「骨太の方針」に介護改革案 政府 ヘルパーの生活援助の縮小を検討 ケアプラン有料化も・・・という記事の紹介です。

今日は、登別市商工会議所でDXのセミナーがあるので簡単に。
地域でDX進めていきましょう!というセミナーで、昨年からこれで4回目くらいの開催ですが、いろいろ再確認できたりこんな使い方や工夫ができるのか・・・とか、地域の他業種の方との接点も作れるので有意義なんですけど、この月末最終週は仕事が立て込んで忙しいからなぁ・・・と悩んでいると商工会議所から確認の連絡がきたので出席する形になりましたが、よくよくかんがえると忙しいからと言ってこういう集まりに参加しないのはかなり危険だよなぁ・・・と再確認。

忙しくなると本当に客観的に見れなくなるので、このあたりの頭の使い方や精神の持っていきかたとか結構訓練が必要だよなぁ・・・なんて思いつつ。

それにしても暑い・・・。

今日は、換気扇の掃除で500円、庭木の剪定で1500円、保険外の買い物代行で2000円・・・おお、保険外で4000円稼ぎました。
その上で4件の介護保険の訪問に入っているので、1件あたり当事業所は3200円くらいの収益なので12800円ですね。
・・・となると、1日で16800円の収益を上げた計算になります。
このボリュームだと月に36万円くらいの収益ですねぇ。

総合事業が全体の7割の事業所の実情はこんな感じですね。
※ 総合事業=全て生活援助と考えてもらって差し支えないと思います。

僕は社長兼管理者なので件数は少ない方ですが、これで黒字にするには1日8件程度はこなせないと経営的には厳しい状況です。

その上でヘルパーの今後に関わる興味深いこちらの記事を見ていきたいと思います。

政府が21日に閣議決定した今年度の「骨太の方針」− 。各分野の施策の基本的な方向性が描かれたが、その中に今後の介護保険制度の見直しに向けた考え方も盛り込まれている。【Joint編集部】

政府は今回、要介護1、2など相対的に状態の軽い高齢者への訪問介護と通所介護、とりわけホームヘルパーの生活援助を市町村の総合事業へ移管することを、これから検討していく考えを改めて打ち出した。

JOINT

こちらの内容については、骨太の方針の検討の会議の中でも出ていた内容なので、いよいよ具体化していく感じですね。

現状では、事業対象者・要支援1・要支援2までの区分の方については、総合事業の対象ですが、今後は、ここに要介護1・要介護2の方も含めていきましょう、という内容です。
これは最近出てきた話ではなくて、何年も前から財務省あたりが早くやれと言い続けてきている内容で、そういう意味では厚労省がここまで頑張って現状を維持してきたとも評価できると思います。

訪問介護のサービスの中で、要介護1と要介護2の方が生活援助を利用している場合、そのサービスは今後は総合事業になりますよ、という事ですね。

生活援助というのは、完全にヘルパーが代行して行う掃除や買い物などの事だと思ってもらえればよいかと思います。

ご本人と一緒に行う掃除や買い物などは、身体介護に分類されます。

まぁ、これから検討なので決まった話ではないのですが、いよいよ具体化していきそうな流れですね。

介護保険サービスから総合事業のサービスの移行したとして、あまり料金や内容に変化はないのですが、基本的に介護保険のサービスを使う場合はケアマネ事業所のケアマネジャーがケアプランを作成するのですが、総合事業のケアプランについては地域包括支援センターのケアマネジャーがケアプランを作成するので、このあたりどうするんだろう。

たとえば、要介護2の方で介護保険のショートステイやデイサービスを利用していて、週1回身体介護のヘルパー、週1回生活援助のヘルパーを利用している場合、この週1回の生活援助のヘルパーのみ総合事業に移行になるわけですけど、こんなんどうするんだろ・・・。

こんなのプラン作成が面倒になるだけなので、週1回の生活援助を身体介護になる内容に切り替えるとか・・・。
介護保険と総合事業が混在とかちょっとあり得ないので、生活援助だけ総合事業というのはちょっと現実味ないなぁ・・・。

そもそもですけど、身体介護に比べて単価が低い傾向がある総合事業ですので受けてくれる事業所が少ないのはどの地域でも同じと思っていて、実際、地域の中でいろいろ情報が入ってくると総合事業を受けてくれる事業所が少ないので受けてくれる事業所に総合事業の紹介が集中してしまっている現状があるという事で、僕自身いろいろ訪問介護の事業所の運営に関わってきましたが、これまでの訪問介護事業所で総合事業の利用者さんの割合は、多くて4割程度でした。

