見出し画像

ボカロP/作曲家になりたい!でもどうやって?②

音楽の知識しかなかった著者が、はじめにどんな機材を買って、どのサイトを参考にして、どんな工程を経てボカロP/DTMerになったのか。複数の記事にわけて詳しく解説していきます。

ボカロPになりたい、DTMerとして作曲活動をネットで展開したい、あわよくば収益を得たい、でも何から始めたらいいかわからない…そんな方へ向けた内容です。

前回の記事では、購入機材、プラグイン、参考メディアについてまとめました。

https://note.com/toaruongakuka/n/nf2435430e408

今回の記事では、「機材をそろえた後に何をすればよいか」について詳しく解説していきます。


機材をそろえた後は「とにかく作ってみる!」


機材がそろったら、まずはさっそくプロジェクトを立ち上げて、曲を作ることを始めました。旋律を作ってみたり、ループ音源を張り付けてみたりして、試作品をいくつか作りました。

また、頭の中でイメージしている音響を再現するために、好きなJ-popの曲を耳コピして短いデータを作ってみたりもしました。しかしどうしても、薄っぺらい音響にしかなりません。

著者は、自分の音楽の好みや、作っていきたい方向性、作曲に関しては問題を抱えていませんでした。そのときわからなかったことは、頭の中にある音楽をどうすれば「プロっぽい」音響に仕上げることができるのか、ということ。


そこで情報収集を始めました。


プロのデータを分析してみる!

Sleep freaksさんという大手のDAWに関するサイト内で、Cubaseで使えるデータが無料配布されていたので、とりあえずこういった「質の良いデータ」の「分析」から始めました。



このデータをダウンロードして内容を見てみると、まず気付いたことは、ピアノ、ボーカル、ドラム、ギターの他に「アクセントになる素材」を入れることが大事だということでした。

この「アクセントになる素材」というのは、対旋律であったり、ノイズであったり、またはアップリフター、ダウンリフター、楽器で言うウィンドチャイムといったものも使えます。曲の部分の切り替えや展開の前に、こういった要素を使うことで、より音楽にメリハリがつくんです。


動画の曲の冒頭を聴いてみてください。女性ボーカルの旋律を支えているのはピアノの伴奏ですが、この他にすでに、音色の異なる二種類の「対旋律」が入っていることがわかりますよね。

さらに、ドラムが入ってくるのはボーカルがワンフレーズ歌い終わった後です。曲の冒頭からべったりとドラムを入れるのではなく、こうして「抜く」部分を作ることで曲に「展開」を作ることができます。

旋律や伴奏ももちろん大事ですが、こうした「演出」を行うことで、曲がよりプロの響きに近づいていくのです。


また、この演出の仕方はアーティストによっても異なります。


まずは、自分が好きなアーティストの曲を、鑑賞用でなく分析する気持ちで聞いてみること。そして、曲にどんな工夫が施されているのかを探してみてください。

そのうえで大事なのは、とにかく自分でも曲をいくつも作ってみること。作った後に自分の耳で聞き直してみて、好みの素材や好みの展開、好みの音色などを見つけることが、今後の作曲の基盤になっていきます!

著者も、ある一つのモチーフをきっかけにして曲作りのイメージが湧く....すなわち、1曲の核となる要素が、たった一つのモチーフから始まることもあります。


もう一つこの音源を分析してわかったこと、それはリバーブの入れ方、パンの振り方など「ミキシング」に関することでした。



ミキシングの独学に限界を感じた話


初期は、この動画を参考にミキシングを試していました。


この動画で解説されている手順を書き出して、その通りにやってみました。この動画は説明がわかりやすく、無駄がなくまとまっていて助かりました。

しかし、次第にこのように感じるようになりました。


「操作してみたはいいけど、聞いてみても前後の違いが判らない」

「他の記事と指定されている数値が違うから、きっと最終的には好みの問題なのかもしれない」

「ヘッドホンで聞いた音楽とiPhoneで流した音があまりにも違う」

「自分の曲に合った方法が見つからない」

Youtubeでいくつもミキシング動画を参考にしたものの、結局はプロに習いたいと思い、オンラインのミキシングスクールに入学することにしました。


画像1


ミキシングスクールに入って感じたメリット


料金も先生もスクールによって異なるので、まずは、気になったスクールの体験レッスンを受けてみることをお勧めします。ここでは、著者が感じたメリットを書いてみます。


・作品に対する客観的な意見がもらえる

・なんとなくな独学による知識でなく、プロの確かな情報が聞ける

・自分の作品に合ったアドバイスがもらえる

・ミキシングもマスタリングも、人の好みや音楽によって、とくに数値には変動がある。
「この数値まで合わせてください」という解説の通りに全ての音楽に対して同じ作業するのではなくて、だいたいの基準を知りつつ、自分の耳で作業する方法がわかる。

・プロに質問ができる

・新しい意見をもらって自分の中にミキシングの「基準」ができることで、音楽の聴き方が変わる


もちろん、スクールへの入学がすべてではありません。

より良い作品を作るために、選択肢の一つとしてご紹介しました。


おわりに


この記事では、「機材をそろえた後に何をすればよいか」について書いてきました。


Youtubeやネット記事には、簡単に独学できてしまうほど大量にDAWに関する情報が載っています。しかし逆に言えば、それだけ情報に幅があって、どの情報を基準にするかは自分の裁量によるということになります。


作曲が初めてで何から始めれば良いかわからない、そんな方は、自分の好みを明確に持ったうえで、「他人の作品の分析」をしてみてください。

これは、クラシック音楽で和声(コード理論のようなもの)を学ぶとき、有名な歴史上の大作曲家の和声をまねしてみる、いわゆる「様式和声」と通ずるものがあります。(他の人の曲をそのまま真似して使ったり、盗用を促す意図はありません。)


この記事が少しでも、みなさんの作曲やアレンジの参考になれば幸いです。


さて次回は、曲ができた後に実際に投稿していく段階や、SNSの活用法についてお話ししていきます。

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?