北の大地の王子さま【2/11対白組〇】

本音を隠さず言うと、まだ江越大賀のことが気になっている。ファイターズに馴染めているだろうか、周囲から期待されているのだろうか、試合に出られるチャンスは掴めているだろうか。

この気持ち、きっとファイターズファンも同じなのだろう。だからこそあえて言葉にしたい。渡邉諒、タイガースでがんばっています。今日の試合noteはそんな話。

別れがあれば出会いもある。江越・齋藤友貴哉とのトレードを経て、渡邉はタイガースにやってきた。相手投手のストレートを幾度なく打ち砕いてきたことから、付いた愛称は「直球破壊王子」。王子たる所以がどこにあるのかはこれから探っていくとして、なんと心強い愛称だろう。ライバルチームの力強いストレートに屈してきたタイガース打線も、渡邉がいれば対抗できるようになるかもしれない。渡邉はここ数年の打撃成績が芳しくないけれど、そんなことも期待してしまう。

１軍選手と２軍選手の両方が参加した紅白戦。渡邉は「３番・二塁」で出場した。中軸での起用にチーム内での期待も高いのだろうと想像できる。パ・リーグの選手として何度も見てきたけれど、写真を撮る対象として渡邉を眺めたのは初めてだ。打撃フォームの動きはそこまで大きくなく、むしろシンプルに見える。
白組の先発・桐敷拓馬の投じた初球をいきなり弾き返した。スイングはコンパクトに見えたけど、打球はあっという間に三遊間を破って外野まで転がっていった。良い意味でスイングの激しさと打球の強さが合っていないように感じた。

渡邉は第2打席でもらしさを発揮した。今度はライト方向へ打球が飛ぶ。外野スタンドで観戦するお客さんがざわつき始める。ボールはフェンス前で落ちてきたが、白組の外野手が目測を誤ったかこれを落球。ボールがグラウンドを転々としている間、渡邉はセカンドベースを蹴る。サードベースも蹴った。そのまま一気にホームベースまで到達してしまった。(記録はライトの失策)。本塁まで帰ってこれたのは守備のミスとはいえ、インパクトを残すには十分な当たりだった。

ファイターズ時代の渡邉は主にセカンドを守っていた。今年のタイガースはショートからコンバートされた中野拓夢の起用が有力視されている。だが中野はWBCに選ばれているため、しばらくチームを離れることが決まっている。渡邉がアピールできる機会はしばらく与えられるはずだ。彼自身も他のポジションを練習しているらしいから、シーズンが開幕したときの選択肢も広がってくるだろう。

つらつらと書き綴ってきたが、要するに渡邉のような選手がタイガースに加わってくれたことが嬉しくてたまらないのだ。彼自身もここ数年は良い成績が残っておらず、きっとやってやるという熱意に満ちているはず。その熱意をタイガースで滾らせてくれることに、ワクワクしている。

あー楽しみだ！！