第１８話「エウーゴ受難」１　小林昭人

　本作は２００５年に小林昭人さんがホームページにて連載していた小説で、作者の許諾を得て、飛田カオルが本サイトに再掲するものです。

前回のあらすじ

　宇宙世紀００９７年、一年戦争から十七年後の人類社会は分裂抗争の時代にあった。連邦とジオン、第三勢力のいつ果てるとも知れない終わりなき戦い。そして、木星で活躍した我らがヒーロー、ソロモン共和国の青年士官マシュマー・セロは、共和国の明日と人類の平和を守るため、今日も戦っているのだ。
　ジャブローに降下したエウーゴ部隊はカラバと共同し、ジャブロー基地を失陥寸前に追い込む。しかし、それは巨大な罠であった。ティターンズの放った核ミサイルがエウーゴ、カラバの地上部隊を壊滅させ、さらにエウーゴ艦隊も強力な連邦制式一個艦隊、ルグラン提督の第三艦隊サードの猛攻を受ける。多くの戦士が斃れ、旧タイタニア軍のレオンチェフ大佐、シャアの部下ロベルト中尉が戦死する。
　一方、この作戦には隠されたもう一つの陰謀プロットがあった。偶然戦闘地域を通りかかった連邦大統領マイノルの専用機が戦闘に巻き込まれ、乱戦の間に撃ち込まれたミサイルで撃墜されてしまったのだ。ブレックスのエウーゴ艦隊は辛うじて生き残ったものの、地球本土への核攻撃と大統領の死は、地球上の連邦市民にエウーゴへの憎悪を植え付けた。
　エウーゴは今、解体の危機にある。