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「すずめの戸締まり」を反芻するように楽しむ

2022年11月11日。
新海誠監督の映画「すずめの戸締まり」が公開された。

「すずめの戸締まり」は映画公開に先駆けて小説版「すずめの戸締まり」が発売されている。
前作「天気の子」も映画公開前に小説版が発売された。

新海誠監督の映画を鑑賞する前に小説版を読むのが、僕の通過儀礼。
「天気の子」同様、今回も映画鑑賞前に小説版を読んだ。

映画公開前に小説版を読む人は、はたしてどれくらいいるのだろうか。

僕が新海誠監督の作品を小説版から楽しむ理由は...

①情報量が少ない(文字しかない)から、想像力を掻き立てられる
②映画公開よりも先に結末を知ることができる
③まとまった時間がなくても、自分のペースで作品に触れられる
④「この先どうなるの!?」という期待、わくわく感を自分のペースで楽しめる
⑤登場人物、情景、音や声など自分が想像したものを映画で答え合わせすることができる

パッと思いついただけでも、これだけの理由が挙げられる。

小説版を読まずに映画を先に鑑賞してしまうと、きっとこれらの楽しみが減ってしまう。
小説版を読まずに映画を見るのはどう考えても「もったいない」と感じてしまうのだ。

❇︎

映画は視覚からも、聴覚からも情報が入ってくる。
展開も流れるように切り替わる。

(映画はまだ観てないけれど)きっと美しい描写の数々が心に響くような音楽と相まって多くの観客の心を揺さぶるだろう。

でも、300ページを超える小説を2時間ちょっとの映画に押し込めているのだ。
きっと事前情報なしには、一つ一つの表現や登場人物の感情を汲み取り続けることは困難だし、汲み取る前に次の展開に移ってしまう、そんな気になってしまう。

せっかく観るなら、最初から多くを取りこぼすことなく観たい、楽しみたい。
小説版から作品に入ることで、これができるかもしれない。

❇︎

小説版から入り映画を鑑賞する。
その後で、もう一度小説版を読んでみるのも面白いかもしれない。

最初に読んだ時には気づけなかった、思い描けなかった表現を映画で補填しながら読み進めることができるからだ。

特に僕の場合、小説はクライマックスになるほど「次の展開はどうなる!」「どんな結末を迎えるの!」と気持ちが前のめりになりすぎてしまう。
細やかに情景描写することを怠り、文字を読み進めてしまう。

結末を知っているからこそ、そんな気持ちからも解放されてゆったりと読み進めることができるはずだ。

❇︎

僕が120%新海誠監督の作品を楽しむ方法。
反芻するように、噛んで、飲み込んで、吐き出して、また味わう。

まだ映画を鑑賞していない、という方はこれを機に小説版をから作品に触れてみることをお勧めする。

映画あるなら小説版を読む必要ない、と思われる方もいるかも知れない。
でも、僕はむしろ映画があるからこそ小説を読んで欲しいのだ。
楽しみ方の幅が増えるのだから。

ああ、早く映画「すずめの戸締まり」を観に行きたい。
この待ち時間すら愛おしい。



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