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日記(オカルト)

 こうして日々
人から離れて一人で暮らしていると
自らの存在が希薄になって
空気のなかに溶けてしまいそうに思えてくる
きっと僕は 世界から隠されてある
 
隠されたもの
それをオカルトと呼ぶ
幽霊や妖怪や異星人や超古代文明
魔術や予言や超能力の類のことだ
それらは世の常識から隠されてある
だからオカルトなのだ
 
僕もきっと 存在が科学では証明されていない
僕は繰り返す実験では証されえない
だから僕も 幽霊や妖怪や異星人
異次元人や未来人の類と同じだ
なにせ僕は 人々から離れて
その視線から隠されたところにしか存在しないからだ
 
人は隠されたものを恐れる
夜の闇が恐れられるのは そのなかに
明るみに出ていないものが隠されてあるからだ
隠されたものは それが
隠されてあるというだけで恐ろしい
 
またはそれは 畏れでもありうるか
未知のものは 知らないゆえに 敬して遠ざけられる
そしてろくに理解しようともされず
未知のままで日々が数えられ
変らずに怖がられて ますます隠されるだけだ
 
どう 僕って怖い?

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