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【高野龍昭】厚労省は介護の人手不足にどう対応しようとしているか 処遇改善は継続 ICT活用は不可欠に・・・という記事の紹介。

介護保険制度については、今後ほんとうにどうなるか不安ですね。

昨日の記事でも書きましたが、僕は今、北海道の山間部の介護事業所で仕事をしています。いわゆる豪雪地帯なので、これから冬を超える時期の豪雪との闘いの模様もお伝えできれば、と思います。

ちなみに、20代後半に3年ほど岡山県の蒜山高原に住んでいた事があり、そこも腰の高さくらいまで雪が積もりましたので雪かき自体はそれなりに経験があります。

北海道に移住して10年ほどですが、それまでは胆振地方(開業する登別市もここに含まれます)や日高地方を転々としていたので、この北海道の太平洋沿いの地域は、あまり雪が積もらないので、移住してから雪かきで大変だった思い出はほとんどありませんでした。

ちなみに、登別市は北海道で最初に着任した場所で、デイサービスの利用者さんからは『このあたりは雪が少なくて冬は過ごしやすいよ。』と言ってもらえていたので、北海道の過酷な冬を想像していた僕は安心したのですが、ところがどっこい・・・。

このニュースの出来事がありまして、明け方に停電になるわ吹雪で息を吸ったら鼻や口から雪が入り込んで喉を詰めそうになるわで死ぬかと思いました。

・・・これが北海道でいうところの”過ごしやすい”冬なのか・・・

当時の僕の心の声

絶望しましたね、俺は冬を越せずに死ぬな・・・と本気で思いました。

実際、デイの利用者さんが住んでいる家の屋根が飛ばされたりと、本当に結構な被害があって、皆さん『こんな事は今までなかった。』と言っているのを聞いて逆に安心しました。

北海道の雪はさらさらしていて軽くて雪かきも楽な印象です。
本州の雪は水分を含んでいて重いですよね。
ただ、関西や中国地方で降ってる量とは桁違いなので、それはこれから体験して楽しもうと思います。

日高地方は馬の産地で、牧場を横目にデイサービスの送迎など本当に楽しかったです。

さてさて、今日の本題ですが厚労省が今後の人手不足にどのように対応しようとしているのかが解説されているっぽい記事を紹介します。

私は、ここ数ヵ月の間に、複数の党派の国会議員や複数の府省のキャリア官僚と個別に話をする機会が幾度となくありましたが、彼らが異口同音に言っていたことは「今後の介護保険制度は、財源の問題よりも人材確保の問題が深刻さを増す」「人材確保対策こそが介護保険制度の見直しの1丁目1番地」ということでした。そのこととも、この白書のテーマは符合します。

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やはり人材不足に対しての対応策が重要課題という事で間違いなさそうです。

しかし、そんな事はこれまでもそうでした。
処遇改善加算等で業界全体の給与水準の引き上げの効果は確かにあったようで離職率などの低下は数値にも表れています。
しかし、身近な所で人手不足が解消した実感は見えませんし聞こえても来ません。

他産業でも相当な人手不足の状況です。
コンビニでもスーパーでも、どんなお店でもほとんどすべてのお店で求人広告が出ています。
介護業界の今後を考えると、若くて優秀な人材をいかに確保するかが本当に重要です。

そこの所に鉈を振るわないと、職員の高齢化が止まらない訪問介護事業所のようにいつか限界がくると思います。

重要なのは、20代30代の若手をどうやって介護の仕事に就いてもらうかだと思います。

保育人材・介護職員については「累次の処遇改善の取り組みにより、給与アップの処遇改善を実施」「離職率は低下」、しかし「有効求人倍率は依然として高く推移」などと記され、これまでの取り組みの評価を行う一方、継続的な危機感を示しています。

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そうなんですよ、離職率は低下している数値が出ていますが、僕自身がつながりのある介護職仲間は結構退職しているんですよ。

という事は、想像ですけど、職員を確保して定着できている事業所と、職員が定着せずに流出し続けている事業所の二極化が進んできているのではないかと思います。

僕が直接見聞きして知っている介護職の離職の理由は、職場全体の方針ややり方が合わない、上司から無視やつるし上げのような対応をされ続けた、自分が前任から教えられた手順の通りに仕事をしているのに先輩や上司が平気で手順を守らず自分が悪いと言われたり能力がないと評価されたりした・・・というような内容です。

そりゃこんな現場の状況だと職員が定着しなくても当然だなぁ、とは思います。僕自身、無理してそこで働き続ける必要はないよと助言をしました。

示された5つのポイント

○ 健康寿命の延伸
○ 医療・福祉サービス改革
○ 地域の実情に応じた取り組み
○ 処遇改善
○ 多様な人材の参入促進

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今後は、これら5つのポイントに沿って対策が練られるそうです。
健康寿命の延伸は、介護予防ですよね。
40代くらいから運動習慣や、しっかりと栄養をとって筋肉をつけておく事が重要と思いますので、そういう情報発信や啓発をしないと健康寿命は延びないんじゃないかと思います。

医療・福祉サービス改革っていうのは、デジタル化とかそういうのを指すのでしょうか。改革っていうくらいの事をするのであれば、既存のシステムを全て廃止して全く新しいシステムにするくらいの事をしないと改善程度で終わりそうですね。

