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第3話「新司令官、マシュマー・セロ」1 小林昭人

 本作は2005年に小林昭人さんがホームページにて連載していた小説で、作者の許諾を得て、飛田カオルが本サイトに再掲するものです。 

前回のあらすじ

  宇宙世紀0092年、凄惨な一年戦争から十二年後の人類社会は分裂抗争の時代にあった。勃興した諸勢力が内惑星や外惑星で覇を競い、地球から遠く離れた木星もその例外ではない。我らがヒーロー、自由コロニー同盟の若き青年士官、マシュマー・セロは同盟の明日と木星圏の平和を守るため、日夜戦っているのだ。
 木星上空の遭遇戦で巡洋艦「レイキャビク」を率い、ジオン帝国の巨大戦艦グワバンを倒したマシュマー司令官は、戦いで遭難した美少女ハマーン・カーンの命を助ける。彼女はジオン公国の王女だった。二人は苦難の末、木星の自由都市国家イオに辿り着く、互いの身の上を知り、一時の休息を得た彼らは互いに強く惹かれる。マシュマーはハマーンに癒され、ハマーンは初めて自分の理解者を得た。そして二人は愛し合う。しかし、木星圏の非情な掟が彼らを引き裂き、母国に戻った彼らは各々の祖国の明日を賭け、再び対決するのだった。
 マシュマーはまだハマーンが自分を殺そうとしていることを知らない。

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11,686字

Another tale of Z 第一部 木星編  宇宙世紀0092年。一年戦争に勝利した地球連邦だったが、大戦に疲弊した大国に、ジ…

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