ヤスダヨーグルトがヤバい

とある

　君はヤスダヨーグルトを知っているか？

　それは忘れもしない数日前、緊急事態宣言も明け家族全員がワクチン摂取済みということもあって新潟に旅行に行った時のこと。朝食のバイキングの飲み物コーナーでオレンジジュースを汲もうとしていた私は、隣に来たおじさんが冷蔵庫からなにやら大きなボトルを取り出しその中身をコップに注ぎだしたのを見た。

　（なんだあれは、白いし牛乳だろうか？）と思って怪訝に見ていると、ボトルからめっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃくちゃドローーーリとした液体がコップに注がれていくではないか。私はその光景に目が釘付けになり、たまらず注ぎ終わってボトルを冷蔵庫に戻そうとするおじさんに「それ頂いても良いですか」と声をかけた。返事もなく無愛想に無言で手渡されたがこの際そんなことはどうでも良い。私の目にはその魅惑の白濁液しか映っていなかった。

　そう、その魅惑の白濁液こそヤスダヨーグルトのドリンクヨーグルトである。ヤスダヨーグルトは新潟県阿賀野市保田に本社を置く企業だそうだ。地元阿賀野の生乳を加工し販売しているらしい。wikipedia曰く新潟空港の客室乗務員から関西に口コミで広まったと書かれているのだが、滋賀県民でありながらこの瞬間までヤスダヨーグルトの存在を知らなかった。己を恥じたい。

　さて、かのガリレオ・ガリレイの有名な逸話としてピサの斜塔実験というものがある。ガリレオがピサの斜塔から重さの違う2つの鉄球を同時に落としたとき、2つの球は同時ないしはほぼ同時に地面に着地したというものだ。つまり物体は同じ速度で落下するので物体が重ければ速く落下するわけではないということである。

　では普通の水道水とこのヤスダヨーグルトをピサの斜塔から垂らした場合は同じ速度で落下するだろうか。いや、しないだろう。馬鹿なこといいなさんなと思ったそこの貴方、このヤスダヨーグルトの恐るべき粘性を見て同じ事が言えますか？そんな考えだとね、アンタ死ぬわよ？(HSKKZK)
　ボトルから注がれたヤスダヨーグルトがコップをゆっくりと満たすまでの時間は永遠に思えた。ガリレオもこれを見れば己の考えを改めるであろう。

　さて期待に胸をときめかせながら早足でテーブルに戻り着席するなりヤスダヨーグルトを口に含み嚥下した。

う、うまい......っ！！！！！！

うますぎる......っ！！！！！！

　とんでもなくドロドロなのだが、じゃあそれだったら普通にヨーグルト食えば良いじゃんという訳でもない。飲用と食用のギリギリのラインをキープしている奇跡の飲むヨーグルトだ。喉に絡みつくようなねっとりとした飲み口だが後味はスッキリとしていて嫌味がない。私のすすめで家人も飲んだが「これは美味しい」と絶賛であった。

　家でもこれが飲みたい......でも滋賀には流石にないだろうな......と思ってググってみるとなんと通販サイトがあるではないか！！！これはうれしい、帰宅したら取り寄せると決めた。

　そうして旅も終わり帰宅した翌日、近所のスーパーに買い物に行っていた母がウキウキで「冷蔵庫見てみ！いいものがあったよ！」と話しかけてきた。なんだろうと見てみると、なんと！！！

ヤスダヨーグルトがあるではないか！！！

　でかした！！！さがしものはこんな近くにあったんだ！！！これから毎日ヤスダヨーグルト生活である。

　　数日ぶりの再会。さっそく愛用のグラスに入れて飲み干す。

「くぅぅぅ～～～！！！これこれこれ～～～！！！」

　是非これを見た読者の諸君はヤスダヨーグルトを近くのスーパーを探して購入してみて欲しい。もしスーパー側の怠慢で置いてなかったとしても通販サイトで取り寄せができる。うれしい、ものですね......

　さあ君もヤスダヨーグルトで新感覚の飲むヨーグルト生活を体感しよう！！！

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