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仏教から学ぶ 部下を褒めるべきか叱るべきか・・・という記事の紹介です。

褒めるのも叱るのも時と場合によるよなぁ・・・なんて思いながら何気なく読みはじめた記事でしたが、なるほど感が大きかったので紹介したいと思いました。

経営者からの相談も少なくありません。特によくあるのが、「社員や部下を褒めたほうがいいのか、叱ったほうがいいのか」という質問です。

この質問に対する私の結論は、「どっちでもいい」となります。

なぜ「どっちでもいい」のか?

それは「褒める」「叱る」よりも「誰に叱られるか、誰に褒められるか」という点が大切だからです。

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どっちでもいい、というのはこう説明されると納得ですが、そうでもなければ中々到達しない境地だなぁと思いました。
たしかにどっちでもいいですよね。

僕自身も、同じ事を言われても響く人もいれば響かない人は居ますし、僕自身が説明しても響かなくて、他の人が同じ説明をすれば響いてたりするのはよくあるので、この”誰に”の部分は本当に重要だと思いました。

そうであれば、誰かの”誰に”・・・になれるかどうかは、やはりいろんな形で誰かにとって説得力や影響力が発揮できるような取り組みを、常日頃から心掛けていかないと、リーダーとしてはいろいろと難しいのだろうと思います。

最近よく目にするのが、部下とのコミュニケーションの大切さ・・・なんですが、そういう部分でも、普段から良好なコミュニケーションがとれていたり、ある程度私生活も含めた情報も共有できる関係が出来ていた方が、物事は伝わりやすい、という事ですよね。

普段から特に愛着がない関係性の人に言われても・・・というのは、僕もみんなも感情のある人間ですので、それであって当たり前なんだよなぁ・・・なんてしみじみを思いました。

社員の立場になって考えてみれば分かります。尊敬できない経営者に叱られても、反発しか感じませんが、尊敬する経営者に叱られれば、社員はその原因や失敗をしないよう肝に銘じます。

褒められるときも一緒、尊敬する経営者に褒められれば、社員は褒められたことを魂に銘じます。社員は、尊敬する経営者には認められたいと思っていますから、社員を認めた上での「褒め」や「叱り」は、どちらであっても社員に響くのです。

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やはり上に立つという事は、あるていど尊敬される必要はあるという事ですよね。ただ、全員から尊敬される・・・というのは、僕自身はほぼ不可能だと思っているので、そこは目指さないまでも、全員とはある程度の距離感でしっかりとコミュニケーションが取れる事が重要だと考えています。

社員を認めた上での褒めや叱りは、どちらであったも社員に響く・・・というのはとてもいい内容と思いました。

相手を認めたうえでの対応は、やはり相手の心に届いている感があります。
なぜそんな行動をしたのか、なぜその行程で作業を行ったのかなどなど、相手がなぜそうしたかを深く考えた上で、相手なりの根拠をイメージして指導したりするようにしてからは、相互理解が深まるような感じもしましたし、コミュニケーションの質がその機会を経てからよくなった実感もあります。

あるとき、お釈迦さまが祇園精舎で大勢の人を前に説法をしておられると、弟子のアヌルッダがウトウトと居眠りを始めました。

それを見たお釈迦さまは、「みなさんここに来るまでの道中で疲れている人もいるでしょう。けれども、仏の説法を聞くということは並大抵のことではないし、祇園精舎に参詣することも、非常に難しい。たとえ法話中、居眠りをしていても大変な仏縁になる」とおっしゃいました。

ところが説法の後、お釈迦さまはアヌルッダを呼び出して「あなたは何が目的で、仏道修行をしているのか」と尋ねます。アヌルッダは「四苦八苦を思い知り、苦しみを解決するためです」と答えます。お釈迦さまはさらに問います。「あなたは良家の出身でありながら、道を求めようとするしっかりとした意思がある。それなのにどうして居眠りなどしたのか」と。

