「カードが悪用された」は嘘!警察や百貨店を装うキャッシュカード詐欺盗とは
銀行口座があれば、誰でも持っているキャッシュカード。
実は昨今、自宅に訪問しキャッシュカードを騙し取って行く「キャッシュカード詐欺盗」が増加しています!キャッシュカード詐欺盗とは、一体どのような犯罪なのでしょうか?
キャッシュカード詐欺盗の手口
警察官や銀行協会職員になりすました偽の人物が電話で「犯罪の捜査中にあなたのキャッシュカードが悪用されているのが発覚した。不正利用を止める」などと言い、自宅に訪問し、キャッシュカードの手続きを装ってキャッシュカードを盗み取ります。
また、高島屋や三越伊勢丹など、実在する大手の有名百貨店を名乗るケースもあります。「高額な利用がされている」「不審な請求履歴がある」などと虚偽の情報を伝え、身に覚えがないと言っても、「口座情報が流出して、他人に悪用されている可能性がある」などと巧みに不安を煽ります。中には「銀行協会職員を向かわせる」などと畳み掛け、自宅に訪問しキャッシュカードを持ち去っていく「劇場型」のケースもあります。
では、具体的にどのような方法でキャッシュカードを盗み取って行くのでしょうか?
1.封筒に入れてすり替える
「口座保護の手続きをする」といって、被害者にキャッシュカードを封筒に入れさせます。封筒にキャッシュカードを入れた後に、割印や封印が必要と伝え、被害者が印鑑を取りに行く隙に偽のカードが入った封筒とすり替えます。また、「手続きに暗証番号を使う」といって、封筒に暗証番号を書いたメモを入れさせておいたり、電話で聞き出したりします。封筒をすり替えた後は「手続きが完了したら連絡するので大事に保管しておいてほしい」と、封を開けないよう念押しされることも。犯人は本物のキャッシュカードが入った封筒を騙し取り、被害者が気づかないうちに預金を引き出します。
2.カードに切り込みを入れ、無効になったと嘘をつく
「キャッシュカード詐欺盗」と似た手口で、「預貯金詐欺」と呼ばれるものもあります。犯人は「カードが犯罪に悪用されているので新しく交換する」「手続きをすると古いカードが使えなくなる」などと嘘を伝え、キャッシュカードを預けさせます。申請や手続きに必要だといって被害者に書類を書かせたり口座情報を聞き出したりして、暗証番号も手に入れます。
この時、回収したキャッシュカードが使えなくなると被害者に信じこませるため、目の前でカード本体に穴を開けたり切り込みを入れたりすることもあります。ただし、キャッシュカードは磁気やICチップ部分にさえ傷がつかなければ問題なく使えてしまいます。つまりこれは、カードが無効になったと被害者に信じ込ませるための罠!大胆にもキャッシュカードをそのまま持ち去っていき、預金を引き出されてしまいます。
キャッシュカード詐欺盗は昨今増加中
キャッシュカード詐欺盗は、2018年頃から増え始めた比較的新しい詐欺手口です。特に2019年は被害件数が急激に増加し、特殊詐欺の中でも約20%を占めた手口です。
いきなり「銀行口座が勝手に使われている」といわれたら、誰でも不安になってしまうものです。でもそんな時こそ、一度冷静になることが大切。“警察や百貨店職員がキャッシュカードを預かる”“封筒に入れさせる”といった行為は、冷静に考えてみると不自然ですよね。
キャッシュカード詐欺盗の被害を防ぐポイント
被害に遭わないための対策として、次のようなことを覚えておきましょう。
1.教えない・渡さない
警察官や百貨店職員、銀行協会職員などがキャッシュカードの提示を求めたり、回収しに来たりすることは絶対にありません。またキャッシュカード詐欺盗では、電話や訪問の際に暗証番号を求められますが、これもあり得ない行為です。電話や訪問でキャッシュカードの話が出た時点で、詐欺を疑いましょう。見知らぬ他人に、キャッシュカードの情報は教えない・渡さないが鉄則です。
2.少しでも不審な点があれば相談を
何か疑問や不安を感じたら、迷わず家族や知人に相談するようにしましょう。最寄りの交番で相談するのも1つの方法です。身近に相談できる人がいない場合は、詐欺被害防止の電話窓口も活用しましょう。
・警察相談専用電話(♯9110)
・消費者ホットライン(188)
被害に遭わないためにも、あやしいと思ったらすぐに相談してください。
3.留守番電話機能を使う
詐欺の電話にさえ出なければ、被害に遭うことはなくなります。常に留守番電話設定をしておき、家族や知人からの連絡のみ折り返しするなど、基本的に自宅の電話には出ないようにするのも一つの対策方法です。あやしい留守番メッセージは無視し、不安に思う場合は周囲に相談しましょう。
4.迷惑電話防止サービスを利用する
近年は、迷惑電話の対策ができる機器やアプリが販売されています。詐欺の被害に遭わないためには、こうした防犯サービスを利用するのも良いでしょう。
スマホでできる対策として、「トビラフォンモバイル」は不審な詐欺電話や迷惑なセールスなどを自動で検知・警告。また、電話帳未登録の店舗や企業の名称も自動で表示し、安心して電話に出られます。昨今スマホで深刻化しているフィッシングSMSの防犯対策機能もついています。迷惑電話や迷惑SMSに不安を感じている人がいれば、ぜひ教えてあげてくださいね。
また、トビラシステムズの迷惑情報データベースは、携帯キャリア各社から出ている迷惑電話対策アプリでも活用されています。携帯キャリアの各種オプションパックへの加入により、「トビラフォンモバイル」と同様に迷惑電話をブロックできる防犯アプリが無料で利用可能。もしオプションパックに入っているなら、ぜひ確認してみてくださいね。
また、固定電話でできる対策には、外付け型迷惑電話防止機器「トビラフォン」や、迷惑電話防止機能内蔵型の電話機やホームゲートウェイ、専用機器なしで迷惑電話を自動で遮断できるKDDI社の新たなネットワークサービス「迷惑電話自動ブロック」などもあります。お使いの電話環境に応じて活用してみてくださいね。
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