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【2022年】阪神タイガースまとめ

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2022年に行われたタイガースの試合について書いたnoteをまとめます。選手ひとりを取り上げることが多いです。あなたのお気に入りの選手はいるでしょうか。
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2022年3月の記事一覧

「”恐怖”とも戦いながらやりたい」投球もコメントも頼もしくなった小川一平【3/26 対ヤクルト戦●】

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、長らくスタジアムが満員にならなかった。空席ばかり目立つスタジアムは素直に物寂しいなと思ったし、中継を見ていても観客のリアクションが少なくて、今までとは変わってしまったなと感じるようになってしまった。 これだけ観客制限が続いていると、そもそも満員の球場でプレーしたことがない選手も一定数存在している。プロ入り3年目の小川一平もそのひとりだ。2019年のドラフトで東海大学九州キャンパスから6位指名。西純矢や及川雅貴を指名したタイガースがこの年最後

最終回とM.ロハスJrと小幡竜平と【3/25 対ヤクルト戦●】

いつの日かの東京ドーム。この日は終始タイガースが優勢で、勝利をほぼ手中に収めていた。それでもオレンジのグッズを身に着けたお客さんはまだ座席でグラウンドに目を向けている。8回の攻撃。打者は阿部慎之助。試合の雰囲気を変える力のある打者だ。 だが阿部は力のない内野フライに倒れ、ベンチに戻っていく。阿部を封じたタイガース。勝利が近づくのを確信した。すると、さっきまでとは打って変わり、客席に人の流れが生まれた。やれやれ、と帰り支度をしてジャイアンツファンが席を立ったのだ。 もし自分が

偏愛選手名鑑2022を書きました。

プロ野球のコラムを定期的にアップしている「文春野球」。その文春野球が主催しているコミュニティの「文春野球学校」に、かれこれ3年くらい所属しています。野球が大好き……いや、野球狂と言っていい猛者たちの集まりです。 この野球学校が年に1度の大イベントとして行なっているのが「偏愛選手名鑑」です。 野球にあまり詳しくない人向けに説明しますと、選手名鑑とはプロ野球が開幕する前に各出版社から発売される図鑑のようなものです。12球団に所属している選手のポ

こんなもんじゃないから。【3/20 対オリックス戦●】

今日みたいな試合は「何してんだよ!」って怒れるほうが楽なのだろうか。それとも「やれやれ、また何かやってんなー」ってお気楽に笑ってあげるほうが楽なのだろうか。僕には、分からない。碇シンジ君なら「笑えばいいと思うよ」って答えるのだろうか。 最終回の守り、小野泰己は今日8人目の投手としてマウンドに上がった。状況は2アウト3塁。一打同点ながら2アウト。打者ひとりを抑えて、ここまで順調に来ていたオープン戦を締める。シナリオはすでに出来上がっている、と思った。 小野のボールに、主審の

パテレさんおじゃまします【3/16 対ソフトバンク戦○】

パシフィックリーグ所属チームの本拠地で行われるオープン戦と公式戦を全試合中継してくれる動画配信サービス、パ・リーグTV。 普段は時間を持て余したときに動画をながら見する程度だが、オープン戦と交流戦の時はまた話は違う。 パ・リーグTVの良いところはセ・リーグの選手が活躍したときもちゃんと取り上げてくれるところだ。でも主役はあくまでパ・リーグの選手。なので動画の趣旨は「パ・リーグの選手がセ・リーグの選手にやられた……!!」みたいなスタンスのものが多い。どちらか一方のプレーヤー

レギュラーの居ぬ間に【3/13 対巨人戦△】

プロ野球のオープン戦も終わりが近づいている。コロナウイルスに感染した選手が続出して一時中断していた2軍の活動も再開し、開幕に向けたレギュラー争い、1軍争いも佳境を迎えようとしている。 2軍の試合に中野拓夢が出場し始めたというニュースを見た。昨シーズンは新人ながらショートのレギュラー争いに勝ち残り、おまけに盗塁王のタイトルを獲ってみせた将来有望の内野手だ。今年は足のケガの影響でキャンプは2軍スタート、そのうえ別メニューで調整を行った。だが足の状態が良くなった後は急ピッチで調整

後ろには大山悠輔がいる【3/12 対中日戦○】

「4番打者争い」。 今年のタイガースの注目ポイントの1つと言ってもいいだろう。 何もかもが規格外のスーパースラッガー・佐藤輝明と、これまでずっと4番を務めてきた大山悠輔。春季キャンプ中に行われた練習試合の段階から、佐藤輝と大山は交互に4番で起用された。それはまるで、2人の競争を促しているようだった。そしてオープン戦が始まり、早々に結果を残したのは佐藤輝の方だった。 ここまでオープン戦9試合に出場して打率は3割をキープ。昨年の豪快なスイングはそのままに、今年は確実性も兼ね備

悔しがれるようになったし、喜べるようにもなった【3/9 対広島戦△】

―マボロシの投手。 阪神タイガース・湯浅京己(ゆあさ あつき)のことがこんな風に呼ばれている時期があった。なにせ入団してから2年間で、公式戦の登板がわずか5試合しかなかったのだ。 福島の聖光学院高を卒業後、独立リーグの富山GRNサンダーバーズに入団。1年間先発投手として起用され、その年にタイガースからドラフト指名された。プロ1年目の湯浅は1軍での出場はなかった。2軍戦での記録は以下の通り。 3月27日(オリックス戦)3回2失点 セーブを記録 4月23日(ソフトバンク戦

代走から出て2安打【3/8 対広島戦○】

桐敷拓馬の落ち着きっぷりに、あの左腕投手の面影を見た【3/6 対楽天戦○】

タイガースファンの情報源としてお馴染みの月間タイガース。これを読めばたいていのことは分かる。 2月号は新人特集だ。ドラフト1位の森木大智、ドラフト2位の鈴木勇斗、そしてドラフト3位の桐敷拓馬が並んで表紙を飾っていた。J.ガンケルの代わりに先発することが報じられてから、改めて桐敷のインタビュー記事を読み直していた。 「焦らないように、って言葉にして自分を落ち着けています。言葉にしたほうが冷静になれるので」 落ち着いた人柄がよくわかる記事だ。大学時代に完全試合を達成できたの

甲子園初戦に投げる青柳晃洋を見て感慨深くなる【3/4 対楽天戦●】

春季キャンプが始まって約1ヶ月、タイガースが甲子園球場に帰ってきた。オープン戦は沖縄でもうすでに数試合消化しているけど、甲子園のオープン戦はやっぱり違う。僕がキャンプに行ったことがないからそう感じるのかもしれないけれど、12球団の本拠地に戻ってきて初めて、「ああオープン戦始まったなあ」って気分になるのだ。 甲子園初戦のオープン戦の先発は、青柳晃洋。昨シーズンはチーム最多の13勝をあげた。シーズン中の活躍が評価されて、東京オリンピックの代表にも呼ばれた。稲葉篤紀監督が五輪期間