地域の実情に応じた取り組みって難しいと思います。
過疎高齢化が進んでいる地域で仕事をしていますが、介護事業所は縮小の傾向で介護職自体が少ないです。
また、行政の職員も少ないですし、地域全体が高齢化していて働く世代も少なく、もうすでにお年寄り同士で助け合わないと暮らせない状況が生まれています。そして、それすらできないレベルになると入所施設です。
今は入所施設に空きがあるようですが、これもすぐに限界がくると思います。
人手不足と入所要件緩和もあるので、地域での介護難民は増えるのではないかと思います。
そして、介護保険料の利用者負担割合の引き上げや介護保険料自体の値上げがあり、よほど財力がないと介護サービスも満足に使えない人が増えると思います。
そうなると介護事業所は利用者を確保できず、職員配置を維持できずに収益の見込みがある地域への配置転換等でどんどんと介護サービスの力が弱くなっていくと思います。
そうなってから地域に重度の介護が必要な方が増えても、もうどうにもならない状況になると思います。
地域の実情に応じた取り組みを進めるのであれば、地域への財政支援や人的支援も含めた柔軟な対応も必要ですし、たとえば豪雪地域のデイサービスの迎えやヘルパーの訪問ですけど、雪かきをしないと送迎できなかったり、ヘルパーが訪問できない場所も多くあります。なのに、1単位の値段が都会の方が高いんですよ。
僕が北海道でこれまで務めてきた地域は、全て1単位=10円でしたが、たとえば大阪で仕事をしていた時は、1単位=12円とかだったように思います。(10年以上前の事なので記憶が曖昧ですが)

雪かき加算とかないんですよね、そういうのも含めて地域ごとの特性に応じた対応はしてほしいです。

処遇改善は今後も継続という事ですね。
能力の評価は難しい所ですが、できるだけ全員に配分するというやり方だと効果が薄いと思います。
現場職員で特に頑張っている人にきちんと分配できるか、そもそも事業所を介さずに直接介護職に支給するような仕組みが必要と思います。

あとは多様な人材の参入促進ですが、これも介護保険制度の人員配置要件などを柔軟に変える必要があると思います。

たとえばですよ、僕が開業する予定の訪問介護事業所ですが、これは開設は法人である前提があるのと人員配置基準があります。
これを個人事業主なりで運営できるようにして、利用者さんと直接契約する事で介護報酬が全て個人の収入になるので、それだけで処遇改善になりますし、仕事量に応じて処遇の改善できるので、いつかはそうなるのかも・・・とは思っています。
ただ、そうなるといろいろな問題も起こりそうですが、個人的には、こういう緩和と同時に、訪問系サービスは全て動画による記録を義務付ける事で、多くの問題のリスク回避ができるようになると思います。

訪問看護も人員基準がありますし、訪問リハビリだって事情は良く知りませんが、理学療法士や作業療法士さんだけでの運営は認められてないと聞きます。これもおかしくないですか。
健康寿命を延ばすのであれば、リハ職が柔軟に経営できるような仕組みは必須です。

しかし、ここでいう多様な人材って多分外国人なんですよね。
外国人の介護職の評判の良しあしは聞きますので、それはそれでいいのですが、外国人だけを頼みにするのではなく、もっと働きやすい、動きやすい制度にすることでも解消できると思います。

介護分野では自立支援・重度化防止に関連する施策は強調され続けることになる、ということです。処遇改善についても、少なくとも厚労省サイドとしてはまだまだ継続・拡大しようと考えているということだと思います。

また、多様な人材の確保策として、外国人人材の参入を求める方策はコロナ禍の縮小に合わせてリ・スタートするでしょうし、タスク・シフトによる介護業務の仕分け(たとえば介護助手などの検討・導入など)も進めたいという意志表明だとも受け取れます。

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タスクシフトというと、医師の仕事を看護師へ、看護師の仕事を介護職へ・・・という流れもありましたね。

介護現場での医療的な処置については、早く家族に認められている内容は介護福祉士にも認めるような改正を進めて欲しいですし、そうしないと医療が必要な方が介護サービスを利用できなくなります。
看護職だって人手不足なんですから。

「地域の実情に応じた取り組み」は数年前から課題として示されていたもので、社会福祉連携推進法人制度の拡大を期待したり、法人間連携を推進するとともに、事業者の吸収・合併などを推進させようとする意志のようにも読み取れます。実際、都市部では事業の大規模化が進むでしょうし、私の地元の島根県のような過疎地域では、高齢者人口の減少による介護事業の衰退を、人材確保も含めて大規模化で対応せざるを得ないということを意味しているのかも知れません。

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地域の実情に応じた取り組みって、社会福祉法人の大規模連携の事だったみたいですね。
たしかに大規模化での運用効率化は見込めるとは思いますけど、これってうまくいくのでしょうか・・・、事例とかあるのかなぁ。

地域の高齢者人口の減少については、いずれはそうなりますよね。
どんどん人口が減っているので。
なので、とはいってもこれから先はこのままではいけないので、いずれ子供が増えると僕は思っていますし、そうならないとダメだと思います。

ですので、一時期案が出ていた、介護福祉士と保育士の資格を相互に取得しやすくするような取り組みには期待しています。
高齢者数が減少した先は、障がい者や子供の保育の方へシフトしていく事が理想的と考えています。

ICT化などによって、今後20年ほどの間に、介護や医療の労働生産性を5%から7%程度は改善させる必要性と数値目標が示されているのです。

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ICT化は大いに歓迎ですが、生産性が向上するかはちょっと微妙な感じがします。なんとなくICT化の効果は、人材不足の補填以上は難しいのではないかと思ったり。

あとは、働き方ですね。
人材不足なんですからこれまで以上に働かないと生産性も向上しないような気がします。これまで以上に効率的に効果的に仕事ができる工夫が必要と思います。

いやぁ、本当にどうなるんでしょう・・・

先が良く見えない中、本当に手探りで進んでいく事になりそうです。

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