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クラスター発生施設への職員派遣。

昨日は仕事帰りに仕事用のジャージを買いに行きました。
実は、勤務先の近隣自治体の特別養護老人ホームでクラスターが発生しており、そこへの職員派遣応援の依頼が来ていましたので、法人に確認し僕が行くことになりました。

転勤してきてすぐですから、前任者もまだいる状態ですので、管理部門の人員は余剰ですので、いいタイミングだったとは思います。

さすがに体制不足が常態化している現場職員を出すわけにはいきませんが、もし現場職員から応援に行きたいという声があれば、その期間は僕が現場に入ろうと思って確認して回りましたが、そういう声はありませんでした。
まぁ当然といえば当然です。

クラスターが発生しているという事は、現地の職員さんが相当頑張って現場を支えていると思いますので、とにかく何かの役に立ちたい一心で段取りをつけました。

どこまで役にたてるかわかりませんが、出せるすべてを出し切って援助に入りたいと思います。本当は施設側の求めている期間全部に入りたかったのですが、僕自身の次の引継ぎやどうしても外せない会議もあったりしたので実際の支援は5日程度、その後自宅待機が5日程度、というスケジュールになりました。

そこで、全国ではどのていどクラスターが発生した施設への援助などが行われているのかが気になって調べましたが、あまり報告内容を見つける事はできませんでした。

静岡県とかで熱心に取り組みがされているようなニュースは見かけました。

ほぼ1年前のニュースですが、興味深い内容だったので、この内容も参考にしながら施設への応援に臨みたいと思います。

感染拡大を防ぐための基本は、陽性者が発生したらすぐに濃厚接触者を割り出して、その人たちをすぐに分離することです。その場合、職員もほぼ全員が自宅待機になりますから、介護を続けるためには、他の施設などから濃厚接触していない職員が応援に入る必要があります。

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これは本当に大事で、僕の以前の施設で職員から陽性者が出たときにはすぐに濃厚接触者を割り出して隔離する対応を取りました。
隔離すれば当然人手不足になりますし、濃厚接触者ではなかったとしても、もしかしたら・・・という不安感はありますので、毎日毎日有症状者が増えないかどうかが心配でした。
ですので、外部からの応援派遣の有用性はあると思います。


介護業界の中で助け合いのしくみを作らないと、失わなくていいはずの多くの命を失うことになるだろうと考えました。

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こういう仕組みはすでに制度化されているようですね。
僕も今回初めて知ったのですが、当法人も職員派遣事業に加入しているようで、都道府県の担当者から確認の電話までありましてびっくりしました。

「医療の支援はあるが、福祉の応援体制がなくて、10人にも満たない数の職員が100人ぐらいをみている」という返事が返ってきました。「地獄絵図」とも書いてありました。

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100人のケアを10人に満たない体制で24時間行うというのは、本当に地獄絵図だったと思います。現場職員がどんな想いで頑張ってたかを思うと自分も何かの役に立ちたいとは思いますし、その思いを実際に果たせる機会が得られた事はとてもうれしいです。

コロナについて勉強し始めたころに、厚労省の通知など、いろいろな情報を一生懸命調べたわけですけど、とにかく面会はしてはいけない。あるいは、入院した人が骨になって帰ってくるとか、とても非人間的だと思ったんですね。また、感染したらしゃくし定規に「マスクで個室」というのは、認知症という障害のことを分かっていないと思ったんです。
そして、自分たちなりに対策を作っていかないといけないなと考える中で、どうしても人手が必要になる。余計に人手が必要になるということがひしひしと感じられたので、とにかく応援体制を作らないといけないと思ったんですね。

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外出できなかったり面会できなかったり、難しい問題ですよね。
対策を講じるには人が要る、本当にそうだと思います。

代表者は非常に理解はしてくれるんですけれども、感染の危険のあるところに職員を派遣するっていうところまでは踏み切れない。そうでなくても、介護業界は人手不足ですから、そういうところに行ってほしいと職員に言うということはためらわれます。

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自分のところも人で不足で大変だ、となっている状況ですからね。
出したくても出せないし、出したとしてもリスクが高い。
そう考えると、僕みたいな現場あがりの中間管理職がもしかしたら一番動きやすいのかもしれませんね。

応援派遣というのは、法人としてもやせ我慢ですよ。でも今はやせ我慢してでもやらないといけないときだから。みんな相当悩んで応援に行っているはずです。この仕事を選んだ自分というものがいろんな意味で試されます。1人1人多分やせ我慢して頑張っているんだと思います。
うちでもいつクラスターになるかは分からないし、やせ我慢しながら何とか乗り越えるしかないですよね。やせ我慢の連続ですよ、本当に。

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やせ我慢というのは、いい表現だなぁと思いました。
僕自身も仕事がないわけではないし、仕事を割り振るする前任さんも仕事があるわけですから、平時の倍の仕事を担うようになるわけですよね。
かといって、それができたから、じゃあ人減らしていいよね、とはならないんですよ。無理して頑張って乗り切ってるわけですから。
本当にいろんな意味で、業界全体が試されているのではないかと思いますね。

僕は精神科医で、認知症についても長いので、権利を軽んじられがちな人たちと過ごす時間が長かったんです。

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権利を軽んじられがちな人たち、という言葉は刺さりました。
本当にそうだと思います。

みんな悩みながら答えているんですね。僕はその悩んでいることにとても意味があって、応援に行くということが、必ずしも正解ではないと思っているんです。ただ、みんながいろいろ考える中で、自分なりに結論を出していきますから。

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いろいろと考えて選択をする事は本当に重要と思います。
僕も、僕なりに発見をして、次のステップに生かしたいと思っています。

まだまだ収まる気配がないコロナ禍ですが、今後もこういう取り組みは活発になるかもしれませんし、あちこちでクラスターが発生すれば、それどころではなくなると思いますし、本当にどうなるかわかりませんが、今できる事をやりきる事が重要と思いますし、そこに高齢者や認知症の方の人生を少しでもよりよくする、という目的を忘れずに抱き続ける事が重要と思います。


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