民間企業ですから、生き残りのために顧客単価は出来るだけ高くしておきたいのは当然ですから単価の高い顧客を確保するというのは経営方針としては正しいです。ただ、一方で公的なサービスを提供している事業者としてどうなのか、と考えた時に顧客を選別するのが公的なサービスとして正しいのか?という疑問は常につきまとうわけで、何もコントロールしなければ当事業所のような単価3200円程度まで下がってしまうわけです。

で、訪問介護の経営で顧客単価がどの程度が経営的に良いか、という事でいうと、ある地域で僕が管理していた訪問介護事業所では、顧客単価が5000円くらいで、こちらの事業所は黒字安定化するのは非常に楽でした。

たとえば1件あたり3200円で月の総派遣回数が500回の場合、月の収益は、160万円になります。
一方、1件あたり5000円で月の総派遣回数が同じ500回の場合、月の収益は、250万円になります。その差は90万円です。
2〜3人くらい雇えます。事業拡大できますね。
顧客単価にこだわるという事は、同じ仕事をしていても収益を高める事が出来るので、ある意味生産性向上につながっているとも言えるわけで、この現実を見た時に、たとえば要介護1と要介護2の方の生活援助を総合事業に移行するとなった場合に、そのサービスの受け手が存在するのかどうか、総合事業になった事でサービスが受けられなくなってしまうというリスクも大いに考えられると思うのです。

そしてそれは、長い目で見た時に介護予防効果を著しく損ない、結果として要介護状態の悪化を招いて介護保険や医療保険料を圧迫し、社会保障費用の増大に向かってしまうのではないか、と心配になってしまうわけです。

高齢者の自己負担の引き上げにも重ねて言及。2割負担の対象者の拡大、居宅介護支援の自己負担の導入などを検討していく意向を示した。

JOINT

こちらも財務省がずっと言い続けてきた内容ですね。
2割負担の対象範囲拡大とケアプランの有料化。

これ本当にお金持ってないと使えないサービスになっちゃいそうですね、介護保険制度。・・・大丈夫かなぁ。

お金に困っている方や貧困と呼ばれる方へのサービス提供の経験が長かったので、本当に心配です。

100円とかの値上げでサービス控えなど発生する世界ですので、ケアプランが有料になった分だけ、何かのサービスが削られるケースが出てきそうです。

こうした論点を俎上に載せ、2027年度に控える次の制度改正の前までに結論を得ると明記。介護費の膨張を抑制して制度の持続可能性を高める狙いで、現役世代の保険料の上昇をできるだけ抑えることも重視している。

JOINT

2027年の改正までにどうするか決める、という事です。
決めるという事は、やる、という事なんじゃないのかなぁ。
これまでさんざん議題に上がってきて引き伸ばしてきた内容ですので、2027年までに諦める、という結論は想定されてないのじゃないかなぁ。

介護保険制度の持続可能性について考えるのであれば、そもそもの仕組みから見直すしかないと思いますけどね。
現役世代の負担を減らすのであれば増税せずに給付に回せるような税金の使い方を工夫するしかないと思うし、そもそもここ2~3年は、過去最高の税収というニュースを何度も見聞きしているので、個人的には税金の使い方の工夫でなんとかなるんじゃないかなぁと思ったり。

具体的な議論は、厚生労働省の審議会などで来年度から本格化する見通し。現場の関係者から強い反発の声が上がるのは必至で、実際に制度改正の中身が決まるまでには紆余曲折がありそうだ。

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議論は来年から、という事のようで2025年・2026年の2年間でかなり話が進んでいきそうです。

反発されるの分かっててやるって言ってるわけですから、諦める気ゼロですよね。

政府はこのほか「骨太の方針」で、高齢者向け住宅の入居者へ過剰に介護サービスを提供する事業者がいることを問題として提起。「実効性ある対策を講ずる」と記した。また、介護DXやテクノロジーの活用を強力に推進していく姿勢も改めて明示した。

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併設型事業所の過剰なサービスについては、本当にかなり前から指摘されてきている内容なので対応が遅いと思いますが、そもそもそういう事業所は一部の事業者なので、こういう事業者が多いような印象は持たれたくないなぁ・・・。

多くの介護保険事業者は、適切な運営をしていますよ。

そして、介護業界にDXを進めたいなら、まずは使わせて慣れさせてそのシステムじゃないともう仕事できないという経験をさせてから課金すればいいのに・・・なんて思っちゃいます。
民間企業まかせで物事は進まないですよ。
賃上げだって民間任せで進まなかったじゃないですか、史上最高に企業が利益を出しているにもかかわらずですよ。

やるならやる。
やりたい人が徹底してやるしかないんですよ。

DXの手引きにも同じような事が書かれていますので、国が見本を見せないと。

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