音楽理論を知らなくてもボカロPになれる?
ネット上で作曲家として活動していると、よく見るフレーズがある。
「ボカロPになるのに音楽理論は要りません!」
特にTwitter上では、これに賛成する人のほうが多い印象だし、音楽理論は一見難しそうだし、勉強に時間がかかりそうだし、音大に行くお金はない、なんて考える人も多いだろうと思う。
この記事では、あえてそんな人たちにむけて、音楽理論を勉強するとこんないいことがあるよ、というお話を書いてみたい。
そもそも音楽理論って?
クラシック音楽でいう音楽理論では、およそ次のような内容を学ぶ。
・和声(コード理論みたいなものかな)
・様式和声
・対位法
・管弦楽法
・楽曲分析
・フーガ、ソナタ形式、変奏曲等の様式・形式を学び、それにのっとって作曲する
上記の内容は音楽大学やその附属高校で勉強するような内容で、これだけ専門用語を並べられてもピンとこない人のほうが多いだろう。
要するに音楽理論とは、「音楽史を作ってきたような大作曲家の音楽を知り、理解し、その通りに作曲できるようになる」というところが目標なのだ。演奏家のひとたちにとっても、「作曲家がなんのために、何を考えて曲を作ったか」を理解することで、より考え抜かれた質の高い演奏につながるのだ。
ボカロ曲ができるまで
さて、ボカロPになるのって、結構大変。
まず歌詞を用意して、次に旋律や伴奏、アレンジを考える。
作曲の工程が終わったら、ボーカロイドに歌詞を流し込む作業をしたあとに、調声を行って歌詞を聴きやすく、人間の声に近づける。
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