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【片岡眞一郎】介護テクノロジー開発事業の難しさ 現場で役立つ機器を普及させるために・・・という記事の紹介です。

介護人材不足の対策の1つとして注目を集めているのが介護テクノロジーだ。【片岡眞一郎】

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実際、若い世代はペーパーレスがスタンダードだから紙媒体で無駄な重複作業が多い現場を見たら幻滅するだろうなぁ・・・とか思ってしまいますね。

また、厚生労働省と経済産業省が定めている「ロボット技術の介護利用における重点分野」が改訂され、2025年4月から「機能訓練支援」「食事・栄養管理支援」「認知症生活支援・認知症ケア支援」の3分野が追加されることになった

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ロボット化の重点分野に、機能訓練、食事・栄養管理、認知症ケアの3つが追加されているという事なので、今後はこの分野の自動化が進んでいきそうですね。

しかし、機能訓練と食事・栄養は、なんとなくイメージもふわっと出来る気がしますけど、認知症ケアに関してはどうなんだろ、センサーとかデータを活用した傾向とか統計とかは出せそうですが、認知症ケアの基本は個別ケアなので、そこまで自動化できる分野じゃなさそうな気がするんですけどね。
対応のヒントをAIに助言してもらう、くらいは可能かもですが、瞬間的な対応と判断が必要な認知症ケアの現場でそんな余裕もなさそうなんですけどねぇ・・・。それにAIに質問する仕方によって吐き出される助言の内容も違ってくるので、使う介護職によっては見当違いな対応の助言を示されて誤った対応をして認知症の方の周辺症状が悪化してしまって余計にひどい状況になってしまうという可能性もあります。

このような背景の中で、近年、介護テクノロジーに関する事業を成長事業として経営計画に盛り込む開発企業が増えてきた。介護領域の見本市やイベントなどでも、様々なスタートアップを含む開発企業を目にする機会が多くなっている。

しかしながら、介護テクノロジーに関する事業は、他業界のやり方をそのまま転用することが難しい領域でもある。

国の「
介護現場におけるテクノロジーの実態調査(令和3年度厚生労働省老健事業)」によれば、介護分野に参入した企業の54.2%が「収益をあげるのは難しい」と回答した。ここからも分かるように、期待通りに事業を成長させていくことに苦慮しているケースも多い。

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収益アップのためのDXとかICT化とかペーパーレスというのはちょっと違うのかな、と思ってますが、介護という基本的には標準化が出来ない対応が仕事の現場に他産業のテクノロジーを当てはめようとしても無理があります。

同じ人間が誰一人としていないのと一緒で、それぞれの人の人生は誰かと同じでよいはずがないんですよ。
そもそも介護保険制度の中でもそういう標準的な何かに個人の人生を当てはめようとしている矛盾が発生しているので、その中で介護職は矛盾を感じて疲れてバーンアウトしてしまう現象だって発生しているわけで、それは介護職不足の一つの原因でもあると思うんですけど、そういうのわかってんのかなぁ。

そして他産業からの参入を推進したいのであれば、今回の報酬改定でやったような一定以上の利益率を出しているからといって基本報酬を減らすような事をしていたら無理でしょ。
民間が頑張って利益を出しても、それをあとから利益が出しにくくされてしまうんですから、当然他業種からの参入で収益を上げるのは難しいし、期待通りに事業を成長させるのも難しいのは当然です。

国はそういう事をずっと介護業界にしてきたので、介護業界で他産業のように儲けようとするのは難しいのが現状です。

介護業界の特筆すべき点として、お金を支払う方が本人、家族、介護事業者などそれぞれ異なる点もあげられる。例えば見守り機器。家族や事業所は親・高齢者をなるべく見守りたいと考えているものの、本人は見守ってもらう必要はないと感じているケースもある。

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これも大きいですね。
契約は利用者さんとするんですけど、その利用者さんはケアマネからの紹介なので直接営業して獲得できる顧客ではないんですよね。
その上で利用者さんの希望が第一か、というと実は家族の要望が第一である場合が多いです。

まぁ、そもそもですけど誰しもが介護サービスなんて受けたくないんですよ。だから基本使いたくないんです。しぶしぶ使うんですよ。
その中で顧客満足度を高めていくというのが介護サービスの現場で起こっている現実なんです。
更にいうと、加齢による高齢化に対する自信の喪失感、身内や友人たちとの死別等による喪失感、病気になってしまった事による健康の喪失感など、介護を必要とする人は様々な喪失感を抱えていて諦めモードの方もいれば、怒りモードの方もおられますし、様々な不安定な精神状態の中で生活されているわけですので、そういう個々の精神状態や心情(こういうのはほとんど表に出さないので察するしかない)を踏まえた対応が必要で、そこが介護職の専門性なんだと思うんですけど、そういう所まで意識して対応できている現場の職員ってどのくらいいるのか・・・というレベルでほとんどの現場では雑務や業務が介護の仕事になっている場合が多いです。

介護の基本で、受容というのがあり、これは本当に最初の頃の基本として学びますが、そういう所までイメージして受容していれば、多くのケースで上手な対応が可能になると思うんですけど、ここについては機械化できないと思っていて、基本対応が機械化できないのであれば、やはり現場対応の機械化は難しいだろうと思うのです。

あ、でも心を読めるようなシステムが出来たら別か・・・。
いや、それはそれで心を読まれて対応されて嬉しい人っているかなぁ・・・。僕なら嫌だなぁ、素直になれないし余計反発しそう。

そういう意味では、真に理解しあえないからこその適切な距離間(わからないからほっておくというのではなく、一生懸命対応対応した結果)がケアを円滑にしているのかもしれません。

例えば、排泄介護に役立つ介護ロボットを作ろうとした場合、排泄の予測、排泄の支援、排泄物の処理などの機能が考えられる。排泄介護は大きな社会課題であるものの、実際の製品・サービスは、例えば排尿を予測する介護ロボットのように、排泄介助の一部の業務を支援する機能にとどまることが多い。

排尿の予測といった製品機能から、その予測を踏まえて適切な介護職のスケジュールを設計したり、排尿データから疾病を予測したりする機能へ拡張するなど、一側面からどうやって幅出しできるか、成長させていけるかを描くことがポイントになってくる。

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排泄パターンの予想はある程度現状の現場でも出来ていると思いますけどね。でも、予想が外れる事はあるし、その場合に予定されていたスケジュールが変更になるわけで、これはまた手間になるわけで、そういうリスクがある以上、こういうスケジューリングをした際に現場レベルで柔軟にリカバリーの対応が出来るかどうかが重要ですよね。
こういうのスケジュール通りにしか対応しない職員が必ず存在するんですよね。やはり活用する人の問題は重大だなぁと思います。

国は既に、全国の介護現場が抱えている課題(ニーズ)と、開発企業が保有する製品・要素技術などのマッチングを支援する「ニーズ・シーズマッチング支援事業」を行っている。また、介護テクノロジーの開発についてまとめた「介護テクノロジー開発ガイドブック」といったツールも公開している。

開発企業と介護現場が双方で知恵を出し合いながら、もっともっと現場にとって役立つ機器が開発され、普及していくという好循環につなげていきたい。

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まぁ、いろいろ課題はありますが、それでもいろんな自動化システムは導入されるべきですし、現場で実際につかってブラッシュアップされていくべきですね。
いつまでも机上の空論でやるより早いと思いますので、そういう意味でも介護現場でも活用の機運が高まらないと全然進まないと思います。



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