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最近では当たり前ですが、人の前では叱らない、叱るのであれば個別対応で・・・という事を、こんな昔に実践されています。

本人のキャリアプランや目的を照らし合わせながら、本人にその目的を語らせているのも良い手法ですよね、自分で気づかせる感じです。

居眠りした事実だけをダメだ、と叱るのではなく、自分でそれがダメな事だったことに気づけるように持っていく感じですよね。

お釈迦さまは、解脱を妨げる心の作用として、五蓋(ごがい)を挙げておられます。

【五蓋(ごがい)】

1.貪(むさぼ)り
2.怒り
3.眠気や怠け
4.心のうわつき、高揚(たかぶり)
5.悔恨・疑惑

 お釈迦さまは、五蓋の1つ、眠気を叱られたのです。

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五蓋というのは初耳で、お釈迦様がこういう5つのダメな点を挙げておられたのを知れて勉強になりました。

解脱までは目指さないにしても、スキルアップする時や目標達成しようとするときに、こうい5つの要素を避ける事は有用だと思いました。

眠気くらい・・・とは思いましたが、眠気や怠け、という項目なんですよね。心のゆるみが睡眠不足や体調管理や自己管理不足に繋がるという事のように感じました。

このエピソードには、お釈迦さまの巧みな叱り方のポイントが3つ秘められています。

1.弟子の失態を大衆面前では叱らず、個別に呼び出して諭したこと
2.感情的に叱らずに、冷静に修行の目的を問い、本人の口から語らせたこと(再認識させたこと)
3.もともと素直で真面目なアヌルッダの性格に配慮し、叱った後も優しくフォローしていること

お釈迦さまは「話を聞いていなかった」とか、「私に恥をかかせた」とか、アヌルッダを「責める」ために叱ったのではありません。「なぜ修行しているのか」という、アヌルッダ自身の本来の目的に「気づかせる」ために叱ったのでした。

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本当にこの3つのポイントは重要ですよね。
こういう事って、なんで学校で教えないのか・・・と思ってしまいましたが、僕が学生の頃にこんな指導方法を受けた事がなかったので、教師がまずこういう指導方法を習得すべきですね。

この説明の通り、叱る目的が、叱る対象の人のため、という点が非常に重要だと思います。
自分が腹が立って叱っている・怒っている場面をよく見ますが、傍から見ている僕ですらそう感じる指導方法では、到底相手に伝わるはずもなく、相手もうわべだけの応対に終始している事がほとんどです。
これでは、さっさと終わらないかなぁ・・・なんて嵐が去るのをただただ待っている、という状況なので、本当に双方にとって時間の無駄だと思います。
・・・いや、怒った方は怒りの感情を外に出して解消できているので、一方的にストレス解消が出来ている状況、という方が正確かもしれませんね。

どちらにしても時間の無駄に違いはないとは思いますけど・・・。

このアヌルッダというお弟子さんですが、記事によると、このお釈迦様の教えを守りすぎて頑張りすぎて失明してしまうそうです。
お釈迦様も見かねて、そこまで頑張らなくても・・・とフォローしていたようですが・・・。
でも、自分に厳しく修行を続けた結果、目的だった悟りを得る事ができたそうです。

叱る側は、叱ることで単なる服従を求めるのではなく、叱られる側がどういう立場で聞いているかを観察していくことが重要です。

この作法を身につけたならば、古今東西、どんな職場においても重宝されるでしょう。

そのような姿勢で接する社員を、まっとうな経営者や上司が、大切にしないはずはないのですから。

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最後のまとめの内容も素晴らしいですね、本当にその通りと思います。

こういう指導ができるリーダーは、本当にこれから重宝されるし評価されると思いますし、リーダーでなくともこれが出来る職員はしっかりと成長してステップアップできると思います。

やはり、こういうスキルがある職員をしっかりと評価していく事が介護業界としても重要だなぁ、と再確認しました。


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