カフェとして考える、スペシャルティコーヒーとはなにか、という問い

スペシャルティコーヒーは現在、供給者であるロースター主導で情報が拡散されている。それを、消費する側がまとまった見解を示している例はほぼない。消費側の代表選手は、スターバックスだが、規模が大きくなりすぎてもはやロースター側。スペシャルティコーヒーを消費者と供給者に分けて考えることは重要で、消費者側は飲む側の楽しさをもっと主張するべきだと思う。

消費者側と供給者の線引き


で、その仕分け例を表にまとめてみた。

スペシャルティコーヒーの消費者と供給者の線引き(2024年版)

コーヒーの消費量がどのくらい占めるか、で仕分けてみた。
コーヒーを販売してお金を得ている飲食業と、コーヒーを買う側でその消費量が1日当たりどのくらいなのかをざっくりと分類してみたのが上の表。

たとえば、カフェはコーヒーを出すが食事などでも稼いでいるので、コーヒーを供給する側、とは必ずしもいいがたい。実際にカフェの店主にコーヒーの話を振ってみると、ほぼ素人だし、関心すらない人もたくさんいる。

一般人はコーヒーを販売することはしていないので、コーヒーの供給者にはならない。どんなに知識オタクであっても、ほぼ100%、自分でお金を払ってコーヒーを買っている。

こういった条件・状況などから、この仕訳表と、今あなたが見聞きする”情報源”を比較してもらうと分かると思うのだが、あなたが知るスペシャルティコーヒーの情報は、ほぼすべて「供給者」からもたらされているものであることに気づくだろう。

消費者側からの情報は、ツイッターやインスタなどの個人アカウントからのものが主流。だが、このルートを持つ消費者はどのくらいいるのか、というと、そんなにいるわけではない。よほど関心がなければSNSで継続的にフォローするなんていうのは、ないだろう。

消費する側が強くならないとスペシャルティコーヒーのレベルは上がらない。


この、個人発信(消費者発信)が強くならないと、スペシャルティコーヒーの市場価値が高くならない。
しかし、豆の基本情報はすべて、供給者であるロースターか、その卸元からもたらされることが現状はほとんどであり、これを再加工して発信しても意味がない。そこで、消費者が発信するのは、「ローストされた豆の評価」を中心に、抽出方法やその結果、どう楽しんでいるかなどのライフハックに関することを増やしていくのがよい。
自分が楽しんでいる様を、みせびらかそう、とうわけだ。


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