キャプスタン、ヘッドが汚れます。
汚れたまま使用していると、テープ走行が不安定となり、テープがテープガイドを超えてジャミングする可能性が高くなります。
また、劣化したテープや低品質のテープは使わない方が良いでしょう。
長尺テープ
ナカミチの取扱説明書にも記載されていますが、C90以上のテープなどのテープ厚が薄いものは使わないようにと記載があります。
テープ厚が薄いと、キャプスタン+ピンチローラーで適正なテープ駆動が行えずにジャミングする可能性があるためです。
タイマー再生
ナカミチのサイレントメカにはメカ駆動用、キャプスタンベルト、アジマス調整ベルトなど各種ゴムベルト、アイドラホイールにはゴムリングと各部にゴム製品が使用されています。これらのゴムはCRゴムというタイプのゴムで塑性流動といって、静的に一定時間外力が加えられ続けると変形が戻らなくなる状態になります。そうなると適正なテンションが掛からなくなり(スリップ)、動作不良となります。アイドラーホイール側のゴムはリールモーター・スピンドル側との接触部のくぼみが戻らなくなり、コトコトと異音を発生する様になります。そのために1週間に一度は動作させてあげることが必要です。可能であれば、毎日数分でも動かしてあげられれば尚良いです。
しかし、それも面倒だけでなく忘れてしまいます。そのために外付けのプログラムタイマーを使用して、定期的に動かしてあげるというのがお勧めです。
空き端子の保護
DRAGONやZX-9などの上位モデルはRCAピンジャックが金メッキタイプが使用されていますが、それ以外のモデルはニッケルメッキタイプが使用されています。プラグを差して使用していれば問題ないのですが、未接続状態で放置すると酸化して白っぽくなり、接触が悪くなります。またその状態になってしまうとピカールなどの研磨剤を使用して磨かないと綺麗な状態になりませんので、空き端子には保護キャップを付けるなどして空気に暴露しないようにしてください。
メタルテープ
他社のデッキとは異なり、ナカミチのカセットデッキはメタルテープでなくノーマルテープでも入力レベルは低めでノイズは高くなりますが、周波数特性に関してはほぼ同等の性能が得られます。サイレントメカで使用されているヘッドはハードパーマロイ型で他社のヘッドよりも硬度は低め(磁気性能重視)ですから、ライフタイムを考えると「ここぞ」というとき以外はヘッドに優しいノーマルテープ(TYPE1)、ハイポジション(TYPE2)を使用することをお勧めします。
最後に
機械モノは全般的にそうですが、使わず放置すると状態は悪くなります。使い過ぎに注意して、愛情をもって愛機に接してあげる事。これが一番大事だと思います。それでも不調になってしまいましたら、TN-soundtechにご相談ください。
2024.3.23