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信じ続けるしかないじゃないか【10/13 対ヤクルト戦●】

タイガースに入団してからずっと、近本光司は同じ登場曲を使い続けている。男性ボーカルユニットC&Kの「ドラマ」。年ごとに変える選手も多いなか、近本の打席ではずっと同じ曲が流れていた。
そんな近本が、今年になって新しい曲を採り入れた。SUPER BEAVERの「人として」。1打席目から3打席目まではこれまで通りの「ドラマ」が流れて、4打席目以降からは新しい登場曲の「人として」が流れる。

そうなんだよ
信じ続けるしかないじゃないか
愛し続けるしかないじゃないか

スマートにプレーする近本の印象とは異なる、ストレートな歌詞。
タイガースが窮地に立たされるたび、僕はこの曲に勇気をもらってきた。

「~するしかないじゃないか」という言葉には、「ほかにそうするほかないよね」というような、ある種の悟りに近い意味合いも含まれている気がする。どんな困難が訪れようと、どれだけ苦しい状況になっても、目の前の試合を応援するしかないよね。一見ネガティブな感情にも読めるけど、僕はそうは思わない。

使い方には気をつけないといけないけれど、言葉には強い力が乗るときがある。その言葉の力を借りたい時、多少でも強引な表現を使って自分を奮い立たせる。

信じ続けるしかないじゃないか。
愛し続けるしかないじゃないか。

そうすることしかできないからこそ、覚悟を決めてやり通す。
なんだか、今のチームが貫いてきたことを体現するような歌詞に見えてきた。

初回。試合の主導権を握ったのはタイガースだった。矢野燿大監督がキーマンに挙げている中野拓夢の三塁打。1死3塁となったところで近本のタイムリーヒット。チームの中心として戦い続けている2人で、幸先よく点が入った。


でも、やっとの思いで奪った先制点は相手の4番の一撃であっという間に消え去った。
スワローズ相手に連敗。2試合で窮地に立たされた。

けれど、僕らができることなんて、毎日を同じように過ごして、仕事もそこそこにこなして、夜の18時にテレビを付けるくらいしかない。
試合が始まってしまえばグラウンドの外から、テレビから、スマホから戦況を見つめることしかできない。

だったら、信じ続けるじゃないか。

外から冷ややかな視線を送るんじゃなくて、必死に戦う選手たちとチームを信じていたい。
それしか、それしかできないのだから。

冷たい雨がなお降り続ける7回の攻撃。レフト前ヒットでチャンスを作ったのは先頭バッターの近本だった。
雨がやんだ最終回の攻撃。先頭で四球を選んで反撃ムードを作ったのも、やっぱり近本だった。
道を切り開いてくれるのは、いつでもこの男だ。

愛し続けるしかないじゃないか
馬鹿だねって言われたって
カッコ悪い人にはなりたくないじゃないか
人として 人として かっこよく生きていたいじゃないか

2つ負けた?
それがなんだっていうんだ。

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